採用力の要は「経験」ではなく、自社の「企業フェーズ」の認識力
まず考えるべきは会社の規模拡大を前提にしたときに「あなたの会社のフェーズがどこにあるか?」という点。今回は便宜的に、中小企業を「会社の立ち上げ時期」「それなりに足腰がしっかりしてきた時期」「集まってきた人を管理しながら、維持・拡大していく時期」と分けてみます。
会社として序盤戦に近い=企業の規模が小さいほど、我が強くてもルールブレイカーのような積極性の強い人材が不可欠です。というのも、「従業員が少ない」状況においては、必然的に一人あたりが自立して業務を行えているかが非常に重要になってくるからです。過激な言い方をしてしまえば、この時点での「人柄は良いけど、指示待ち人間」はコストになってしまうことも。
従業員数が少ないうちは、一人あたりの重要性が相対的に高くなります。よって、自分の意思を持って、自分で行動できる人材が何よりもその企業の助けになるのです。その動き方を正しい方向に導けるかは、経営理念とマッチした存在であるかの見極めや、先輩社員がどうコントロールできるかにかかっています。
企業はピラミッドです。大企業なら部門・部・課・チームが存在しますし、その数も増えていきます。重要なことは、ある程度以上の規模を持った会社は「縦割り構造」にならざるをえないということです。(その弊害への対策として生まれた横串組織の存在もありますが、今回は本筋ではないため割愛させていただきます)
つまり、「一つの集団」として会社を見るのではなく、「ピラミッドの集まり」として会社という組織を見る段階になります。この段階に入った組織においては、ルールブレイカーのような存在は必要なくなります。むしろかき回す厄介な存在になりえます。
企業にとっての優秀な人材とは、個々のフェーズにおいて「欠けている機能」を担える人材のことです。初期であればその人材がいかに自力で稼いでくるか。成熟していくにつれて、1+1が3になるようなチーム、ないしは組織に貢献していける人材であること。
いわゆる「優秀な人材」を採用の前提とするには、自分の会社のフェーズの的確なジャッジと、状況把握が不可欠になります。ただ曖昧模糊とした「良い人材がほしい」という考えでは、良さそうに見えた人材を実際に入れてみたら「何かが違った」ということが起こりえます。
- 人材採用・育成 更新日:2017/07/06
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