<採用広報開始直前> 2022年卒就職活動の現状と展望
主に「インターンシップ」について振り返ります。
22年卒はプレ期間(インターンシップや就職活動準備を行う時期)のスタート時期からコロナ禍という特殊な環境下でスタートしました。
21年卒は3月以降、コロナの影響を受けたものの、プレ期間中は例年どおり活動ができていたため、22年卒の学生がある意味で初めてコロナ禍での就職活動を行う学年といえます。
まず、2020年6月当初ですが、21年卒の採用選考では徐々にWEBの活用が進んでいたものの、こと、インターンシップに関してはWEBで行うことに対して懐疑的な意見も多く、コロナ禍でインターンシップを行うことに不安を感じていました。
下記グラフは2020年6月に実施した「マイナビ 2021年卒企業新卒採用活動調査」内で取得したものですが、『「全て」+「どちらかというと」対面が望ましいと思う』との回答が9割を超えていたことがわかります。
また、学生の参加率推移をみると、例年であればインターンシップ参加が活発化し始める8月(夏季休暇)が新型コロナウイルス第2波と重なったこともあり、対面でのインターンシップ実施が難しく、中止・延期となるケースもありました。その結果、学生のインターンシップ参加率が前年よりも下がる傾向がみられました。
(出所:マイナビ 2022年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(これまでの活動の振り返り|2020年10月の状況))
その後、徐々にではありますが、各社“実体験に近い状況”を作り出すような独自の工夫をしながらWEB上でのインターンシップ実施が広がりました。また、中小企業中心に密を避け、感染対策を行ったうえで対面のインターンシップを実施するなど、状況に応じて、ふさわしい形式を選択しながらインターンシップを実施するようになります。その結果、学生がインターンシップに参加した割合は徐々に増え始め、前年と同程度なの水準まで上がりました。
学生の活動状況をみると、コロナ禍という特殊な環境下であったものの、プレ期間中の活動は最終的には活発化したといえると思います。
(出所:マイナビ 2022年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月))
しかしながら、2022年卒も学生が過ごした大学生活は特殊であったと言わざるをえません。大学に通ったり、アルバイトをする機会は減少しており、その場で得られるはずの友人や先輩との何気ないコミュニケーション機会が減少していたと思われます。普段であれば教室や学食などでインターンシップや就職活動準備について情報交換ができていたはずですが、今年はそうした横のつながりから得られる情報が少なく、自分からより積極的に情報を取りにいかないと周りの状況がわからなかったり、孤独感を感じている学生も多いと聞いています。いつも以上に得られる情報に「差」ができやすい環境であったといえます。
(詳細はこちら:マイナビ 2022年卒大学生のライフスタイル調査 <withコロナ編>~ 学生生活はwithコロナでどう変わったか ~)
3月以降の企業の採用スケジュール等は現在、調査結果をまとめているところであるため、現時点で把握できている概要をお伝えします。
新型コロナウイルスの影響で急遽、企業セミナーや面接を中止・延期にせざるを得なかった21年卒と異なり、22年卒は事前に状況がある程度把握できており、一部はWEB化するなど事前の準備が進められています。そのため、21年卒で活動が停滞した3~5月の活動は予定どおり実際され、採用スケジュールは前々年、つまり20年卒のときと同様に進捗すると思われます。
それに伴い、学生の内々定率についても同月比でみると前年を上回って推移すると考えられます。ただ、最終的な状況は、現時点では不確定要素が多いため、不透明であると言わざるを得ません。
しかし、新卒採用に対する採用意欲が低いのか、というとそうとは言えません。新卒採用に関しては景況感だけで判断するのではなく、組織の適正な年齢構成、組織の存続・強化を見越して実施される傾向にあります。バブル崩壊やリーマン・ショックなど過去に経済状況が大きく悪化した際に採用を控えたため、特定の年代にあたる人材が不足し、いびつな年齢構成になるなど、様々な反省を企業は抱えています。中途採用で人材を補うことはもちろんできますが、今後、若い世代の人口が減少していくことを踏まえると、人材獲得競争が激しくなることは想像に難くありません。
そうしたこと背景もあり、定期的に新卒採用を実施している企業は継続的に行っていくといえるでしょう。
3月以降はまだ不透明な部分も多いですが、学生、企業双方の皆様に調査にご協力いただきながら、情報収集につとめ、発信してまいります。
- 人材採用・育成 更新日:2021/02/26
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