経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
1 ty_saiyo_t04_t10_retention-guide_251014 column_saiyo c_onboadingc_jireisyoukaic_ikuseic_careersaiyouc_risyokuboushiauthor_organization_saponet

【完全版】人材定着の課題と解決策|成功事例・定着率向上の秘訣も徹底解説

/news/news_file/file/ty_saiyo_t01_2510_04.webp 1

「採用してもすぐにやめてなかなか定着しない」というのは、大手企業や中堅・中小企業を問わず共通する悩みの1つです。人材不足が叫ばれる中で、せっかく採用に成功しても早期離職が続けば、採用コストはかさみ、組織の安定性にも影響を与えます。人材が定着しない原因は多岐にわたり、表面的な対策だけでは根本的な解決には至りません。

当記事では、効果的な人材定着戦略を立てたい経営者・人事担当者の方に向けて、マイナビ独自の調査データを踏まえた応募者の志向性、定着率の向上に効果的な福利厚生や業務効率化の取り組み、実際の成功事例を解説します。

1. 人材定着とは

人材定着とは、従業員が離職せず一定期間にわたり成果を発揮し続ける状態です。採用コスト削減や業務効率化だけでなく、顧客へのサービス品質の維持にも直結します。当記事では「定着率を測る→課題を特定する→改善施策を実行する→効果を検証する」というステップで、現場で使える改善方法を解説します。

日本では従来、年功序列や終身雇用といったメンバーシップ型雇用が一般的でした。しかし、近年はグローバル化や労働市場の流動化に伴い、成果主義やジョブ型雇用を採用する欧米的な考え方が広がりつつあります。人材定着は、離職防止による採用コストの削減や生産性の向上、組織の安定化につながる重要な施策です。

1-1. 人材定着率の計算方法

人材定着率は、従業員が一定期間にどの程度定着しているかを数値で表す指標です。用途に応じて「入社年別」と「期間(在籍ベース)」の2通りで算出します。基本的な計算式は以下の通りです。

【入社年別の定着率の計算式】

入社X年後の在籍者数 ÷ 入社者数 × 100


たとえば、2022年入社100人のうち、2025年4月時点で78人在籍の場合、3年定着率は78%。ただし、中途入社者は計算に含みません。正確な数値を把握したいときは、計測期間を定めた上で定着率を算出する必要があります。計算式は以下の通りです。

【期間定着率(在籍ベース)の計算式】

(期首在籍者 − 期間中の離職者)÷ 期首在籍者×100


そのため、期間設定により数値は変動します。新卒採用では、入社3年後を基準とするのが一般的です。なお、中途入社者は、当該入社年に別途算出しましょう。

1-2. 日本の人材定着率の現状

厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、2023年の入職者は850万人、離職者は798万人で、入職がやや上回る結果となりました。入職率16.4%も、離職率15.4%と前年より上昇しています。日本全体の離職率は15.4%、つまり定着率は84.6%です。

一般労働者は入職・離職率ともに12.1%で均衡しましたが、パートタイム労働者では入職率27.5%、離職率23.8%と高水準でした。男女別では女性の入職超過が目立ち、特に「宿泊・飲食サービス業」「小売業」「医療・福祉」分野で人材移動が多い傾向です。転職入職率も10.4%と上昇しており、日本においても雇用の安定より流動化が進んでいることが分かります。

(出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」

2. 人材が定着しない主な理由

人材が定着しないと人手不足が深刻化し、企業活動にも支障をきたしかねません。マイナビの「転職動向調査2025年版」によると、求職者が前職をやめた理由は「給与が低い」(25.5%)や「仕事内容への不満」(23.1%)に課題を感じる人が多く、定着を阻む要因が浮き彫りになっています。以下で主な理由と、次章で紹介する対策とのつながりを整理します。

【転職者が前職をやめた理由(2024年)】

転職理由

割合

給与が低かった

25.5%

仕事内容に不満があった

23.1%

職場の人間関係が悪かった

21.2%

会社の将来性・安定性に不安があった

20.3%

休日や残業時間などの待遇に不満があった

16.2%

会社の事業内容に不満があった

13.9%

今後の昇進や昇給が見込めないと思った

13.9%

働く環境に不満があった

13.5%

成長できる環境が整っていなかった

13.3%

業績などを正当に評価してもらえなかった

12.3%

(出典:株式会社マイナビ「転職動向調査2025年版(2024年実績)」

さらに入社後は「仕事に慣れること」(29.3%)や「カルチャーフィット」(29.0%)に課題を感じる人が多く、人材が定着しにくい要因が浮き彫りとなっています。

【転職者が入社後に難しいと感じたこと(2024年)】

入社後に難しかったこと

割合

入社企業の仕事に慣れること

29.3%

入社企業でのカルチャーフィット

29.0%

オンボーディング全般

24.0%

入社企業での人間関係の構築

19.1%

(出典:株式会社マイナビ「転職動向調査2025年版(2024年実績)」

以下では、人材が定着しない理由について詳しく説明します。採用や定着に悩む担当者の方に向けて、工数削減と成果を両立できる実践的な解決策をまとめた資料も用意していますので、併せてご覧ください。

2-1. 給与や待遇が悪い

給与や待遇は、従業員の働く意欲や継続意識に直結する重要な要素です。たとえ業務が厳しくても、報酬が見合っていれば一定の納得感が得られ、離職を選ぶ可能性は低くなるでしょう。

しかし、同業他社や業界平均と比べて給与水準が低い場合や、報酬制度が不透明で昇給・昇進の機会が少ない場合、不満が積み重なって離職を招く恐れがあります。残業代が十分に支払われない、福利厚生が不十分といった状況も従業員満足度が下がるため、離職を促進します。

【具体策】

  • 職種×地域の賃金ベンチマークの中央値を確認し、−5%以内に是正
  • 賞与・手当・昇給のルールを明文化し、求人票と社内に開示
  • 残業代の計算方法を周知し、監査で未払いゼロを徹底
  • KPI目安:オファー受諾率+5pt、内定辞退理由に占める「報酬」比率−20%

2-2. 仕事の意義や目的が分からない

給与や福利厚生が整っていても人材が定着しない背景には「やりがいの欠如」があります。会社のビジョンや目標が曖昧で共感できない場合や、自分の業務が組織にどう貢献しているかが見えない場合、従業員は働く意味を見失いがちです。

日々の業務に達成感がなく、興味を持てないまま続けていると、次第にモチベーションは低下します。職場に定着する理由を見出せないことは、転職や離職を考えるきっかけになります。

【具体策】

  • 事業KPI→部門KPI→個人目標を1枚で接続(OKR/目標管理)
  • 週次で「成果と学び」を5分共有する場を設ける
  • 顧客価値につながった事例を月1で共有。
  • KPI目安:エンゲージメントサーベイ(貢献実感)+10% など

2-3. 職場の人間関係が悪い

転職理由で頻出するのが人間関係への不満です。上司のパワハラ・セクハラ・モラハラ、同僚間の対立・派閥、陰口や無視といった排他的な空気は心理的安全性を損ない、相談や助け合いを遮断します。

コミュニケーション不足で情報共有が滞り、業務負担や人事評価への不公平感が膨らむとストレスが慢性化し、モチベーション低下だけでなく心身の不調を招きかねません。孤立や過度な同調圧力で自律性が奪われて将来像を描けないことは、離職の引き金となり、定着率の悪化に直結します。

【具体策】

  • 月1の1on1(30分)を全員実施し、議事メモを本人に共有
  • ハラスメント相談ルートを2系統(人事・外部)で用意
  • 「否定しない・割り込まない」などチーム規約を明文化
  • KPI目安:相談件数の可視化、離職面談での人間関係起因−20% など

2-4. 経営が安定していない

経営が安定していない企業や、業界全体の先行きが不透明な状態では、従業員は自らの雇用や将来性に不安を抱き、離職率が高まるでしょう。たとえば、業績の低迷や赤字の継続、頻繁な組織変更や方針転換があると「この会社で働き続けられるのか」という疑念が強まります。

さらに、業界全体の需要縮小や市場の衰退傾向が見えると、従業員は将来のキャリア形成を他社で模索し始めます。企業経営や業界の安定性が揺らぐ状況は、安心して働ける環境を損ない、人材流出の要因となり得ます。

【具体策】

  • 四半期ごとに方針と主要数値を社内共有
  • 重点投資と撤退の基準を明記し、一貫性を保つ
  • 受注残・粗利・回収などの早期警戒指標を共有
  • KPI目安:サーベイ「将来性の納得感」+10% など

2-5. ワーク・ライフ・バランスが取れない

仕事と私生活の調和が取れない環境は、従業員の心身に大きな負担を与え、結果として離職率を押し上げます。特に、長時間労働や過度の残業が常態化している職場では、家庭や趣味に割ける時間が削られ、生活の満足度が低下します。有給休暇の取得が困難な状況も、将来的なキャリアの継続に不安を抱く一因です。

また、フレックスタイム制や在宅勤務制度といった柔軟な勤務制度がない場合、従業員は働き方の選択肢を失い、精神的な疲労感が蓄積します。プライベートとの両立が難しい労働環境は、長期的に勤務しようとする意欲を削ぐ要因になります。

【具体策】

  • 残業上限(目安:月30時間)を可視化し、超過時は業務棚卸を行う
  • 有給取得計画(年5日必達)を四半期で進捗管理
  • 在宅勤務・時差勤務の適用条件を明文化
  • KPI目安:平均残業−15%、有給取得率+10pt など

2-6. キャリアアップ・スキルアップする制度がない

人材として将来的な価値を磨ける社員教育制度が整っていないことも、離職理由になり得ます。昇給・昇進の仕組みが不透明な場合や、新しい仕事を任せてもらえない場合、「この職場では成長できない」という不安が募ります。

希望していた配属先と異なる、伸ばしたいスキルが磨けない、キャリアパスやロールモデルが見えないといった状況も同様です。成長の機会を得られず将来像を描けない従業員は、主体的にキャリア形成できる環境を求めて転職へと動きやすくなります。

【具体策】

  • 職種ごとのスキルマップと昇給条件を公開
  • 学習補助(年2万円/人)や資格手当を整備
  • 半期に1回の社内公募を実施
  • KPI目安:学習補助利用率30%、社内異動満足度+10%

2-7. 人事評価制度が適切でない

人事評価制度が不適切な職場では、従業員の頑張りや能力が正しく認められず、昇給や昇格に反映されないため離職率が高まります。たとえば、評価基準が明文化されておらず上司の主観に左右される、成果よりも年功序列が重視される、部署や職種ごとの評価の基準が統一されていないなどの状況です。

努力が正当に扱われない環境では「いくら頑張っても報われない」と感じやすく、企業への信頼が失われます。優秀な人材ほど自分の力を評価してくれる場を求めて転職する傾向にあるため、企業にとって大きな損失につながるでしょう。

【具体策】

  • 行動評価×成果評価の配点と定義を職種別に明文化
  • 評価者訓練を年2回行い、評価分布をブラッシュアップ
  • フィードバック面談は評価確定から2週間以内に実施
  • KPI目安:評価納得度+15%、不服申し立て−50% など

2-8. 入社後にフォローアップする制度がない

入社後に十分なフォローアップが行われない場合、新入社員は業務に慣れるまでに強い不安を抱きやすくなります。転職者の多くは、仕事や会社の文化に適応するのを難しいと考えており、相談先が不明確なままだと孤立感を深めてしまいます。

特に、配属後に役割や期待値が示されず、評価基準も共有されない環境では、自身の努力や成果が正しく反映されないと感じるでしょう。その結果、「入社後に放置された」という印象を持ちやすくなり、早期離職につながってしまいます。

【具体策】

  • 30-60-90日計画とメンター割当を必須化
  • 週次・月次レビューで到達基準を明確化
  • FAQや業務手順をナレッジとして整備
  • KPI目安:3ヶ月離職率−50%、立ち上がり速度(独力完結までの日数)−20% など

新入社員を効果的にフォローするオンボーディングのやり方やコツは、以下の資料にまとめています。

3. 人材定着率を上げるには何が必要?

マイナビの「転職動向調査2025年版」によると、応募者が転職先を選ぶ際の理由には「給与の良さ」「勤務地」「休日・残業の適正さ」などが上位に挙げられています。

【応募者が転職先を決定する理由】

転職先決定理由

割合

給与が良い

25.9%

希望の勤務地である

25.7%

休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる

22.2%

福利厚生が整っている

18.5%

会社に将来性・安定性がある

17.9%

転勤がない(少ない)

17.5%

新しいキャリア・スキルを身につけることができる

14.9%

現在のキャリアをこれまで以上に伸ばすことができる

14.1%

専門性のある仕事に集中できる

13.1%

会社の事業内容が魅力的である

12.7%

(出典:株式会社マイナビ「転職動向調査2025年版(2024年実績)」

また、退職金制度や休暇制度、キャリア支援といった取り組みも応募意欲を高める要素となっています。

【転職者の応募にプラスの影響をおよぼす施策・制度(2024年)】

応募にプラスの影響をおよぼす施策・制度

割合

退職金制度がある

42.8%

有給取得率向上施策

34.5%

企業独自の休暇制度

32.9%

社内公募制度がある

32.1%

在宅時の設備や通信費を補助する制度

30.5%

在宅ワーク・リモートワーク制度

28.1%

男性育休の実績がある

27.5%

残業の完全撤廃施策

26.2%

充実したキャリア育成支援・社内研修制度

25.7%

ITを駆使した作業効率化・DX推進を行っている

23.8%

(出典:株式会社マイナビ「転職動向調査2025年版(2024年実績)」

調査結果を踏まえ、ここからは人材定着率を上げる施策の例を紹介します。

なお、人材定着率を高める施策を考える上では、採用の時点から定着につながる仕組みを整えることも必要です。以下の資料では、採用の効率化や候補者とのマッチング精度向上に役立つ具体的な方法をまとめています。

3-1. 評価制度を改善する

評価制度が適切に整備されていなければ、従業員は努力や成果が正しく認められないと感じ、離職につながりやすくなります。これは、評価基準が曖昧で上司の主観に依存する、昇給・昇格のステップが不明確であるといった点に起因します。

等級や職務内容に基づく明確な評価基準を設け、透明性の高い方法で成果や行動を測り、その昇給・昇格に直結させる仕組みを作りましょう。ただし、説明不足や制度変更の急さは不信感を招きやすいため注意が必要です。自社で実践する際は、基準の一貫性を保ち、評価制度の改善に至った理由や変更内容を従業員へ丁寧に説明して理解を得るようにしましょう。

【実践ステップ】

  • 2週間で実施:評価項目を3つに集約し、配点・定義・サンプル回答を公開
  • 評価者校正会を30分×2回で行い、ばらつきを補正
  • フィードバックは「事実→解釈→次回行動」で記録
    KPI目安:評価納得度+15%、離職理由「不公平」−30% など

3-2. ミスマッチを防ぐ仕組みを作る

採用現場では、採用時点で懸念していた通りに早期退職へ至る「やっぱり離職」が起きるケースは少なくありません。マイナビの調査によると39.6%の企業が「やっぱり離職」を経験しており、2024年に発生したと回答した企業も6.7%にのぼります。やっぱり離職の背景には、候補者の情報を十分に把握できていないことや、企業側が自社の現状を正しく伝えきれていないことが挙げられます。

(出典:マイナビキャリアリサーチLab「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」

経歴やスキルだけで判断したり、良い面ばかりを強調して選考を進めたりすると、入社後に「想像と違った」というギャップが生じ、離職リスクが高まりかねません。ミスマッチを防ぐには、求める人物像を明確に定義した上で、体験入社や従業員との交流などを通じて相互理解を深める必要があります。情報を一方的に開示するだけでなく、候補者の価値観や志向を見極めるコミュニケーションを取ることも意識しましょう。

【実践ステップ】

  • ジョブディスクリプション簡易版(業務割合・期待成果・NG事項)を求人に添付・30分のカジュアル面談の後、1時間の業務体験/課題試験を実施
  • リファレンスチェックは役割別に2名から取得
    KPI目安:試用期間中離職−40% など

3-3. 社内の心理的安全性を高める

職場での離職要因の1つに、心理的安全性の欠如があります。心理的安全性とは従業員が「無知だと思われる」「無能と見られる」「邪魔をしていると感じられる」「ネガティブだと捉えられる」などの不安から、自分の意見やアイデアを発言できなくなる状況を指します。心理的安全性が低い環境では、質問や相談が避けられたり問題が隠蔽されたりして、やがて組織全体の生産性が落ち込み、離職率も上がります。

心理的安全性を高めるには「リーダーが失敗や弱みを率直に共有して信頼関係を築く」「1on1ミーティングなどを通じてコミュニケーションを増やす」などの方法が有効です。上司やリーダーが積極的に自己開示を行い、従業員の意見を尊重する姿勢を示すと、心理的安全性の高い職場環境を構築できます。ただ制度を整えるだけではなく、日常的な行動や文化として根付かせる努力をすることがポイントです。

【実践ステップ】

  • 週次ミーティングで「良かった失敗」を共有
  • 1on1では質問テンプレ(学び・支援)を使う
  • 否定語の置換ルールなど、対話の作法をチームで決める
    KPI目安:サーベイ「安心して意見できる」+15% など

心理的安全性の高い職場を作る方法や具体例については、以下の資料をご覧ください。

3-4. キャリアアップ・スキルアップを助ける仕組みを作る

従業員が「成長実感を得られない」と感じることは離職につながる大きな要因です。キャリア形成の道筋が見えなければ、モチベーションが低下し、将来への不安から転職を考える人も増えます。

将来の不透明さによる離職を防ぐには、OJTやOff-JTを組み合わせた研修・教育制度を拡充し、長期的に人材が活躍できる環境を整えることが不可欠です。資格取得を評価や手当に反映する仕組み、スキルアップ費用を補助する制度を取り入れてもよいでしょう。実践する際は「簡単すぎる学び」や「一律の研修」に偏らないよう注意し、個々の習熟度や希望に合わせて柔軟に支援することを心がけましょう。

【実践ステップ】

  • 半期ゴールと学習計画を上長と30分で合意
  • 会社負担の学習枠(年2万円/人)や資格手当を付与
  • ロールモデル事例集を社内公開し、キャリアの見通しを示す
  • KPI目安:社内公募への応募数2倍、学習枠の利用率向上 など

3-5. 転勤制度を廃止する

従来、日本企業での転勤は人材育成や組織活性化の手段とされていました。しかし、近年は配偶者のキャリアや子どもの教育への影響、生活基盤の変化が負担となり、転勤や単身赴任が離職の要因となるケースも増えています。家族や生活に与える負担の増加を望まない背景から、多様な働き方やワーク・ライフ・バランスを重視する動きが強まったこともあって、転勤制度を廃止・縮小する企業も現れています。

転勤制度がある場合は廃止や縮小するか、リモートワークを活用した人材配置、地域格差を踏まえた待遇の見直しを検討しましょう。ただし、転勤廃止によってキャリア形成の機会や拠点間の交流が減少するリスクもあるため、研修制度や横断プロジェクトで代替する工夫が必要です。自社の実情に合わせ、柔軟な制度設計と転勤者への支援強化を両立させましょう。

【実践ステップ】

  • 「原則転勤なし」を明文化し、例外条件を定める
  • 拠点間交流は短期出張や横断プロジェクトで代替
  • 地域差賃金や在宅手当の基準を明文化
  • KPI目安:転勤起因の離職ゼロ など

3-6. 福利厚生制度を改善する

福利厚生は従業員の生活を支える基盤であり、満足度や定着率に直結します。しかし、導入後に「利用率が低い」「従業員ニーズと合致していない」といった課題が生じやすく、形骸化した制度はコストがかさんで逆効果になりかねません。

そのため、福利厚生の改善にあたっては、社内アンケートなどでまず現状を把握した上で、退職金制度や法定外休暇制度、ハイブリッドワーク制度など、働き方やライフスタイルに即した仕組みを導入しましょう。ただし、導入時には従業員間の公平性やコストバランスに注意が必要です。特定の層に偏った制度は不満を招きやすいため、多様な世代・立場が平等に恩恵を受けられる内容であることが条件となります。

【実践ステップ】

  • サーベイでニーズを把握し、上位3施策(例:退職金・休暇・在宅補助)に集中投資
  • 施策ごとに対象・申請方法・上限金額をカード化
  • 半期で利用率10%未満の施策は見直す
  • KPI目安:各施策の利用率20%以上 など

3-7. 業務の効率化・改善を進める

長時間労働や休暇の取りづらさが続けば、従業員の疲弊や離職を招きます。多くの企業では制度を導入しても運用が定着せず、根本的な原因を見極められていないのが問題です。

まず現場の実態を把握した上でDXを活用し、業務フローを可視化・自動化すると、労働時間の削減と生産性の向上の両立が可能となります。導入時はシステム任せにせず、運用ルールや従業員教育をセットで行うようにしましょう。

【実践ステップ】

  • 業務棚卸(頻度×所要×付加価値)で上位20%を自動化候補に
  • RPAやフォーム、予約調整ツールを小さく導入
  • 運用ルールと教育(5分動画×5本)をセットで周知
  • KPI目安:時間外−20%、有給取得+10pt など

採用業務の効率化にあたっては「マイナビ転職AGENT Booster」がおすすめです。求人広告と人材紹介の両方の強みを組み合わせ、候補者集客から選考調整・合否連絡まで代行するため、担当者様の負担を減らしつつ最適な人材との出会いをサポートします。最新の料金・条件は公式情報をご確認ください(初期費用・成果報酬条件は時期やプランにより変更の可能性があります)。

4. 人材定着率を上げる取り組みの成功事例

ここでは、人材の定着率アップに成功した企業事例を紹介します。具体的な施策や工夫を知る中で、自社の人材定着における改善策を検討するヒントを得ましょう。

4-1. 佐野塗装株式会社様|管理職研修の実施で意識改革に成功

静岡に本社を置き、東京・名古屋・大阪にも支店を展開する佐野塗装株式会社様は、創業以来90年以上にわたり、建築塗装工事や防水工事、不動産事業などを展開してきた老舗企業です。

企業の課題
旧来の社内体制や教育方法が色濃く残り、若手社員の定着率が低いことが大きな課題でした。教育や評価の仕組みが十分でなく、コミュニケーション機会も少なかったため、不安や悩みを抱えたまま早期離職に至るケースが見られました。

取り組み内容
導入したのが、マイナビの管理職研修です。管理職層が部下との対話や育成に対する意識を高めることを目的に、「人材育成の重要性」「目標管理」などをテーマとしたプログラムを実施しました。経営陣も参加し、社内全体で意識統一を図りました。

成果
研修後は、管理職層のマネジメント意識が高まり、目標シートを活用した部下との面談や業務改善が広がりました。経営陣とのコミュニケーションも活性化し、組織としての方向性が共有されやすくなった結果、若手社員の受け入れ体制が強化され、働きやすい環境づくりへとつながっています。

学び
評価・育成を担う管理職の共通言語づくりが、定着改善の土台になります。

これらの成功事例を参考に自社の人材定着を改善したい方は、採用から定着まで一気通貫で効率化できる実践ノウハウをご確認ください。

まとめ

人材定着率を高めるためには、採用時点から入社後の受け入れ体制・教育・評価・福利厚生などを整備する必要があります。重要なのは「制度を作ること」ではなく「実際に機能させること」です。まずは「3/6/12ヶ月定着率」を可視化し、改善すべき優先度を明確にすることから始めましょう。それが社員の安心と成長を支え、定着率の向上と企業の持続的な成長につながります。

しかし、多くの人事担当者が「具体的にどこから始めればいいか分からない」とお悩みです。

▼よくあるお悩み
「せっかく採用しても3ヶ月で辞めてしまう」
「心理的安全性の作り方が分からない」
「オンボーディングを体系化したい」

人材定着に成功する企業の共通点は「心理的安全性の基盤構築」と「体系的なオンボーディング」の2つです。

【定着の基盤】心理的安全性 実践ポイント

  • □離職率を半減させた管理職の行動変革メソッド
  • □1on1で今日から使える対話テクニック


お悩み解決のための資料ダウンロードはこちら


【早期離職防止】オンボーディング体系化ガイド

  • □30-60-90日の段階的成長プログラム
  • □「やっぱり離職」を削減した実践事例


お悩み解決のための資料ダウンロードはこちら


「また優秀な人が辞めてしまった...」から脱却し、社員が安心して働ける会社を実現しませんか?

※当記事は2025年8月時点の情報をもとに作成しています

  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

    新卒・中途採用ご担当者さま、経営者さま、さらには面接や育成に関わるすべてのビジネスパーソンに向けた、採用・育成・組織戦略のヒントが満載の情報メディアです。HR領域に強いマイナビだからこそお伝えできるお役立ち情報を発信しています。

  • 人材採用・育成 更新日:2025/10/14
  • いま注目のテーマ

  • ログイン

    ログインすると、採用に便利な資料をご覧いただけます。

    ログイン
  • 新規会員登録

    会員登録がまだの方はこちら。

    新規会員登録

関連記事