新卒採用の説明会で使うプレゼン資料のポイント
説明会において学生にインパクトを残せたとしても、その企業のことが適切に伝わらなかったとすれば、それは良い会社説明会だったとはいえません。
前述した通り、採用活動におけるプレゼン資料は、その説明会において参加者に伝えるべき内容を視覚化することで、学生の直感的な理解を促すことを目的として作成されます。
そして説明会において最優先されるべき項目は、企業の情報です。 具体的には、企業の沿革や理念・ビジョン、事業内容や具体的な製品・サービス、仕事内容などを最低限盛り込むようにしましょう。もちろん、募集職種や採用ステップなど選考に関わる内容も欠かせません。自社ホームページや就職情報サイトに掲載している情報は学生がすでに知っているため、より詳細な情報やWEBでは説明しづらい社風などを伝えることを意識しましょう。
「多くの内容が盛り込まれたプレゼン資料がディスプレイに映し出され、登壇者はそれを読んでいるだけ」 これでは聞き手を惹きつけることはできません。
プレゼンでの主役はあくまで「人」であり、資料は人が話す内容をサポートする存在です。そのため、すべてのことを資料のなかで説明する必要はありません。特に、プレゼン資料に頼ったスピーチでは、学生を飽きさせてしまうので注意しましょう。
学生を飽きさせないためには、彼らが求める内容を登壇者が適切に伝えていくことが重要です。たとえば、先輩社員による働き方や1日のスケジュールなど、その企業で働くイメージができるような具体的な生の声は学生からの評価も高い傾向にあります。
「個別企業セミナーにおいて最も話を聞きたい人は」というマイナビのモニター調査(※)においても、「入社2、3年目の若手社員」と答える人は「社長や経営者など」を抑えて最も多い結果となっていました。
資料ができたらリハーサルをしましょう。話してみると不要な情報により話がずれることにも気づくことができます。 最近では採用力強化の一環として、説明会に登壇する若手社員などへのプレゼンテーション研修を行う企業も増えつつあり、外部研修の需要も高まっています。
このところ、WEBセミナー形式で説明会を開催する企業も増えつつある一方、社内の会議室などのリアル会場で開催する企業がまだまだ多数派といえるでしょう。そして、リアル会場では、プレゼン資料はディスプレイに投影されることが少なくありません。
この場合、文字が多く要素が詰め込まれた見えづらい資料は効果的とはいえません。前述した通り、プレゼン資料はあくまでスピーチをサポートする存在ですので、見やすさを重視した作り込みとしておきましょう。具体的には、文字は極力少なく、反対にイラストや写真、図版を大きく見せることが重要です。
また、プレゼン資料では「トンマナ(トーン&マナー)」に一貫性を持たせることも大切です。ページごとにフォント(メイリオがおすすめ)や文字の大きさ(見出しは36~44pt、本文は18~32ptを目安)を変えない、見出しの位置を揃えるといった点を意識、色は基本3色、多くても5色までにすることで全体に統一感が生まれ、見やすさにつながります。
そして、プレゼン資料の作成にPowerPointなどのアプリケーションを活用する場合は、1スライドにつき一つの内容のみ盛り込むことを意識しましょう。二つ以上の内容が含まれると文字が多くなりがちなうえ、何を伝えたいのかわかりにくい資料となってしまうためです。
このようにプレゼン資料において見やすさは重要ですが、一方で言いたいことが端的にまとめられているだけでは、学生の心を掴むことは難しいでしょう。そこで意識しておきたいのがストーリー性です。
テレビ番組などで紹介される、企業の創業や製品・サービスの開発にかける人の想いに惹かれた経験があるという方も多いのではないでしょうか。説明会においても、こうした要素を盛り込むことで、より学生の心を掴むことができます。 自社製品・サービスを紹介する際にはただ写真で見せるだけではなく、使われている場面や世の中にどのように貢献しているか、といった情報を盛り込むと良いでしょう。
その際には「ゴールデンサークル」といわれるようなフレームワークを活用することが効果的です。これは「Why → How → What」の順番でストーリーを展開することで、より人の心を動かすことができるというものです。
たとえば、製品を紹介する場合には「人々を悩ませていたある社会的課題を(Why)、当社の技術を活用した製品を作ることで解決し(How)、結果として人々は幸せになった(What)」というような順番を意識して資料を構成しましょう。
- 人材採用・育成 更新日:2020/07/16
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