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2017年卒就活生の将来の理想像とは?

今回のコラムでは、「2017年卒大学生のライフスタイル調査」から、今年の新卒採用における採用ターゲットである「2017年卒の学生」について「知る」ということをテーマにその特徴を探ってみたい。

将来「松岡修造」のような人になりたい?

まず最初に取り上げる設問は「あなたが将来こうなりたいと思う理想像に最も近い人物を1人教えて下さい」(自由記入形式)である。この設問を設定した目的は、実際に挙がってきた人物のリストから、2017年卒学生にとっての「理想の将来像」を浮き彫りにすることだ。そこから新卒採用を行う企業が設定すべき「入社後のキャリアプラン」のヒントが垣間見えるのではないか。質問の性質上、同性の人物を挙げる学生が多いことを想定し、集計は男女別に行う。男子学生652人、女子学生1,336人から回答が集まった。挙がってきた具体的な人物名のトップ10は下記の通りである。

将来こうなりたいと思う理想像に最も近い人物

男子(総投票数 652) 女子(総投票数 1,336)
順位 人物名 票数 割合 順位 人物名 票数 割合
1 イチロー 18 2.8% 1 石原さとみ 20 1.5%
2 松岡修造 16 2.5% 2 天海祐希 18 1.3%
3 スティーブ・ジョブズ 11 1.7% 3 篠原涼子 17 1.3%
4 本田圭佑 10 1.5% 4 杉原千畝 10 0.7%
5 福山雅治 9 1.4% 5 松岡修造 9 0.7%
6 坂本龍馬 8 1.2% 羽生結弦 9 0.7%
7 明石家さんま 6 0.9% 7 水卜麻美 8 0.6%
所ジョージ 6 0.9% 木下優樹菜 8 0.6%
本田宗一郎 6 0.9% 9 ローラ 7 0.5%
10 櫻井翔 5 0.8% 10 マザー・テレサ 6 0.4%
北川景子 6 0.4%

顔ぶれを見渡してまず驚いたのは、女子のトップ10に男性が3人も入ったことである。これらを選んだ学生は「性別を超えた理想像」とでもいうべきものをこれらの人物の中に見ているのだろうか。特に女子から9票を集め、5位にランクインした「松岡修造」氏は、男子からも16票集めて2位にランクインしており、男女合わせた票数では1位である。圧倒的なまでに熱く、常に前向きな氏のキャラクターは、今年の就活生の典型的理想像の1つと言えるだろう。

学生は将来の自分像をどこに見ているか

しかし、本当に着目すべき点はこれらの人名リスト以外のところにあった。最初に述べた通り、回答人数は男子学生652人、女子学生1,336人とかなりの数に上っているのだが、それにもかかわらず男子の1位は18票(2.8%)、女子の1位は20票(1.5%)に過ぎない。つまり票が割れてあまりに多くの人物名が挙がったため、当初の「理想の人物像」を浮き彫りにするという目的は空振りに終わったのである。その代わり「具体的な人物名」でない「ある答え」に、男子で19.8%、女子では実に32.8%もの票が集まっていた。それは「親」という答えである(父親、母親、両親という回答を含む)。
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ここで考えておきたいのは「将来自分の親のようになるのが理想」と答えることの意味である。例えば、この設問に対する答えとして、スポーツ選手やタレント、俳優を挙げる場合、その人の社会的なイメージに自らの理想像を重ねていると考えられる。また、「スティーブ・ジョブズ」氏や「本田宗一郎」氏のような人物を挙げる場合は「彼らのような実業家・企業家になりたい」ということになり、その学生が「社会的な成功者」を目指していることを表していると言えるだろう。しかし、「親」を挙げるということは、「親のような良き『社会人』になりたい」というより「親のような良き『家庭人』になりたい」という意味合いのほうが強いのではないかと思われる。つまり、彼らが考える「理想像」の力点は「社会」にではなく「家庭」にあるのだ。このタイプの学生を採用ターゲットとして想定する場合、「将来幸せな家庭を築くための制度(育児休業や時短勤務、福利厚生や地元就職)」や「仕事とプライベートの両立」といったテーマを採用広報に取り入れることが有効である可能性が高い。
その他興味深い点としては、特に男子で「実業家・企業家・経営者」の具体名を挙げた学生が8.9%存在したことである。前述の「スティーブ・ジョブズ」氏や「本田宗一郎」氏、あるいは現在活躍中の「マーク・ザッカーバーグ」氏や「稲盛和夫」氏など多彩な顔ぶれが挙がっている。これらを選んだ男子は、将来、起業して成功したいという理想を持っているのではないかと考えられる。
また、それとは別の方向として「兄」「姉」「祖父母」「おじ・おば」などの血縁関係者(男子3.4%、女子6.2% ※親を除く血縁関係者の合計)「先輩(男子1.5%、女子3.4%)」や「アルバイト先の人(男子1.4%、女子2.5%)」といった身近な人物に理想像を見る学生が一定の割合存在するということもわかった。

東京オリンピックの開会式に出演してほしいアーティストは?

次に取り上げる設問は「東京オリンピックの開会式に出演してほしいと思うアーティスト」である。2017年卒の就活生にとって「日本を代表するアーティストとは誰を指すのか」がわかる設問である。就活とは直接関係ないが、就職セミナーや面接で見る「よそいき」の姿ではない、普段着の学生の姿を垣間見ることができるデータであると言えるだろう。男女別のトップ10は以下のとおりとなった。

東京オリンピックの開会式に出演してほしいと思うアーティスト

男子(総投票数 775) 女子(総投票数 1,714)
順位 アーティスト名 票数 メジャー
デビュー
順位 アーティスト名 票数 メジャー
デビュー
1 ゆず 43 1998年 1 280 1999年
B’z 43 1988年 2 ゆず 118 1998年
3 Mr.Children 31 1992年 3 SMAP 62 1991年
4 30 1999年 いきものがかり 62 2006年
5 サザンオールスターズ 21 1978年 5 Mr.Children 61 1992年
6 SMAP 20 1991年 6 EXILE 58 2001年
EXILE 20 2001年 7 コブクロ 51 2001年
8 いきものがかり 19 2006年 8 Perfume 48 2005年
コブクロ 19 2001年 9 サザンオールスターズ 39 1978年
10 BUMP OF CHICKEN 15 2000年 10 AAA 34 2005年
X JAPAN 15 1989年
次点 AKB48 14 2006年 次点 Superfly 32 2007年

一見テレビでもよく見る人気アイドルやロックバンドなど流行のアーティストが並んでおり、順当な結果になっているように見える。しかし「B’z」(男子2位)「サザンオールスターズ」(男子5位、女子9位)「X JAPAN」(男子10位)といったアーティストについては、彼らよりもかなり年長の世代が聴いていたアーティストなのでは、という気がした。そこで各アーティスト名の横にメジャーデビュー年を記入してみると、驚いたことにトップ10にランクインしたアーティストはすべて10年以上前にデビューしていることが判明した。つまり彼らが小学生のころ以前にメジャーデビューしていることになる。「いまどきのアイドルやアーティストは息が長いということだろうか」という話で済ませられる部分もあるかもしれないが、正直違和感を感じた。そこで試しに「新卒入社10年目」で「就活の年が2005年」という世代の人に当てはめて、該当するデビュー年のアーティストを調べてみることにした。男子の1位「ゆず」は1998年メジャーデビュー、就活の年の18年前である。これを「新卒入社10年目世代」に当てはめると1987年デビューとなり、該当するのはTHE BLUE HEARTSとなる。女子1位の嵐は1999年デビュー(就活の17年前)なので、「新卒入社10年目」世代にとっては1988年デビュー。該当するのは「Wink」だ。いかに渋い(?)好みかわかるだろう。しかも、「B’z」「X JAPAN」は「ゆず」よりさらに10年、「サザンオールスターズ」に至っては20年遡る世代のアーティストである。
つまり、2017年卒にとっての日本を代表するアーティストは、彼らの先輩方、つまりこの記事を読んでいる若手の採用担当の方々と共通している可能性が高いということだ。少なくとも音楽的嗜好については7、8歳上の先輩に対しても「かなり壁が低い」ということになる。これを新卒採用のノウハウに応用するなら、企業調査における内定者フォローで最もよく実施される「懇親会」の内容だろう。つまり、内定者との年齢差が7、8歳の社員でも一緒にカラオケに行けば意気投合する可能性が高いということになるだろう。

「世代の超越」と「嗜好の多様性」

しかし、なぜ彼ら2017年卒の就活生はこのような音楽的嗜好を持っているのだろう。ここでは2つの推論を挙げておく。
高校時代から大学時代にかけてSNS上で人とつながることに慣れている彼らのところには、ある程度嗜好が合えば年上の「ともだち」がお気に入りの情報もどんどん流れてくる。つまり、自分にとって「好きなもの」を世代を超えて見つけることができるのだ。これは我々の世代にはなかった環境である。
2つめはネット上での動画の普及である。情報を得て興味を持てば、すぐに何年も前の音楽を映像付きで鑑賞することができる。このようにして彼らは上の世代と音楽の嗜好を共有していったのではないだろうか。
そしてこの世代を超えてつながっている環境には別の方向のメリットがある。どんなに新しく、どんなにマイナーなアーティストでも、動画の公開とSNS上の支持の広がりによって広く聴衆をつかみとることができる。2017年卒の就活生は20歳上の世代が愛した音楽と今生まれたばかりの音楽を同じく「新しいもの」として楽しむことができる。その結果、さきほどあげたトップ10のアーティストの後には400を超えるアーティストが並ぶこととなった。2票以上に限っても実に178組のアーティストの名前が挙がっている。それらは世代だけでなく、知名度や国境を越えて、多様な嗜好を追求できる彼らの能力を示していると言えるだろう。
2017年卒大学生のライフスタイル調査」ではこの他にも情報機器や学生生活、アルバイトや将来の働き方、結婚観や家族観など、2017年卒の就活生に関する多くの情報が紹介される予定となっている。ぜひ参考にしていただければと思う。

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