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2020年卒学生が入りたいと思う会社は?

~[安定]から考える、学生の就職意識~

6月に入り各企業の採用選考活動も活発化しています。6月15日時点の2020年卒学生の内々定率は72.0%(前月末比10.2pt増、前年同日比0.4pt増、【特別調査】2020年卒マイナビ大学生内定率調査6月15日)と約4人に3人が内々定をもらっている状況です。就職活動を終える学生、活動継続中の学生等様々ですが、2020年卒学生の活動当初の就職に関する意識はどのようなものだったのでしょうか。
昨年の12月1日~今年3月21日で実施した、「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」の結果から、2020年卒の学生の就職に対する意識を通して、学生が入りたい会社について考えてみます。

「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」のトピック

2020年卒の「マイナビ大学生就職意識調査」で、よくメディアに取上げられたトピックとしては、
■「安定している会社」が「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」を抜いてトップに。(企業選択のポイント)
が挙げられます。
今回のコラムでは、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」を抜いて「安定している会社」がトップとなった企業選択のポイントに注目して話を進めていこうと思います。

企業選択のポイントの経年変化

「企業選択のポイント」は、就職する企業を選択する場合、よいと思う理由を最大2つまで選択してもらう設問なのですが、2020年卒の結果を見ると、「安定している会社」(39.6%、前年比6.6pt増)がトップで、2位に「自分のやりたいこと(職種)ができる会社」(35.7%、前年比2.4pt減)、次に「給料の良い会社」(19.0%、前年比3.6pt増)、「これから伸びそうな会社(13.0%、前年比0.7pt増)が続いています。
「自分のやりたいこと(職種)ができる会社」は、2001年卒以降ずっとトップであったのですが、今回初めて「安定している会社」がトップになりました。(図1) 技術革新やAI、働き方改革など、働くことについての環境変化が大きい現在、学生は企業にどのような安定を求めているのでしょうか。

図1)企業選択のポイントと大手志向推移(01年卒~20年卒)(2020年卒をベースに上位抜粋)

「安定している会社」の割合は2014年卒から上昇傾向にあります。一般的には、「安定している会社」のイメージは「大手企業」と結び付けやすいと思います。
図1において棒グラフは学生の大手志向(絶対大手がよい+やりたいことができるのであれば大手企業がよい)の経年変化を表していますが、実際、「安定している会社」は、リーマンショック直後の2010年卒を除き、大手志向が高まるとその割合も上昇する傾向が見られていて、2019年卒までは「安定している会社」は「大手」という意識と関係していることがわかります。
ところが、2020年卒では大手志向が1.8ptほど割合が下がったにもかかわらず、「安定している会社」は6.6ptと大きく上昇しています。学生の「安定している会社」への意識に何らかの変化が起こり、「安定」の捉え方が複雑になっているようにも感じます。
企業選択のポイントを二つ選択する際、「安定している企業」を選んだ学生が、もう一つ何を選択したのかを見ることで、2020年卒の学生における「安定」の捉え方をイメージできるかもしれません。

2020年卒学生の「安定」とは

図2は「安定している会社」を選んだ学生のみに限定(※)して、企業選択のポイントでもう一つは何を選択したのかを、2008年卒から2020年卒までの経年で表したグラフです。2009年卒までは、リーマンショック前の好景気、売り手市場という比較的近年と同じような採用環境にありました。
(※安定している会社を選んだ学生が選択したもう一つの選択肢の回答数の総和を100%として各割合を算出)

図2)安定している会社を選んだ学生が選ぶもう一つの企業選択ポイント(経年)

2020年卒において「安定している会社」を選択した学生が選んだもう一つのポイントとして、最多だったのは「給料の良い会社」(22.0%)で、「自分のやりたい仕事ができる(職種)会社」(20.9%)が続いています。「安定している会社」を選択した学生に限定した場合でも「自分のやりたい仕事ができる(職種)会社」が長年トップにあったのですが、「給料の良い会社」は年々上昇し2020年卒で初めて順位が入れ替わりました。さらに見ると、「これから伸びそうな会社」(10.5%)が3位、「休日休暇の多い会社」(10.2%)が4位に入り、いずれも2017年頃から割合が増加しています。
注目したのは、「これから伸びそうな会社」の割合が上位にあることです。
この「これから伸びそう」(「成長性がある」)を選ぶ割合の増加が、2020年卒全体で見たときの企業選択のポイントにおいて、大手志向の割合は下がっても、「安定している会社」の割合が上昇したことに関連がありそうです。
そこで、近年同様売り手市場であったリーマンショック直前で、大手志向の割合が2020年卒(52.7%)とほぼ同じ2009年卒(52.9%)と2020年卒を比較して検証してみます。(図3)
2009年卒と比べて上昇率も順位も高いのは、1位の「給料の良い会社」(22.0%、13.4pt増)、3位「これから伸びそう」(10.5% 6.4pt増)、4位「休日・休暇が多い」(10.2%、5.2.pt増)です。
上位に来ている項目は、大手企業でのイメージが強い「待遇面の良さ」などの条件についての項目が多いのですが、2009年卒に9位であった「これから伸びそうな会社」が3位へとジャンプアップしているところに注目すると、同じ大手志向の割合が高い状況でも、2009年卒では「安定している会社」は「条件が整っている」→「大手企業」に多いというイメージを持っていたのに対し、2020年卒では「安定している企業」は「条件が整っている」かつ「これから伸びそう」→「大手企業」ばかりではないに変化していると考えらます。
とすれば、2020年卒において、大手志向の割合が下がったにもかかわらず、「安定している会社」の割合が上昇していることも説明がつくのではないでしょうか。

図3)2009年卒(リーマンショック前)と、2020年卒の[安定しているを選択した学生が選んだもう一つの企業選択のポイント]ランキング(上位抜粋)

最後に

前述のように2020年卒学生の入りたい会社としての「安定している会社」は、「条件面が整っている」だけでなく、「成長性が感じられる」も含んでいるということが考えられます。この理由を推察するに、調査時点で、好景気は続いているものの、消費税増税や2020年卒秋以降の景気に対する不安、AI普及後の職業の変化などが話題となる中、学生は先行きの不透明感から、現在の「安定」が将来の「安定」を必ずしも保障するものではないと捉え、大手企業でなくとも、「これから伸びそうな会社」は、「将来もなくならない会社」と認識し、これもまた、「安定している会社」としてイメージするようになったのかもしれません。
成長性を見込めることで、将来も安定していて、条件面も良いという会社に「入社したいというのが、学生の本音なのかもしれません。さらに「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」であれば、なお良しというところでしょうか。

大手中小、ベンチャーに限らず、将来性、成長性につながる戦略を語り見せていくことは、学生に安心感を与え、入社したいと考える選択をするポイントの一つになりそうです。

今後も、2021年卒、2022年卒の学生の就職意識の変化にも注目していきたいと思います。