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【学生座談会】就活中の情報収集について聞いてみた
企業SNSや採用サイトの情報はどのくらい学生に影響を与える?

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長引く人材不足により、すっかり「売り手市場化」が定着した採用市場。その中で採用を成功させるには、なんといってもまずは企業を「知ってもらうこと」が重要です。
きっとこの記事をお読みの方も、採用広報活動にはこれまで以上に力をいれていらっしゃることでしょう。

そこで気になるのが、実際に企業による広報活動が学生に与えている影響の深さです。日々の選考や説明会運営などで忙しい中、少しでも学生の目に留まるようにと時間と労力を割いている広報活動は、どれほど学生に届いているのでしょうか。実際に就職活動を終えたばかりの学生に聞いてみました。
<座談会参加者>

― 今日はお集まりいただき、ありがとうございます。まず、企業の採用SNSについて伺います。どのくらい見て、信頼していましたか?


Dさん:正直なところ、発信されている情報をそのままうのみにすることはなかったですね。企業が公式で出す対外的な情報は良いところばかりにフォーカスしている印象が強く、むしろ「そうじゃない」、リアルな情報を知りたいという気持ちが強かったですね。

Cさん:僕もほとんど見ていませんでした。Dさんの言っていることに加え、情報が流れていくので自分の中で体系立った知識や知見の組み立てができないと思ったからです。
企業公式の情報では、主に採用サイトを見ていました。

Bさん:私は企業の採用サイトが信用できなくなった経験があります。採用サイトに「地域密着・地域貢献プロジェクト」について書かれていた内容に魅力を感じて面接を受けた企業があったのですが、実際にはまったく力を入れたものではなかったことが分かったからです。

確かにプロジェクト自体は存在しているけれど、採用サイトに書かれているほど力を入れているわけではないという実情を知り、結構ショックでした。

― 確かに、失望するような体験があると何を信じればよいかが分からなくなってしまうのも無理がないと思います。企業側も多くの学生に興味を持ってもらうため、少し誇張してしまうこともあるのかもしれませんね。


Aさん:私もOB・OG訪問をする中で企業が発信している情報と現実との乖離(かいり)を感じる機会が多く、基本的に「生の声」を大事にしていました。

人が情報を発信する以上は、何らかのバイアスがかかることは避けられないので、自分で情報を集め、自分でそれらを咀嚼(そしゃく)し、自分で判断をするということを就活中はずっと意識していましたね。

なので、企業の採用SNSもあくまで参考程度に、事業内容など事実として揺らがないものを確認するという目的で活用していました。

― Aさんが指摘されたとおり、全ての情報をありのまま受け取るのは難しいことだと思います。そういった観点で、皆さんは情報収集で気を付けていたこと、意識していたことはありますか?


Dさん:Aさんと同じく、僕もOB・OG訪問を重視していました。とはいっても、OB・OGもその会社の社員であり、企業の一員であることには変わりがないので、2つの方法を使うようにしていました。

1つが、OB・OG訪問をし、その企業の良い面を聞いていくこと。これで、実際に働いている方がその企業のどんなところを魅力的に思うかを知ることができます。

もう1つが、メンターの方などを通じて選考辞退者、退職者につないでもらい、その企業の悪い面を聞くことです。

プラスとマイナスの両面で情報を集め、自己分析結果や自身のキャリア観と照らし合わせながら、選考を受ける企業や内定を受諾する企業を決めていきました。

Cさん:OB・OG訪問は僕も重視していましたが、特に大切にしていたのが「プライベートな関係」を築けた相手からの情報です。

最初は企業の公式なイベントとしてOB・OG訪問をして、その後、就活に関する相談などにプライベートで乗ってもらう相手が何人かいたのですが、そういう方々からは「本当の情報」が聞けると思いました。

他の方もおっしゃっているように、そういったいわば「公式」の情報の真偽を確かめるためにOB・OG訪問をしていたという感じです。
Aさん:私も志望度の高い企業には年次や部署、これまでのキャリア、新卒入社の方、中途入社の方などさまざまなタイプの方とお話ししたいとリクルーターの方にお願いして、つないでいただいた方にひたすら相談をしていました。

― 相談というと、どのような内容ですか?


Aさん:自分のビジョンやキャリア観を伝えて、入社したらそれらがかなえられるか、かなえるとしたらどんな方法か、といった内容です。そうしてロールモデルとなり得る方がいたら、選考に進んだり、内定を受諾したりといったアクションにつなげていきました。

Bさん:私の場合、入社予定先の企業を決めた最大のきっかけは夏のインターンシップだったのですが、意思決定の前にはその企業に勤めている親戚の知り合いからの情報も参考にしました。
選考過程や公式のOB・OG訪問では聞きにくい、勤務時間や福利厚生の話も率直にお話ししてくださって、とても良かったですね。

― では最後の質問です。 どんな情報を企業に発信してもらうとうれしいですか?


Bさん:皆さんおっしゃっていたことですが、奇麗なことが並んでいると本当かな……と思ってしまうので、ネガティブな情報こそ企業が自身を客観視して載せてくださるとうれしいですね。

結果として志望度が落ちることも当然あり得ますが、そうだとしても悪い面は後々分かってしまうことですし、であれば最初から教えていただいた方が信頼度はぐっと上がります。

― 最近はそういった声を反映して、「退職者インタビュー」を採用サイトに掲載する企業も増えていますが、たとえばそういうことですか?


Bさん:退職した企業の採用サイトに載ると思ったら、やっぱり本当に悪い面は言えないと思うので…… できるだけ自分で話を聞きに行きたいですね。

企業としては、あくまでも数字や実績から明らかにしていただき、「ここは自社の悪いところ」と言える情報を出してほしいと思います。

Aさん:私は多くの方と面談をさせて頂いた中で、それぞれの方の「入社意思決定理由」が最も会社のカラーを表していると思い、企業の特徴を知るのに有効な情報だと実感しています。
特に年次の若い方の「なぜその企業に入社しようと思ったか」という理由を企業から発信していただきたいですね。

― 例えば“若手1人だけ”の入社理由しか発信がないと、会社のカラーを知るというところまでは分からないですよね。少しでも多くの社員の入社理由を発信することは必要ですね。

Cさん:僕の場合、「たくさんの情報」よりも、「少ないけれど深い情報」をもっと発信してほしいなと思います。
社員の学生時代にまでさかのぼって、就活では何をやっていたのか、内定後になぜ今の部署に配属されたのか……のような内容ですね。

そこまで深い情報を提供してくれる企業は少ないので、とても参考になると思います。

Dさん:僕も現役社員の方のキャリアプラン、キャリアストーリーをもっと見たいと思いました。社員に話を聞いてコンテンツをつくることができるのは企業だけなので、その強みを活かしていただけるとうれしいです。

あとはYouTubeをもっと活用するのもいいんじゃないかと思っています。気軽に見られますし、記事で読むよりも実際に動いて、話している様子も見られる分、真偽を判断する情報も多いと思います。

― 今日はありがとうございました!

今回のお話は、事前に想像していた以上に学生が企業の発信をシビアに見ていることに筆者も驚きを感じました。

一方で、数多く存在する「就活アカウント」や「口コミサイト」にも同様に、まず見極めることを念頭に置いていることから、今の学生の情報収集能力、判断能力の高さは私たちの想像以上だと知る良い機会でもありました。

座談会の中では具体的な方法論なども語られましたが、まとめると「企業自身にしかできない情報発信を、うそなく正直に行うこと」が、採用広報における成功への近道なのかもしれません。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2023/11/22
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