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内定辞退を減らすには・・・「2018年度マイナビ就職活動に対する保護者の意識調査」から考える

内定辞退とオヤカク

「オヤカク」なる言葉をご存知ですか。2016年頃からちらほらとネットやメディアなどで見かけるようになりました。「オヤカク」とネットで検索すればそれに関わる多くの検索結果が現われるはずです。

2016年に行った2017年卒「マイナビ学生就職モニター調査」において、その年に流行った就活用語としてランク外ではありましたが「親NG」という言葉が目新しい言葉として掲載されていました。その意味は「親族からNGが出て内定辞退をし、就職活動を再開すること」とありました。親が子の内定先について、口を出し、あげくの果てに辞退させてしまうということです。企業側としては、本人の承諾も得て内定を出したにもかかわらず、「親に反対されてしまったから」という理由で断りの連絡が入る・・・そんなことがあるのでしょうか。

昨年11月に行った2018年度「マイナビ就職活動に対する保護者の意識調査」(以降保護者調査)の中で、「子の内定先企業への入社に反対したことがあるか」を聞いたところ、5.6%と僅かではありますが、「反対したことがある」と回答した親がいました。「子の内定先が自分の知らない企業だった場合どうするか」(複数選択)という質問に対しては、「内定を辞退させる」(0.8%)という過激なものや、「就職活動を続けるよう説得する」(4.4%)など直接的に反対するような回答の割合は少なかったものの、「本当にその会社でよいのか問う」(26.1%)「どんな会社か本人に確認する」(44.8%)といった間接的に親の意向(・・・その会社でいいのか?考え直したら?)が伝わるような対応は行っています。こういったことは少なからず子の気持ちに影響を与えているはずで、「親が反対したために、内定を辞退する」ケースは少なくないのかもしれません。(図1)

図1:2018年度 就職活動に対する保護者の意識調査

この「親NG」を回避するため企業が行うようになったのが、「オヤカク」です。「内定者の親が内定を承諾していること」を内定先の企業が確認することを指します。2019年卒「マイナビ学生就職モニター調査」において、「入社予定先企業からあなたの保護者が入社を承諾しているかについて確認されたことはありますか。」(複数回答)との質問に対して、確認されたことがある割合は26.9%でした。確認の方法として「保護者宛の電話で確認された」(0.7%)、「面談の席で確認された」(14.0%)、「保護者の捺印または署名を求める書類を渡された」(6.4%)、「あなた宛の電話で確認された」(6.1%)などで、何らかの形で保護者の承諾を得ているかを確認を行う企業もあったようです。(図2)選択肢以外で挙げられた中には、「親も含めた面談」「人事の方が家庭訪問に来た」といった(驚いてしまうような)ものもありました。一方、保護者調査において「子の内定先から、内定確認の連絡が来たことがあるか」を聞いたところ、「来たことがある」という回答が17.7%あり内定をもらっている子の親の約2割に直接的な「オヤカク」があったと言えます。

図2:2019年卒 マイナビ学生就職モニター調査7月

このように、売り手市場と言われている現在、採用する側にとって、親の、子の入社先選択に関する意向は無視できないものとなってきているようです。

もう少し、親が持つ「子の就職先に関する意識や願望」を見ていきましょう。

保護者が望む企業とは・・・

子に働いてほしい業界を上位3つあげてもらいポイント付けをして算出した総合ランキングでは、1位「官公庁・公社・団体」、2位に「医療・調剤薬局」、3位「総合商社」、4位「薬品・化粧品」「教育」が続いています。一般的に安定しているイメージのある業界が上位に来ています。就職先として賛成するか反対するかを、知名度、規模、設立からの期間、公務員別に聞いてみると、知名度の高い大企業、国家公務員、地方公務員で「賛成」が6割を超えています。一方設立間もないベンチャー企業(反対34.3%)や無名の中小企業(反対16.3%)では「反対」の割合が他に比べて高く、親の「安定志向」はかなりのものといえましょう。(図3)

図3:2018年度 就職活動に対する保護者の意識調査

となると、ベンチャー企業や、無名の中小企業が、反対する親に受け入れられるにはどうすればよいのでしょうか。

親が、子の就職先に望む特徴を複数選択で聞いたところ、「経営が安定している」(46.2%)が突出していましたが、2位は「本人の希望や意志に沿っている」(28.7%)、3位「福利厚生が充実している」(19.1%)、4位「社風や雰囲気が良い」(16.0%)と子にとって「働きやすい」環境を望む項目が上位に来ています。また、「子供の能力、専門性を活かせる」(15.9%)、「子供が成長できる環境がある」(10.1%)も上位にあり、企業という枠よりも、子自身がどうなりたいのかという子の能力や意向を主体として、企業の特徴を望んでいるようにも見えます。大手でないからこそ、「若いうちから仕事を任せる」「歯車ではなく、子の能力や専門性を活かせる仕事ができる」といった、親が子の就職先として望む環境があることをアピールしていくことも必要なのかもしれません。

親はなぜ反対するか・・・不安との関係性を検証する

「子供の就職活動について不安になったことがあるか」を聞いたところ、60.7%の親が「不安になったことある」と回答しています。その理由については、「子供が志望企業から内定がもらえるのか」(48.4%)がトップで、「子供が1社でも内定がもらえるのか」(40.5%)、が続いていますが、「子供の志望している業界、企業について問題はないか」(33.1%)「子供がブラック企業にエントリーはしていないか」(26.9%)、「子供が内定した企業に入社してよいのか」(25.4%)なども上位に挙がっており、子の志望企業に起因する不安も多いように見えます。

子の内定先企業について「反対したことがある」(図1)の回答は少数であくまでも参考値ではありますが、子の内定先について「反対したことがある」親について不安の有無を見ると、「不安になったことがある」親は79.6%と高い結果となっています。(図4)

2018年度 就職活動に対する保護者の意識調査

不安と満足度についても見てみましょう。子の内定先について、「満足している」との回答は「不安になったことがある」親では53.9%であるのに対して、「不安になったことはない」親は69.5%と15.6pt少ないという結果となりました。(図5)

直接的な関係性があるかは明確ではありませんが、少なくとも、親の不安を多少なりとも減らすことで「オヤカク」を得やすくなるはずです。

図5:2018年度 就職活動に対する保護者の意識調査

図6:2018年度 就職活動に対する保護者の意識調査

以下のグラフは、保護者調査の情報収集元について「不安になったことがあるか否か」でクロス集計をしたものです。「特に情報は収集していない」との回答において、「不安になったことはない」は42. 5%で「不安になったことがある」の19.9%を大幅に上回っています。つまり、「不安になったことがある」親ほど、情報収集を行うのではないかと考えられます。

情報収集元としては、「子供から得る情報」(52.6%)はもちろんですが、「新聞やインターネットのニュース記事」(35.3%)や「インターネットのニュースや就職サイト以外のインターネットのコラムやブログ」(20.9%)なども上位に挙がっていました。親も「就職情報サイト」を確認しています。(図7)

不安解消の鍵がこの中にもありそうです。(図7)

図7:2018年度 就職活動に対する保護者の意識調査

まとめ

ここまで、「親NG」による内定辞退対策として、「オヤカク」が行われていること、「親NG」と「親の不安」に何らかの関係性がありそうなこと、親の不安の払拭の鍵は親自信の「情報収集」にあることなどを述べてきました。採用側が、親が望む企業の特徴などに合わせた情報や親の不安を払拭するような情報を、企業ホームページ、SNS、時には就職情報サイトやその他メディアなどで提供していくことも「内定辞退対策」としてできることのひとつといえましょう。

最終面接の前に、内定時に、内定者フォロー時に。パンフレットで、動画で、直接の説明会でと情報提供の仕方も、タイミングもその企業の特徴に合わせて行っていくことがよいのかもしれません。

 

いよいよ、広報活動が解禁され本格的な採用活動が始まります。採用活動のいずれかの折に、このコラムのことを思い出していただけたら幸いです。