大手企業志向増加の一方で、6割以上の学生が地元就職を希望/2025年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
地元就職・Uターン就職を希望する学生は62.3%で3年連続同水準で推移
理由は「両親や祖父母の近くで生活したいから(47.2%)」が最多
25年卒の学生が地元就職(Uターン就職を含む)を希望する割合は、62.3%(前年比0.3pt減)だった。23年卒以降3年連続で6割を超えており、大手企業志向の傾向※1と比較すると、17年卒から24年卒まで反比例の関係にある。また、地元就職を希望する理由では「両親や祖父母の近くで生活したいから(47.2%)」や、「実家から通えて経済的に楽だから(37.5%)」「地元(Uターン先)での生活に慣れているから(36.5%)」が上位に挙がった。
※1:「マイナビ2025年卒大学生就職意識調査」より
コロナ禍前は大手企業志向の高まりから、地元就職意向は減少傾向だった。しかしコロナ禍以降、就職活動の厳しさや経済状況への懸念から、地元を離れて都市部で独り立ちすることへの不安が増し、地元就職意向が高まった。一方、25年卒では大手企業志向の学生が増えているが、引き続き地元就職意向も6割を維持している。昨今就職先を選ぶ際、経済的な不安や将来のライフスタイルの変化を想定し、福利厚生などの制度面の充実を求めて大手企業志向が高まっているが、それと同時に、実家やその近くで生活することで安心したいと考える学生が一定数いることなどから、地元就職意向の割合も維持されていると推察できる。【図1、2】
地元就職を希望する背景にあるのは、
社会人生活への経済面・生活面での心配や、将来の子育て・介護について備えたい意識
地元就職を希望する人に、その理由について自由回答で聞くと、「何かあった場合に誰も頼ることができないのは心細い」、「実家から職場に通えば最初は仕事のことに集中できそう」などの声が挙がった。社会人生活という新しい環境への不安から、頼れる存在が身近にいる地元や実家で暮らすことで、生活面や経済面、さらには精神面の負荷を減らしつつ、仕事に集中したいという思いが読み取れた。
また、「将来子供ができたときに両親に頼りやすいし、両親に心配事があってもすぐに駆けつけることができそう」「実家から通って老後に向けてお金を貯めたい」などのコメントもあり、将来のライフイベントについても想像した上で就職先を検討している学生がいることも分かった。【図3】
Iターン就職に興味がある学生は43.6%。
インターンシップや旅行をきっかけに興味を持つ学生も
地元以外の地方で働いてみたいと思うかについて聞いたところ「働いてみたい」と回答した学生は43.6%だった。その理由については「趣味と仕事のバランスをとりたい」が最多で36.0%、「見聞を広げたり、新たな発見ができるから(29.3%)」、「住む場所には特にこだわりがないから(28.2%)」「新たな人々との出会いが生まれるから(28.0%)」が続いた。
地元以外の地方で働いてみたいと思ったきっかけを聞いたところ、「インターンシップで訪れてその場所での生活や仕事に興味を持った」「(その地域に大学があり)大学近くに住んで良さを知った」「旅行で訪れて住みたいと思った」などのコメントが見られた。Iターン就職する学生を増やすために、さまざまな間口から学生に地域の魅力を体験してもらうきっかけをつくることは効果がありそうだ。【図4、5】
- 調査・データ 更新日:2024/05/10
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