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夏・秋採用で注目したい「体育会系学生」のポテンシャルと見極めのコツは?

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夏・秋採用を行う企業にとっての悩みのタネとなるのが、学生からの応募の集まりにくさ。多くの学生の就職活動は解禁直後の3~4月がピークです。夏・秋採用を実施してはいるものの、十分に学生を集めることができない、または自社とマッチする人材の発掘が難しいことがよく課題として挙げられます。

そこで注目したいのが、夏・秋から就職活動を本格化させる割合が一般学生よりも高い「体育会系」の学生。大会や部活動の都合上、一般学生と就活スケジュールが異なる上、体育会系学生ならではの強みも持っています。
そんな彼ら・彼女らの就職活動とはいったいどのようなもので、どんな見極めのポイントがあるのでしょうか。

体育会系学生とは?
大学の体育会(運動系の部活動)に参加している学生のことを指します。選手に限らず、マネージャーやトレーナーなども含まれます。
今回の記事ではサークルや同好会所属学生とは区別し、大学公認の部活動に所属している学生について解説していきます。

― 今日はよろしくお願いします。まず、今回のテーマである「体育会系学生」が持っているキャリア観を伺いたいと思います。


長谷川: はい。大学の卒業後に、自分が打ち込んできた競技とどのように付き合いたいかという観点から、3つの類型に分けられます。
まず第1に「実業団チームに入る」というパターンです。この層は就職活動をするのではなく、実業団チームからスカウトされたり入団試験を受けたりして競技者として採用され、入社後の勤務形態も大きく異なりますので、今回の趣旨からは外れてきますね。
第2が、競技を続けながら一般の社会人として働いていくデュアルキャリアを築くパターンです。地域のサッカークラブや野球チームに所属するようなスタイルを想像すると分かりやすいかもしれません。
就業後や休日に練習したり試合に出たりすることで競技は続け、社会人として普通に働いている方ですね。中には時短勤務を希望する方もいますが、一般的な就職活動をして入社する方々ですので今回の趣旨に合います。

最後が競技人生にピリオドを打ち、セカンドキャリアとして完全に一般の社会人と同じように働く方々です。こちらも、もちろん今回のお話の趣旨に合っています。

― 一般に「体育会系学生」は、どんな特徴を持つ方が多いのでしょうか?


長谷川: 体育会系学生は学生として過ごす時間の多くを競技に費やし、深く打ち込んでいますから、練習を通じてレジリエンス(※)が鍛えられている、上下関係の理解などがあることが多いようです。企業の方もそのような体育会系学生ならではの能力を期待して採用をしたいという意向が強いですね。

※レジリエンス(Resilience):不利な状況に対応して正常な均衡状態を維持する力を表す言葉として用いられる心理学用語。一般には「忍耐力」や「再起力」「復元力」などを総合的に指す言葉として用いられる。

― 実際に学生と交流される中で、企業が期待するさまざまな能力を持っているなという実感もありますか?


長谷川: そうですね。キャリアアドバイザーとして学生と接していると、総じてレジリエンスは高いと感じます。競技をやっていると、逆境を乗り越えなくてはいけない場面というのはやはり多いですから。
あとは、日々の練習を成果につなげていく習慣から、目標設定能力に優れている学生が多かったり、長い間ひとつの競技に打ち込んでいることも多いので、継続力も高かったりすることが多いですね。

加えて、個人競技に打ち込んでいた学生だと「自身の立てた目標に向かっていく力が強い」とか、団体競技だと「周りと協調して目標達成する能力が高い」という能力があると思います。
角: 他にも、チャレンジ志向や継続する力を求めて体育会系学生に注目されることが多いです。学生側も、自身が競技を通じて培ったコミュニケーション能力や体力を活かして営業職を志望することが多いですね。

― 競技を通じてレジリエンス、コミュニケーション能力、目標達成能力といった素質を持っていると推測できるのは、見極めの場面では助けになりそうですね。


角: そうですね。そういった能力に自信がある学生は選考などでもうまくアピールしてくれる上に、その裏付けとして競技経験をもとにしたエピソードを話す学生が多いので、根拠を持って学生の見極めをすることができます。

― 一方で、それ以外の能力についてはどのように見極めるのがいいのでしょうか。


長谷川: 大学時代を競技に打ち込んで過ごしてきた学生が多いので、その他にどんなことをしてきたのかを聞くと、一人ひとりの持つ特性を知りやすいと思います。
プロ志向で完全に競技に100%の力を注いでいたという学生もいますし、学業やアルバイトなどもバランスよく経験している学生もいます。どちらが良いということではありませんが、人柄を知る参考にはなるのではないでしょうか。

角: あとは、競技の中でのポジションや経験を聞くというのは、やはり体育会系学生を見極める上でポイントになると思います。
周囲のサポートがうまいのか、ソロプレイヤーとして成績を上げることに向いているのか……そういったことが競技に対する姿勢から見えてくるはずです。

長谷川: この2年間はコロナ禍によって大会が開催できなかった競技も多く、結果的にどのような成績に結び付いたかを話すことができない学生が多いため、ポジションや周囲との関係といったところから掘り下げてあげると、学生側も話しやすいと思います。

― 先ほど「プロ志向」という言葉もありましたが、やはり競技に打ち込んでいると、一般的な就活スケジュールに乗れないという場合もあると思います。実際にはいかがでしょうか?


長谷川: 確かに、そういう学生も多いですね。競技にもよりますが、他の学生が就活の準備を始める3年生の夏ごろに大会が被っていたりすると、どうしても出足が遅れるということはあります。
また、部活動が落ち着いたタイミングで就職活動を開始するパターンもありますね。一例にはなりますが、4年生の4~5月にはリーグ戦、9〜10月には全日本インカレ(※)がありますので、それぞれ終了後から就職活動を開始するような場合です。

― ちょうど、夏・秋採用のタイミングと重なりますね。


角: そうですね。夏・秋に採用活動をされている企業にとっては、就職活動を開始したばかりの学生に出会えるチャンスです。

もちろん人によりますので、一般学生と同じスケジュールで動いている学生もいます。ただ、私たちが接する体育会系学生の多くは、「ゆっくりめ」の就活スタートとなる場合が多いですね。

※全日本インカレ:全日本インターカレッジ(全日本学生選手権)のこと。多くの競技が9月から10月にかけて大きな大会を開催する。

― となると、学生側も不安を感じているのではないでしょうか?


角: そうですね。他の学生が自己分析や業界研究に時間を割いている間、自身は競技に打ち込んでいて時間が確保できなかったり、一般学生がどう活動しているかを知らなかったり、ということもありますのでそこに不安を抱えている場合が多いですね。
長谷川: 採用側も、学生がそういった不安を抱えていることを理解して別の採用スケジュールを組んでサポートしていますし、私たちもキャリアアドバイザーとして競技の中での立ち位置から自己分析をする手助けをしたりしています。

― 続いて、実際に体育会系学生の採用を考えている企業は、どのような手段で出会えばいいのか、具体的にお伺いしたいと思います。


角: 先ほどお話ししたように、体育会系学生は自身が競技の中で培ってきた能力を活かせる仕事を希望する場合が多いので、マイナビのような就職情報サイトで「体育会系学生歓迎」のように記載することをお勧めしますが、体育会系以外の学生からは逆に避けられてしまうというのが実情です。

― 確かに、体育会系以外の学生の目には自分が求められていないと映ってしまうこともあるでしょうね。


角: はい。なので、ひとつの手段としてマイナビが運営している「体育会系ナビ」はお役に立てると思います。体育会系学生だけをターゲットとしてアピールできる場としてご利用いただけるサービスです。
また、体育会系学生向けの合同会社説明会もリアル・WEBともに行っています。実際に学生とコミュニケーションを取ることで、体育会系学生特有の強みを直接感じていただける機会になるはずです。体育会系学生の視点からも、自分たちを求めている企業に出合えるという期待感がありますので、積極性も高いです。

― 体育会系学生はエージェント(人材紹介)の利用も多いと聞いたことがありますが、実際はどうでしょうか?


長谷川: はい、競技種別や学生の打ち込み具合によっては時間が取れないので、学生にとって時間効率のいいエージェントサービスの利用率は一般の学生と比較して高いと思いますよ。マイナビでも「アスリートキャリア」というエージェントサービスをご用意しておりますので、ご興味があればお問い合わせください。

マイナビの体育会系学生向けサービスはこちら

― エージェントサービスも含めて、体育会系学生向けにはどういった広報ノウハウが有効なのでしょうか。


長谷川: 成長志向が強い学生が比較的多いので、自社が持っている成長環境を強く打ち出すことが効果的ですね。あとは、同じ体育会出身の先輩が働いている姿をアピールするのも良いと思います。

角: 付け加えると、就職後も趣味として競技を続けたい、関わりたいという学生が多いので、競技に割ける時間を確保できるかどうかや、社内でのキャリアの積み方についても伝えることが重要です。
お二人の話によると、体育会系学生を採用された企業からは「社内が活性化された」や「他の社員も元気が出た」という声もあるそうです。
夏・秋採用を検討しているけれど、自社に合う学生に出会えるかが分からないとお悩みの企業の皆さまは、ぜひ今回の記事を参考にレジリエンスや継続力といった、仕事をする上で重要な能力を持ち、コミュニケーション能力に優れた人柄であることも多い体育会系学生の採用についてご検討いただくと良いかもしれません。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2022/06/09
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