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Uターン就職希望割合にみる経年変化の実態

地方創生という政府方針もあり、昨年あたりから大学生のUターン就職に関する問い合わせを多くいただいています。弊社では毎年4月頃に実施している「マイナビ大学生 Uターン・地元就職に関する調査」で学生のUターン志向の割合や、その理由等を公表しています。今回は、この調査結果を時系列で比較した場合、Uターン志向はどのように変化しているのかを詳らかにするべく、改めて集計を行ってみました。
まず「現時点で地元(Uターン含む)就職を希望しますか?」という設問を5年分比較してみました。「希望する+どちらかというと希望する」の合計は12年卒の72.6%から、16年卒では63.8%と8.6pt減少しており、地元就職希望割合は減少しています。
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但し、この設問では「地元」に関して明確な定義を設定しておらず、やや曖昧さを含んだ結果になっています。そこで、もう1つの指標として、「卒業した高校の都道府県」「進学した大学の都道府県」「現時点で最も働きたいと思う勤務地の都道府県」の3つの回答を基に、分析を試みました。まず「卒業した高校の都道府県」と「進学した大学の都道府県」が同一だった場合を「地元残留組」・異なる場合を「地元外進学組」と、2つの分類を作成。この分類を基に「卒業した高校の都道府県」と「現時点で最も働きたいと思う勤務地の都道府県」とが同一だった場合を、地元就職希望割合として集計しました。
「卒業した高校」=「進学した大学」→地元残留組
「卒業した高校」≠「進学した大学」→地元外進学組
「卒業した高校」=「進学した大学」=「現時点で最も働きたい勤務地」→地元就職志向
「卒業した高校」≠「進学した大学」且つ「現時点で最も働きたい勤務地」=「卒業した高校」→Uターン志向
※全体は「卒業した高校」と「現時点で最も働きたい勤務地」とが同一だった割合。
全体の地元就職希望割合を算出してみると、12年卒の63.3%から16年卒では52.6%と10.7pt減少しており、前述の結果同様、地元就職を希望する割合は減少傾向にありました。これらの結果から、少なくともこの5年では地元就職を希望する割合は減少しているといえそうです。
これを地元残留組と地元外進学組に分けて比較すると、地元残留組は5.3ptの減少(12年卒80.2%→16年卒74.9%)にとどまる一方、地元外進学組は14.0ptの大幅な減少(12年卒49.1%→16年卒35.1%)となっており、地元外進学組のUターン志向の方が、減少幅が大きいことが判明しました。
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今度は各地域別に比較をしてみました。本来は都道府県ごとに出したかったのですが、回答数の関係で地域ごとにさせていただきました。各地域を卒業した学生数と地元地域の大学に進学した割合は次の通りです。大学の校数が多い関東・関西は進学先の選択肢も多くなり、地元地域大学への進学率がそれぞれ9割を超え、当該地域を出ていないことがわかります。一方、甲信越や四国などは半数以上が他地域の大学に進学していることになります。
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地域別の地元就職希望割合の集計方法は「地域の都道府県高校出身者」と「現時点で最も働きたい勤務地の地域」が同一であるかの割合です。(※例:四国地域で高知県の高校出身学生が香川県で就職を希望すれば、地元就職希望となります。)結果を比較してみると、地域ごとに事情が異なることが見て取れます。新卒採用を行っている企業数も多い大都市圏の関東や関西の場合、希望就職地域も同一である割合が高く、9割前後で推移しています。地域外の大学に進学した学生も、7~8割は地元地域での就職を希望しています。
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それ以外の地域を大都市圏と比較すると、地元残留組と地元外進学組の就職希望割合の開きが大きいのが特徴です。特に、地元外進学組のUターン就職希望割合は3~4割と、地元に意識が向いていないことがはっきりとわかります。
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<地元に学生を呼び戻すには>

同調査において、Uターン就職を希望しない理由として「都会の方が便利だから」40.1%や、「志望する企業がないから」35.7%などが挙げられています。都会の便利さは容易に再現できませんが、志望する企業に関しては認知不足ということも考えられます。実際、この調査で学生自身に「地元(Uターン含む)就職を希望する人を増やすためのアイデア」を募ったところ、より地元企業を認知できる機会を要望するアイデアが多く寄せられました。実際、新潟の三幸製菓や岡山のカバヤ食品など、地方に本社を置く企業でも、しっかりとした情報発信を行い、優秀な学生の確保に成功している企業は数多くあります。
また帰省時の交通費がネックになっていることも調査結果から明白になっています。帰省時期にあわせた企業セミナーの開催やWEBセミナーの活用なども一つの手段となります。

この要因以外にも「親との関係性」なども影響していると推察されます。このあたりは今年の調査で、より詳細に調査してみたいと思います。
いずれにせよ、地方創生の担い手たる人材の確保は、各地域における今後の成長にとって欠くことの出来ないピースです。この実状をよく理解し、地元学生の採用はもちろんの事、Uターン学生や地元とは縁の無い県外出身者のIターン獲得を目指し、しっかりと認知してもらえる機会を増やしていくことが重要ではないでしょうか。

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