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緊急事態宣言下での21年卒採用活動について

2021年卒の採用活動は、新型コロナウイルス感染症の流行により、大きな影響を受けています。このコラムでは、緊急事態宣言により外出自粛要請がなされ、対面式での個別企業セミナー・会社説明会の開催が難しい状況の中で採用活動を進めるにあたり、有用な情報や工夫について考えていきます。

政府や経団連からの情報発信について

新型コロナウイルス感染症対策について、国は首相官邸のホームページなどで情報発信を行い、その情報は日々更新されています。新卒採用に関するものとしては、内閣官房のホームページに以下の文書が掲載されています。

新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2020年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動及び2019年度卒業・修了予定等の内定者への特段の配慮に関する要請について(令和2年3月13日)

主な内容は、以下の通りです。

  1. 企業説明会については、開催の必要性を改めて検討し、開催する際は感染の拡大防止に十分配慮すること
  2. 学生が説明会に出席できなかったことをもって、その後の採用選考に影響を与えることがない旨を積極的に情報発信すること
  3. インターネットなどを活用した企業説明会、面接、試験を積極的に実施すること
  4. 選考活動については令和2年6月1日以降の開始を遵守すること
  5. 秋採用・通年採用などによる一層の募集機会の提供を行うこと

また、経団連は、3月31日付で「新型コロナウイルス感染症に伴う2021年度入社対象者の採用選考への対応について」(採用と大学教育の未来に関する産学協議会)、4月6日付で「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた採用選考活動に関するお願い」という文書を、それぞれホームページに掲載しています。

新型コロナウイルス感染症に伴う2021年度入社対象者の採用選考への対応について

新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた採用選考活動に関するお願い

これらの文書で、企業側に実施を推奨することとして、挙げられているのは以下の通りです。

  1. Web説明会など多様な通信手段を活用した企業説明の機会の創出
  2. エントリーシートの提出期限の延長
  3. オンライン面接の推進
  4. 年間を通じた複数回の選考機会の確保
  5. 感染収束以降の採用関連イベントの追加開催

さらに、今年度の就職・採用活動に臨む経済界の決意として「企業と学生との間で雇用のミスマッチを起こさないとともに、第二の就職氷河期を作らないとの強い決意をもって臨む」ことが示されています。これらの文書は、今後採用活動を進めていく上で1つの指針となるでしょう。

WEBセミナー開催時における配慮と工夫について

対面式での個別企業セミナーの開催は、前述の政府や経団連の文書が出された時期よりはるかに厳しい状況となっています(4月27日現在)。4月7日に政府より緊急事態宣言が発令され「外出自粛要請」が行われており、この時期に開催を予定しているだけで批判される可能性も考えられます。当面はWEBセミナーの活用が現実的です。

すでに21年卒の採用活動において、対面式の個別企業セミナーの代替手段として、広く活用されているライブ形式のWEBセミナーですが、3月のモニター調査より、学生側の捉え方を見ると「対面式の個別企業セミナーと大きくは変わらない」という意見はごく少数で、多くの学生は「勝手が違う」と感じています。そこであえて、学生が不満を感じていることを見ていき、今後WEBセミナーをよりよくする糧にできればと思います。

「質問したいことを確実に聞くことができない」

企業セミナーで挙手して質問することは、就活生にとって勇気がいることですが、聞きたいことを確実に聞くチャンスでもあります。また、良い質問をすることができれば企業への自己アピールになります。WEBセミナーでも、コメントをつけたり、チャットをしたりする機能を使って、企業に質問をすることができます。この場合、企業側からは学生の顔が見えないことから気軽に質問できるようで、対面式だと物怖じしてしまう学生も参入してきます。その結果、大量の質問がWEBセミナーの画面上にあふれて、次々と流れていき「質問したいことを確実に聞くことができない」という感想を持つ学生が出てきます。もし、対面式のセミナーで挙手して質問し、自己アピールするような学生を積極的に採用したいのであれば、少人数制双方向のWEB質問会を別途開催し、参加学生の志望度アップにつなげるというのはいかがでしょう。また、コメントで寄せられた質問を整理し採用ホームページにFAQのコンテンツを作成する、質問にどんどん答えていくという録画のWEBセミナーを作成し後日参加学生に対して公開する、などもよいのではと思います。

「企業や社員の雰囲気を感じ取りにくい」

対面式のセミナーに参加する目的には、その企業が用意した場に実際に入ることにより、WEBやパンフレットでは伝わらない「企業や社員の雰囲気」を感じたいというのもあります。特に「社員の人間関係が良い」ことは、就活生の企業選択ポイントによく挙がってきます。こういったことを感じてもらうWEBセミナーのコンテンツとしては「社員による座談会のWEB配信」が考えられます。営業や企画部署のチームで実際の仕事の進め方について語り合う、研究開発部門のスタッフが集まって今取り組んでいる研究テーマについて語り合う、といったことが考えられるでしょう。入社後間もない若い社員が先輩社員に質問する形式にするのも、学生の目線に近くてよいかもしれません

「緊張感を持ちづらい、気が緩む」

WEBセミナーでは学生の姿は企業側から見えないため、学生は「リラックスして参加できる」し「服装に気を使わなくてよい・スーツを着なくてよい」のですが、反面、リラックスしすぎて内容が頭に入ってこないことも多いようです。そこでWEBセミナーの内容を「リラックスして楽しめるものにする」というのも一つの手かもしれません。例えば、対面式ではスーツを着た人事採用担当者がパワーポイントを駆使して講義形式で行う内容を、普段着の社員がテレワーク中の自宅から紙芝居形式で行うというのはいかがでしょう。そこまででなくても、学生が通常よりリラックスして臨んでいることを意識して内容を考えることは有用だと考えられます。

このほか、対面式に比べて「集中力が続かない」という学生も多いので、できるだけ短時間でコンパクトにまとめることや、プレゼン形式のコンテンツの間に「企業紹介3分動画」を挟んで変化をつけるのも有効でしょう。また、ライブ形式は「通信状態が悪いと聞き取りづらいことがある」という声も多いので、必ず録画したアーカイブを用意し、後日視聴できるようにすることも必要です。録画のWEBセミナーは早送りする学生がいることも想定し、キャプションを加えておくとよいでしょう。

WEBセミナーについては、4月のモニター調査でも詳細に調査する予定です。

「コロナ対策」下の採用活動において学生に伝えたいこと

採用活動における新型コロナウイルス感染症流行の影響は、セミナーや面接など手段のWEB化だけに留まりません。学生の志望企業を見るポイントにも変化が起こっています。特に、こういった厳しい状況下において、志望企業が「在宅勤務など新型コロナウイルス感染症から社員を守る施策を行っている」ことには、熱い視線を注いでいます。WEBセミナーにおいても、いつからどういった形で社員を守るための施策を行っているかについて、具体的に、積極的に、情報提供しましょう。

また、こういった状況下では、ここ数年の「3月から個別企業セミナー・会社説明会開催、6月から選考・面接開始」といったスケジュールに則った活動だけでは、採用が難しくなる可能性があります。より有用な人材を採用するためには、秋採用や通年採用など、スケジュールに捉われない採用も実施し、そのことを就職情報サイトや自社の採用ホームページなどを通じて広報していくことも重要でしょう。新型コロナウイルス感染症を警戒し、外出を自粛する学生が、就職活動において不利にならないような取り組みを行っていることを、ぜひアピールして頂ければと思います。