新卒採用と中途採用の違い

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新卒採用と中途採用の違い

新卒と中途の違いは? 企業から見た新卒採用のメリット

一口に人材採用といっても、新卒採用と中途採用では獲得できる人材の属性は大きく異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。そのため企業の採用活動においては、求めている人材像に合わせて戦略的に新卒採用か中途採用かを選択する必要があります。

新卒採用は企業の中長期的な成長を目的に、中途採用は企業の短期的な成長を目的として行われることが一般的です。また、採用活動や採用基準においても両者の違いは少なくありません。

この記事では、それぞれの違いについてさまざまな切り口からそれぞれの違いを紹介します。

採用活動時期における新卒と中途の違い

国内で終身雇用制度が崩れつつあるなかでも、慣習として「新卒一括採用」を行っている企業は少なくありません。新卒一括採用とは、新卒予定の学生に対して年度毎に期間を区切って採用活動を行い、学生が卒業すると同時に企業へと入社する仕組みのことを指します。

新卒一括採用を行うメリットとしては、学生の卒業に合わせて採用計画を立てられることが挙げられます。多くの学生を同じタイミングで選考することができるため、まとまった人数でも採用しやすく、結果として採用単価を抑えることも可能です。

なお、新卒の採用スケジュールに関しては、従来、経団連による採用選考に関する指針をもとに採用広報が3月1日、選考活動は6月1日、内定の通知は10月1日より解禁という流れで行われてきました。2021年卒、2022年卒についても、政府の主導によりこれまで通りのスケジュールが維持されています。

一方で、近年では採用広報が始まる前年の夏からインターンシップが盛んにおこなわれ、1年以上かけて採用活動を行っている企業は少なくありません。就活ルールの撤廃を受け、今後さらに採用活動の期間は長期化していくとも予想されています。

一方、中途採用では求職者ごとに転職活動の時期が異なるため、新卒のように一括で採用活動を行うことは困難です。そのため、新規事業立ち上げや従業員の退職など、企業に即戦力が必要となった際に個別的に採用活動をスタートすることになります。

その際、求めている要件にマッチする人材からの応募さえあれば、広報開始から内定まで数週間で進めることも可能です。一方で、求めている要件に合う人材からの応募がない場合には、採用活動が長期化してしまうことも…。

多くの学生を一度に選考できる新卒採用と比較すると、採用単価は高くなりやすい傾向にあります。

採用基準における新卒と中途の違い

中長期的な企業成長を目的とした新卒採用の場合、採用活動の時点で持っている知識や技術力よりも、むしろポテンシャルや伸びしろ、人柄といった部分にフォーカスした選考が馴染みます。最近では、適性テストだけでなく若手社員などとの面談によって、学生の「素」の部分を引き出す手法が注目されています。

このように新卒採用では即戦力となるかは重視されないため、入社後の育成が不可欠です。そのため、育成に必要なコストをあらかじめ見込んでおくことが重要です。

一方、短期的な成長を目的とする中途採用では、特定の業務に関する知見やノウハウを要件として設定することで、即戦力となる人材を獲得できる可能性があります。配属予定部署の部門長や担当社員が面接を行い、応募者の経験してきた業務について、事細かくヒアリングすることが採用の成功につながるでしょう。

ただし、即戦力のつもりで中途採用した人材のスキルが、実際には期待したレベルに達していなかったというケースも少なくありません。こうした場合、結果として新卒採用と同じような育成コストが発生する可能性があるので、注意が必要です。

採用難易度における新卒と中途の違い

ここでは、新卒採用と中途採用の難易度の違いについて、母集団形成という視点で比較していきます。

前述した通り新卒採用の場合には、企業は計画的に「一括」で採用活動を行うことができます。そのため母集団を大きく形成しやすく、大量採用も狙いやすいでしょう。また、社会人としてのキャリアのない学生ゆえに、その企業の枠に捉われない、さまざまな人材に応募してもらえる可能性もあります。

一方、中途採用の場合、職種や経験年数などを絞り込む形で要件定義したうえで求人をかけるため、母集団が形成しにくく、大量採用は難しい傾向にあります。「中途でもある程度、母集団を大きくしたい」という場合には、要件を緩めたり、業務内容によっては人材紹介サービスを活用したりといった対策を行う必要があるでしょう。

企業風土・文化の定着しやすさにおける新卒と中途の違い

企業にはそれぞれ、独自の風土・文化があります。そして企業での就労経験のない新卒社員の場合、先輩社員との面談を通じて、その企業の風土・文化に惹かれて入社を決意するケースも少なくありません。

そのため、就労先の企業風土・文化が定着しやすい傾向にあります。入社した新卒社員が「この企業とは相性が良い」「働きやすい企業だ」と感じることで、早期離職の予防にもつながるでしょう。

一方、中途社員の場合、ほかの企業での就労経験により独自の価値観を確立していることが少なくありません。面接時にはこれまでの経験やスキル、企業の事業展開や待遇面に話が及ぶことも多いでしょう。

そして、採用活動を通じてこうした点をクリアにできていない場合、入社後にその企業の風土・文化に対して疑問を抱くケースもあります。こうした疑問を放置しておくと早期離職につながる可能性があるため、その人材に合ったメンターを配置したり、キャリアデザインの方向性を示したりといったような人材マネジメント施策が重要です。

今を重視するか、将来への土台を作るか

ここまで挙げように、同じ採用でも新卒と中途では採用活動から入社後のフォローに至るまで、大きな違いがあります。

この違いを意識せず「なんとなく」で採用を進めてしまうと、「新卒社員の育成に時間がかかり、戦力がなかなか補強できない…」「即戦力として中途社員に期待していたのに、すぐに辞めてしまった…」といった結果にもなりかねません。そして、こうした採用の失敗を防ぐためには、企業の課題に合わせて採用方法を検討することが重要です。

たとえば、「営業力不足」「バックオフィス人員の強化」といったように具体的な業務と関連付くような課題が浮き彫りとなっている場合には、課題解決へのスキルを持った人材を採用することで短期的な解決を図ることができるでしょう。

一方、「組織力を向上したい」「社内から将来のマネジメント層候補を育成したい」といったような個別の業務に関わらない、より抽象度の高い課題を長期的に解決していきたいと考えている場合には、育成上の「伸びしろ」が多い新卒採用を検討する価値があります。

まとめ

生産年齢人口の減少傾向が続き、国内で人材不足が本格化するなか、目の前の課題を解決するために中途採用を積極的に推し進める企業が少なくありません。一方で、ここまで紹介してきたように、新卒採用が企業に与えるメリットは非常に大きいものがあります。

特に、長期的な企業の成長戦略を考えるうえで、新卒採用で獲得した社員は欠かせない存在と言えます。そのため、採用を検討する際には短期的・長期的なビジョンをもとに、それに適した採用戦略を立てることを心がけると良いでしょう。