トシアキさんに聞く「うちでもできた!」中小企業の採用を前に進める7つの工夫
中小企業の採用は、正解が見えづらい分野です。人が集まらない、理想の人材に出会えない、現場とのすり合わせもうまくいかない……そんな悩みを抱えながらも、現場に近いからこそ生まれる柔軟な工夫で、日々の採用活動をなんとか前に進めている担当者はたくさんいます。
そこで今回は、日々創意工夫して採用市場と向き合っているトシアキさんにご登場いただきました。
トシアキさんは、IT系企業で採用全般を担当。HRサロンではさまざまなイベントに参加いただいたり、他のユーザーさんのお悩み投稿にコメントもしていただいています。そんなトシアキさんにご自身の採用経験をお話しいただく座談会を開催しました。
参加者たちはトシアキさんの実践事例をヒントに、自身の課題や取り組みを率直に語り合いながら、「中小企業ならではの採用のやり方」をともに考えていきました。
今回は、そのイベントで共有された7つの工夫を紹介します。どれも派手さはないかもしれませんが、試行錯誤を重ねる現場だからこそ響くヒントが詰まっています。
お悩み1:採用広告を出しても思うような応募が集まらない
トシアキさんの工夫①
広告は出したら終わりにせず、毎月効果を見直し、改善を積み重ねていくことが大切!
トシアキさんはこう語る
「無料の媒体でも反応があるうちは使い続けますし、うまくいかないと感じたら一度やめて、別の方法を試すようにしています。毎月、応募状況を確認して広告内容や媒体を見直すようにしています」
イベントのなかで、トシアキさんは採用広告の運用について、こうした徹底した見直しを行っていると話しました。どの媒体が効果的だったのか、どんな文面で反応があったのかを月単位で検証し、改善を繰り返すことで、限られた予算の中でも成果を出す工夫をされているそうです。
このお話に対し、参加者からは「思ったより応募が来ないと感じても、なんとなくの感覚で続けていた」「毎月の振り返りまでは手が回っていなかった」といった声が上がり、自社の取り組みを見直すきっかけになった様子でした。
お悩み2:スカウトメッセージを送っても反応がない
トシアキさんの工夫②
スカウトは一括ではなく、相手のプロフィールに合わせて“個別対応”するのが反応アップのコツ!
トシアキさんはこう語る
「スカウトはテンプレートではなく、できるだけその人の経歴や希望に合わせてメッセージを書くようにしています。 たとえば“育児と仕事の両立をしたい”というプロフィールの方には、弊社の制度の中で合いそうなものをきちんと伝えるようにしています」
トシアキさんは、スカウトの文面を個別に調整することで、反応率の向上や応募につながる効果が高まったと話していました。 量をこなすよりも、どれだけ“相手目線”で書けるかが鍵になると感じているそうです。
参加者の一人からは「一括送信で出していたけど、確かに自分が求職者ならテンプレっぽい文章には返したくない」といった共感の声が上がり、別の参加者は「スカウトの文面に社内制度や働き方の情報を入れてみようと思った」とその場での気づきを共有していました。
お悩み3:「こういう人が欲しいんじゃない」といわれる
トシアキさんの工夫③
求める人物像は現場と一緒にすり合わせて、『must / want / not』で具体化する!
トシアキさんはこう語る
「面接で現場と一緒に候補者と話すことで、求める人物像が少しずつ明確になっていくことがあります。 なので、あらかじめ 『must / want / not 』の3つに分けて要件を整理しておくようにしています」
トシアキさんは、現場と人事の間で起きがちな“理想のズレ”をなくすために、人物像のすり合わせに力を入れていると語りました。 初めから完璧な条件を固めるのではなく、現場の声や面接の感触をもとに、柔軟に調整していくスタンスです。
この話をきっかけに、参加者からは「現場から『即戦力じゃない』と一言で片づけられていたけど、そもそも定義が曖昧だったと気づいた」 「must / wantで整理するやり方は、自社でもすぐに取り入れられそう」といった反応があり、共感と実践のヒントが広がっていきました。
お悩み4:採用は人事の仕事と思われている
トシアキさんの工夫④
採用活動は“社内の共通ミッション”として伝え、定期的に状況を共有するのが効果的!
トシアキさんはこう語る
「現場や経営層と定期的に情報を共有して、採用がうまくいっているかどうか、どんな人を探しているのかを見える形で伝えるようにしています。 とくに採用の初期段階では、“こういう人が欲しい”という希望をしっかりヒアリングするようにしています」
採用活動を社内の一部の人だけで抱え込まず、全体で取り組めるように情報共有を意識していると話すトシアキさん。 候補者情報や選考状況の共有だけでなく、ちょっとした会話の中でも採用の話題を出し、関心を持ってもらえるよう工夫しているそうです。
参加者からは、「現場に採用のことをどう伝えていいかわからず、情報を後出しにしてしまっていた」「採用がどこまで進んでいるのか、社内でも共有されていないと感じていた」といった声が。 改めて、採用の“透明度”を上げることの重要性を改めて感じたという意見が目立ちました。
社内のメンバーに協力してもらうための巻き込み方については、以下の記事も役に立ちます。
関連記事:協力してもらえないのは言い方のせい?人事担当者が語る、巻き込みに効いた“一手”とは
お悩み5:こちらが良いと思っても辞退されてしまう
トシアキさんの工夫⑤
面接では「選ぶ」だけでなく、「選ばれる」視点で魅力づけを意識することが大切!
トシアキさんはこう語る
「うちでは、面接は見極め3割、魅力づけ7割くらいの意識で進めています。 評価するだけじゃなく、『この会社で働いてみたい』と思ってもらえるような面接にしたいんです」
トシアキさんは、面接を「選ばれる場」として位置づけていました。 ただスキルや経験を確認するのではなく、候補者が興味を持ちそうなテーマに耳を傾けながら、それに合わせて社内の雰囲気や働き方、制度などを伝えて、相互理解を深めているそうです。
また、カジュアル面談での印象も重視。 面接前のやりとりや、コミュニケーションの中で感じる対応力や共感性が、チームとの相性を見極めるうえで大切と言います。
参加者からは、「これまで『ちゃんと見極めないと』という視点ばかりだった」 「魅力づけの意識が足りず、いつもこちらからの説明が一方的になっていた」といった声が聞かれました。
お悩み6:採用にかけられる予算が少ない
トシアキさんの工夫⑥
高額なツールに頼らず、手元にあるリソースを最大限活用!
トシアキさんはこう語る
「大手のように潤沢な採用予算があるわけではないので、使えるツールはできるだけ活用しています。 たとえばMicrosoft365のプランナーで進行管理をしていて、無理に高額なATSを入れなくてもなんとか回せています」
トシアキさんは、限られたリソースの中でも成果を出すために、身の回りにあるツールをフル活用。 媒体も、やみくもに出稿するのではなく、過去の効果をふまえて、効果の高い媒体に絞って運用しているそうです。
この話に対して参加者からは、「予算がないから動けないと思い込んでいた」 「プランナーで採用進捗を管理しているのは意外だったけど、すぐ真似できそう」という声が上がり、ツールの使い方次第で、工数もコストも抑えられることにハッとしたようでした。
お悩み7:求人票のベストな書き方がわからない
トシアキさんの工夫⑦
新しい職種の採用は、いきなり動き出す前に、まず現場を知ることが成功のカギ!
トシアキさんはこう語る
「新しいポジションを採用するときは、まず自分がその職種をどこまで理解できるかがすごく大事だと思っています。 いきなり求人を出すのではなく、現場にヒアリングしたり、似た求人を調べたりして、じっくりと準備するようにしています」
これまでにない職種を採用するときほど、丁寧な情報収集とすり合わせが必要と話すトシアキさん。 どんな役割を求めているのか、どんな人ならフィットするのかを、まず現場のメンバーとすり合わせ、そのうえで求職者目線になって求人票や採用サイトの構成を検討するようにしているそうです。
参加者からは、「求人票を急いで出した結果、現場から『この人じゃない』と言われてしまったことがある」「まず現場の言葉で語れるようにならないといけないと思った」といった声がありました。 また、「現場の人と食事に行って自然に話す時間をとるようにしている」という実践例も共有され、共感が広がっていました。
正解はひとつではない。自社に合った採用の形を探していこう
今回のイベントでは、トシアキさんの実践をきっかけに、参加者同士が悩みや工夫を持ち寄りながら、採用のヒントを共有していきました。
共通していたのは、特別なノウハウがなくても、自分たちなりにできることを見つけて試してみるという姿勢です。採用広告の出し方を少し変える。スカウトの文面を一工夫してみる。現場ともう一度話し合ってみる。そうした地道な取り組みの積み重ねが、やがて採用の成果につながっていく。そんな実感がにじむ時間となりました。
やり方は会社によってさまざまです。今日の気づきの中から、まずはひとつ、自社でも試せそうな工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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- 人材採用・育成 更新日:2025/08/26
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