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カムバック採用とは?メリット・デメリットや導入企業を紹介

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カムバック採用とは、出産や育児、介護、転職などを理由に退職した従業員を再雇用する採用制度のことで、JR東日本グループや日本電気株式会社(NEC)など、導入している企業は多数あります。

今回は人材確保に悩む採用担当者向けに、カムバック採用のメリットやデメリット、導入時のポイントなどを解説します。

カムバック採用とは

「カムバック採用」とは、さまざまな理由で退職した従業員を再雇用する採用制度のこと。

従業員の退職理由は、ライフイベント(出産・育児・介護・配偶者の転居等)やキャリア上の選択(留学・起業・転職)など多岐にわたります。

カムバック採用には「ジョブリターン採用制度」「キャリアリターン採用制度」など複数の呼び方が存在し、中には企業が退職者を歓迎する意図を込めて「ウェルカムバック採用」と呼ばれることもあります。

なぜカムバック採用が注目されているのか?

昨今、カムバック採用を導入する企業が増えています。その理由としては、主に下記の3つのポイントが挙げられます。

人材不足解消の近道として期待されている

カムバック採用が注目されている背景の一つとして、生産年齢人口(15~64歳)の減少に伴う人材不足があります。人材獲得をめぐる企業間の競争が激しくなる中で、特に中小企業は大手企業に比べて認知度や待遇面で不利になりやすく、人材確保に苦戦しやすい傾向にあります。

また、転職の一般化で人材の流動性が高まっており、せっかく採用しても短い期間で離職されてしまうという課題も目立ってきています。

このような状況にあって、自社から一度離れていった元従業員を再度、採用対象として受け入れるカムバック採用は、人手不足をカバーする方法として期待されています。

社会全体で多様性が重視されている

近年、社会全体で「多様性(ダイバーシティ)」を尊重する風潮が強まっていることも、カムバック採用が注目される背景として挙げられるでしょう。

企業でも、家庭の事情で離職した人など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を受け入れていく動きが広がっています。

社会全体に多様性への理解が広がりカムバック採用が増えることは、さまざまな立場の人にとって働きやすい環境の整備につながるだけでなく、企業にとっても、新たな価値観を取り入れ、社内のイノベーションに役立つと考えられています。

転職に対する考え方の変化

カムバック採用に注目が集まっている3つ目の背景として、転職に対する意識の変化が挙げられます。

かつて日本に普及した「終身雇用」という考え方は時代とともに変わり、転職へのハードルは下がり続け、今ではごく一般的なものになっています。

近年は転職者の増加に伴って人材の流動が活発になり、キャリアアップのための転職や独立・起業を経て、元の企業に戻るケースも増えています。

カムバック採用のメリット

次に、カムバック採用制度を導入することで、企業が得られるメリットについて解説します。

相互理解ができており採用後のミスマッチが少ない

カムバック採用では、その人の在籍時の経歴やスキルを事前に把握できているため、企業が求める人材像にマッチする人を確保しやすいことが、メリットの一つです。

また応募者本人が、企業風土や理念、雰囲気などを理解した上でその企業に戻ってきているため、「入社したら思っていた職場と違った」などの採用後のミスマッチが起こりにくく、定着する可能性が高いといえるでしょう。

採用までの費用や時間を抑えられる

人材を獲得するために転職エージェントや広告などを使う場合は、高額な手数料が掛かることも少なくありません。一方、企業と退職者が直接コンタクトを取るカムバック採用では、比較的費用を抑えて採用活動ができる可能性があります。

また、応募者の人となりやスキルを分かっている場合は、適性検査や一次面接など、採用選考のプロセスを一部省略するケースもあり、選考に掛かるコストを抑えながら、迅速に採用活動を進めることができます。

教育コストを抑えられる

カムバック採用で獲得した人材は、社内の仕組みや業務上使用するシステム、自社商品などに対する知識を既に有しています。そのため、入社してからの教育の手間や費用を、比較的抑えやすいといえます。

一度同じ環境で働いた経験があるため、研修期間などが短くても、即戦力としての活躍が期待できるのです。

特に、受け入れ部署に「人材教育に割く人員や時間の余裕がない」という場合に、負担が軽減できるのは大きなメリットとなるでしょう。

新たなスキルや視点が自社の活性化につながる

自社を退職した後に他社で働いていた人を再雇用する場合、彼らが他社で得た新たな知識やスキルを取り入れられるため、業務の効率化や他の社員への良い刺激につながりやすいといったメリットも挙げられます。

また、離職していた間に培った経験や客観的な視点を生かし、社内にいると気付きづらい問題点を発見したり、逆に他社よりも良い点や、自社ならではの強みを見つけたりすることもできるでしょう。

会社のイメージアップにつながる

カムバック採用を導入することによって「退職した従業員に寛容である」と、企業のイメージアップにつながる可能性があります。

例えば妊娠や出産、育児や介護などの事情でやむなく退職を選んだ人を再び雇用するという取り組みは、「多様な人材も活躍しやすい会社である」「従業員を大切にしている会社である」といったアピールにもなり得ます。

これは社外の人に対する効果はもちろん、従業員は自社への信頼と安心感が高まるため、従業員エンゲージメントの向上も期待できます。

カムバック採用のデメリット

ここからは、カムバック採用の実施において、懸念されるデメリットについても解説します。

既存社員に不満が生じる可能性がある

カムバック採用を実施する際は、既存社員に不公平感を抱かせないように配慮する必要があります。例えば数年ぶりに再入社した社員が、何年も自社で頑張り続けてきた既存社員と同程度の待遇、または上回るほどの好待遇である場合、社内で不満が出て、既存社員のモチベーションの低下につながる懸念があります。

とはいえ、他社に比べて待遇が低すぎると、そもそもカムバック採用に至らない可能性もあるため、双方が納得できるような採用条件と透明性のある評価基準を慎重に設計することが重要です。

復職者が職場の変化に対応できないケースがある

同じ企業にいたとはいえ、退職から時間が経ちすぎていると、社風や人間関係、取り扱う商品などに変化がある場合は珍しくありません。

自らキャッチアップする姿勢がない人だったり、企業側のフォローが不十分だったりすると、環境になじめず、即戦力としてのパフォーマンスを発揮してもらえないかもしれません。

再雇用の条件として「退職後5年以内」など、一定の離職期間で線引きをしたり、最低限の研修期間を設けたりと、カムバック採用者を受け入れるための準備をしておくことも必要です。

なお、要件の設定にあたっては、年齢・性別・婚姻・妊娠・家族状況等を不適切な排除条件としないよう、関係法令(男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法 等)への適合性を確認してください。

現場へ制度を浸透させるための時間や手間が掛かる

カムバック採用はまだ歴史が浅く、制度として確立している企業が少ないこともあり、円滑な運用にはある程度の時間や手間が掛かると知っておくのも大切です。

まずは現場各所とコミュニケーションを取り、特に復職者を受け入れる部署に対しては、メリットや注意点などを伝えつつ、カムバック採用についての理解を促進させる必要があります。

一方で従業員が退職する際は、彼らが「戻りたい」と思えるよう、企業に対して好印象を持った状態で円満に辞められるようにする必要があります。そのため、現場の管理職などに対して日常的にマネジメントの指導をすることが欠かせません。

退職者に、将来戻ってくる選択肢を残してもらうためには、人事部だけでなく、最も身近な存在である管理職による日頃の関わり方、そして辞めたいと打ち明けられた時の言動がキーとなってくるからです。もちろん、退職に対する嫌がらせ、いわゆる「ヤメハラ」はNGです。

カムバック採用は一朝一夕でできるものではなく、社内での理解や納得を得るのに時間が掛かります。それでも、中長期的な視点で少しずつ企業に浸透させていくことが重要です。

カムバック採用を導入する際のポイント

カムバック採用を効果的に運用するには、自社に合った活用のポイントを押さえて おく必要があります。

なんとなく始めるのではなく導入の目的・目標や見込める効果を考えておく

カムバック採用制度を導入するには、「自社にマッチした人材の獲得」「即戦力の確保」など、導入の目的を明らかにした上で、「どのくらいの期間で、どの程度の効果を求めるのか」「何をもって成功とするのか」などについて、まずはざっくりでもいいので最初に決めておくことが大切です。

次に、今までの退職者の傾向を分析し、カムバック採用導入後に見込める効果を試算するなど、導入の準備を進めていきます。その際には、同規模の他社の事例などを参考にすると、より具体的に設定しやすくなるでしょう。

採用条件や待遇を整理する

カムバック採用といっても、希望者であれば誰でも復職できるというわけではなく、退職理由や在職期間、離職期間など、再雇用の条件を整理しておくことも大事なポイントです。

また、既存社員に不公平感を抱かせないような、納得感のある採用であることも必要です。

具体的には、人事関係者だけでカムバック採用の仕組みを把握・共有するのではなく、全社に向けて「コネではなく、しっかり選考するフローになっている」「会社にとってメリットをもたらしてくれる、優秀な人材のみを再雇用する」といった点をしっかり周知することが、取り組みへの信頼を維持するためのポイントです。

カムバック採用者の待遇においては、社内に残って企業に貢献してきた既存社員と同等、あるいはより良くなる場合に、その理由をきちんと説明ができるよう、公平性を保ちましょう。

また、カムバック採用者に対しても、労働条件や待遇を曖昧にするのではなく、入社前にきちんと説明し、納得してもらうことが、円滑に採用活動を進める鍵です。

復職者が活躍しやすいよう環境を整える

今までの経験を生かしやすい部署への配属、制度やツールの変更がある場合は簡単な研修を行う、人間関係への配慮など、柔軟な環境づくりを心掛けましょう。

また、前回の退職に際して社内で問題があった場合は、復職する際には、その状況が改善されていることがマストとなります。

元の職場に戻るのは、多かれ少なかれ勇気が要るものです。カムバック採用者が気まずさを感じることのないよう、会社全体でウェルカムムードを出していけるのがベストです。

さまざまな人にとって働きやすい柔軟な職場を目指す

例えば育児を理由に一度退職した社員の場合、子どもが大きくなって復職できる余裕ができたとはいえ「フルタイムだと難しい」というケースも考えられます。

そのような状況に備えて、時短勤務やリモートワークなど多様な選択肢を用意しておけば、復職へのハードルは下げられるでしょう。

日頃から、さまざまな背景の人が働きやすいような企業風土を育て、従業員同士でフォローし合える仕組みづくりをするのも重要です。

あらかじめ退職者とのつながりを維持しておき周知しやすくする

せっかくカムバック採用制度を整えても、知られていない・使ってもらえないのでは意味がないため、社内や退職者への周知が必須となります。

特に退職者に向けては、企業の採用サイトに情報を載せたり、退職時に制度についての案内を配ったりと、積極的に働き掛けましょう。

しかしそれだけだと相手からのアクションを待つのみで、受け身の状態となってしまうので、退職者ネットワークなどの専門サービスを活用して、退職者とのつながりを早い段階から維持しておくといいでしょう。

継続的な採用案内も比較的容易にできる上に、退職者から復帰したいと声を掛けてもらえる可能性もあります。

YELLoop(エーループ)なら、退職者とのネットワークを構築することが可能です。退職者を採用するための制度構築から、退職者が応募したくなるような情報発信まで、運用負担が最小限になるようカスタマーサクセス部門がサポートをいたします。ぜひYELLoopで効率的なアルムナイ採用を実現してみませんか?


カムバック採用制度の導入企業を紹介

あくまでも一例となりますが、現在、下記のように、多くの企業や組織がカムバック採用制度(呼び名は企業・組織により異なる)、あるいは再雇用を視野に入れて、元従業員とつながりを保つためのネットワークの仕組みを導入しています。

  • 株式会社MCS
  • 大阪市
  • 関西電力株式会社
  • 株式会社群馬銀行
  • キヤノン株式会社
  • JR東日本グループ
  • 株式会社西武不動産
  • 株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
  • 第一貨物株式会社
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 東京都教育委員会(東京都公立学校教員採用候補者選考)
  • 西東京市
  • 日清オイリオグループ株式会社
  • 日鉄物流株式会社
  • 日本製鉄株式会社
  • 日本航空株式会社
  • 日本電気株式会社(NEC)
  • 日本郵政グループ
  • 株式会社ノエビアホールディングス
  • 株式会社八十二銀行
  • 株式会社ファンケル
  • 富士通株式会社
  • 株式会社MIXI
  • 株式会社三井住友銀行
  • 三菱重工業株式会社
  • 株式会社モバイルファクトリー
  • (五十音順)


    各組織により募集条件や採用フローがあり、例えば「正社員として3年以上勤務した経験があり、退職してから5年以内」「当社就業規則の定年年齢に達していない」「正社員としての勤続が1年以上で、退職時の理由が学業・転職・結婚・出産・育児・家族介護・配偶者の転勤」など、募集条件一つをとってもさまざまです。

    自社の制度を考える際には、他社の取り組み事例を調べて、参考にしてみましょう。

    *これらは各社の例であり、自社で制度を設計する際は、年齢・婚姻・妊娠・家族状況等を採用条件の排除理由としないこと、公正採用の観点および関連法令への適合性を法務と確認のうえ、合理的な業務要件のみを明文化してください。

    業種・規模を問わず、YELLoopを導入している企業の事例をいくつか紹介しています。アルムナイ施策の立ち上げや改善等をご検討されていれば、自社に合う活用方法のヒントになるかと思います。ぜひご覧ください。



    カムバック採用は優秀な人材確保のための新たな糸口

    さまざまな理由により離職した従業員を再雇用する「カムバック採用」は、低コストながら、人手不足の解消や、即戦力の獲得が期待できる、企業にとってメリットの多い採用制度です。

    戻ってくる本人にとっても、会社の雰囲気や業務内容を把握した上で再入社するため、入ってからのミスマッチが起こりづらいという利点があります。

    ただしカムバック採用制度の導入には、慎重な制度設計や、復職する元従業員、そして既存社員へのきめ細やかな配慮が必要です。しっかりと目的意識を持ち、根気よく時間を掛けて運用していきましょう。

    • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

      HUMAN CAPITALサポネット編集部

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    • 人材採用・育成 更新日:2025/08/25
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