中途採用の内定辞退を防ぐ方法4選|主な理由と成功事例を解説
「やっと見つけた即戦力なのに、内定を辞退された」「採用コストばかりかかって成果が出ない」そんな悩みを抱える採用担当者は、今や珍しくありません。中途採用市場では、候補者の志望度は選考のたびに変化し、内定後でも油断はできないのが現実です。
当記事では、中途採用における内定辞退に悩む中小企業の人事・採用担当者の方に向けて、辞退が起こる理由や傾向、内定辞退の防止方法、成功事例を紹介します。限られたリソースの中でも効果を出したい方は、ぜひ参考にしてください。
1. 中途採用における内定辞退の実態とは
中途採用では、内定を通知した後に入社を辞退される「内定辞退」が一定数発生します。マイナビの「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」によると、内定辞退者の割合は約9.3%で、前年と同程度の水準となっています。加えて、面接無断キャンセル率も約7.4%と無視できない数字です。
(出典:マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」)
以下ではさらに、従業員数別・面接手法別の内定辞退率・面接無断キャンセル率を紹介します。
1-1. 従業員数別の内定辞退率
【従業員数別】内定辞退率・面接無断キャンセル率
内定辞退率 |
面接無断キャンセル率 |
|
|---|---|---|
3~50名 |
約7.3% |
約16.4% |
51~300名 |
約14.0% |
約11.7% |
301~1000名 |
約6.0% |
約7.7% |
1001名以上 |
約9.3% |
約6.5% |
(出典:マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」)
従業員数別に見ると、従業員数が少ない企業ほど面接の無断キャンセル率が高く、特に3~50名の企業では約16.4%と高水準です。初回接触を即日で行う、面接はWebを併用する、前日にSMSでリマインドするなど、歩留まりを改善する工夫が欠かせません。
内定辞退率は51~300名の企業が最も高く約14.0%で、オファー条件を早期に明示し、承諾前後のフォローを強化することが重要です。一方、1001名以上の企業は両率とも低く安定傾向ですが、候補者への情報開示や丁寧なフォローを継続することで、安定した採用成果を維持できます。
1-2. 面接手法別の内定辞退率
【面接手法別】内定辞退率・面接無断キャンセル率
内定辞退率 |
面接無断キャンセル率 |
|
|---|---|---|
対面のみ |
約12.6% |
約6.5% |
Webと対面両方 |
約8.2% |
約9.2% |
Webのみ |
約7.9% |
約1.3% |
(出典:マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」)
面接手法別に見た内定辞退率は「対面のみ」が最も高く約12.6%、一方「Webのみ」は約7.9%と低めです。面接無断キャンセル率は「Webのみ」が最も低く約1.3%で、対面を含む面接より安定しています。職種や候補者属性に応じて、一次はWeb・最終は対面見学を組み合わせる選択肢が有効な場合があります。
中途採用の内定辞退・面接無断キャンセルの実態については、下記でも紹介しているのでぜひご覧ください。
関連記事:大手企業を悩ませる中途採用面接のドタキャンと内定後の辞退
2. 中途採用で内定辞退が起こる主な理由とその傾向
中途採用では、内定を出しても辞退されてしまうケースが少なくありません。企業にとっては大きなロスとなる内定辞退には、いくつかの共通した理由があります。
ここからは、内定辞退が起こる主な理由と傾向について紹介します。
2-1. 労働条件が希望と合わないと感じたため
内定辞退が発生する理由として多いのが、労働条件が希望と異なるというケースです。求職者にとって、給与や勤務地、休日、キャリア支援の有無などは重要な判断材料です。もし希望条件に沿わなければ、「この会社で長く働けるか不安だ」と感じ、辞退という結論に至ることもあります。
また、面接時の説明が求人票と異なっていた場合には、企業への信頼も損なわれかねません。内定辞退を防ぐには、情報の正確な開示と、求職者とのすり合わせを丁寧に行うことが鍵となります。具体的には「早期・正確な条件明示」が必要です。一次面接後~最終前に概算年収テーブル、最終で内定条件(書面)提示を徹底。固定残業・試用期間・就業場所/在宅可否など誤解の多い項目は図解で補足しましょう。
2-2. 社風が自分に合わないと感じたため
「社風が合わない」と感じることは、求職者にとって大きな不安材料です。中途採用では即戦力を求められるため、早期に環境へなじむことが求められますが、企業文化や人間関係に違和感があると、入社後の不安が強まり内定辞退につながることがあります。
求職者とのミスマッチを防ぐには、採用段階での情報開示が重要です。社内の雰囲気や価値観、働き方の特徴を正直に伝え、求職者が「ここで働く自分」を具体的に想像できるような場づくりが求められます。社風は「文章でなく事実」(例:朝会の動画1分、週1の雑談会写真、開発手法・営業KPIの公開など)で伝えるとよいでしょう。
2-3. 面接官の対応に不信感を抱いたため
面接官の対応が悪いと、求職者の入社意欲は大きく低下します。応募者は、限られた面接の場で企業の雰囲気や価値観を感じ取ろうとしています。その際に、面接官が高圧的だったり、質問に真摯に答えてくれなかったりすると、「この会社では働きにくそうだ」と感じ、内定を辞退するケースがあります。
また、連絡が遅い、配慮のないスケジュール調整なども不信感の原因です。採用成功には、応募者との接点すべてで信頼関係を築く姿勢が欠かせません。
2-4. 他社のほうが魅力的だと感じたため
中途採用市場では、多くの求職者が複数の転職サービスを利用しながら企業を比較しています。そのため、内定を出した後も他社の選考を継続し、より魅力的と感じた企業へ最終的に入社を決めるケースは珍しくありません。
特に、給与や勤務地、企業規模、成長性、社風などの面で他社が上回っていた場合、自社の内定が辞退される可能性は高まります。こうした背景を踏まえ、内定通知後も継続的に候補者との接点を持ち、志望度の変化を把握することが重要です。
例えば、オファー面談で「条件表(比較用)」「30-60-90日計画」「評価と昇給ルール」を提示。候補者の意思決定軸(年収、成長、働き方、上司)を5点満点で自己評点してもらい、懸念の可視化→追加情報で埋める運用が有効です。
関連記事:オファー面談とは?タイミングや目的・内容・注意点などを解説!
2-5. 働くイメージが湧かず不安に感じたため
中途採用では、条件面に不満がなくても「自分がその会社で働く姿が想像できない」という理由で内定辞退に至ることがあります。職場の雰囲気が分からず、馴染めるかどうか不安を感じるのは自然なことです。
他社との比較が進む中で、自社よりも働くイメージが明確に持てる企業を選ぶ傾向もあります。こうした不安を払拭するには、社内見学や社員との面談、職場体験の機会を設けることが有効です。体験実施後は参加後アンケートで懸念を回収し、その日のうちに回答を返します。また、現職との引き継ぎが難航し辞退するケースもあるため、柔軟なスケジュール調整も重要です。
3. 中途採用における内定辞退防止のための具体策・施策
中途採用では、内定を出した後も辞退されるリスクがあります。候補者の不安や迷いを払拭し、入社意欲を高めるには、採用プロセス全体を通じた工夫が欠かせません。
ここからは、内定辞退対策として有効な取り組みを紹介します。
内定辞退や採用後の定着に課題を抱えている人事・採用担当者の方は、下記の資料もあわせてご覧ください。
3-1. 選考中に志望度と企業理解を高める仕掛けをつくる
内定辞退を防ぐには、選考中に候補者の志望度と企業理解を高める工夫が必要です。たとえば、各選考ステップで企業理念やビジョンを伝えるほか、職場見学や社員との交流を通じて雰囲気を実感してもらうことが効果的です。
手順(所要:初期設定3時間)
エントリー直後メール(自動):会社1分動画+職種資料PDF
一次面接前:志望度ヒアリング5問(テンプレ)を事前回収
一次面接:事業紹介5分→職務深掘り20分→逆質問10分→オファー条件の骨子共有5分
KPI:志望度平均3.8/5以上、一次→最終移行率70%以上
面接では志望動機やキャリアの深掘りを行い、「しっかり見てくれている」という信頼感を与えることで、候補者の納得感や入社意欲を高められます。段階ごとに特別感を演出し、自社への関心を高めましょう。
3-2. 応募者への素早いレスポンスで信頼を得る
採用活動では、候補者への対応スピードが印象を大きく左右します。連絡が遅いだけで「この企業は不誠実かも」と思われ、内定辞退につながることもあります。
応募者対応の質を高めるには、面接官同士でフィードバックし合ったり、採用体制を整えて業務の属人化を避けることが大切です。また、LINEやSMSなど即時性の高い連絡手段を導入することで、対応のスピードアップも図れます。
3-3. 印象に残る内定通知で気持ちを後押しする
内定通知は、候補者の気持ちを大きく左右する重要なタイミングです。印象に残る内定通知を行うことで、「歓迎されている」「必要とされている」と実感し、内定辞退を防ぎやすくなります。
内定は「書面+口頭」で伝えるのが基本であり、法定項目を満たした内定通知書を必ず交付することが重要です。その上で、採用の理由や期待する役割、候補者の強みを具体的に伝えると、本人のモチベーションを高められます。
さらに、社長や社員が直接メッセージを伝えるなど感情に訴える工夫も有効ですが、サプライズ通知のみで済ませるのは非推奨です。必ず法令順守を前提とした通知手順を守りながら、個別化したメッセージで動機づけを行いましょう。
3-4. 内定承諾後も継続的な接点を持ちフォローを強化する
内定承諾後も継続的に連絡を取り、不安を解消することが内定辞退防止には効果的です。定期的な連絡で、入社までの流れや必要な準備を具体的に伝えると、安心感が生まれます。相談や質問にも素早く対応し、誠実な姿勢を見せることで信頼関係を深めましょう。
また、内定者同士の交流や内定者懇親会の開催も有効です。同期とのつながりが生まれれば、不安や迷いがあっても乗り越えるきっかけになります。
4. 内定辞退の防止に成功した事例【業種・規模別】
ここからは、実際に内定辞退の防止に成功した企業の事例を、業種や規模別に紹介します。採用活動における課題や背景、具体的な取り組み内容、得られた成果を通して、自社で活用できるヒントを探ってみてください。
4-1. 福祉・介護サービス企業の事例|転職フェアで内定辞退率ゼロを実現
エイジライフ株式会社様では、従来の求人広告だけでは応募者とのミスマッチが多く、面接辞退や内定辞退が課題となっていました。
マイナビ転職フェアへの出展とホームページの刷新によって、業務内容や職場の雰囲気をより具体的に伝えられるようになり、応募者の理解と安心感が大きく高まりました。転職フェア経由で選考に進んだ応募者については、記事公開時点の事例では内定辞退は確認されていません。その結果、採用数も安定し、現在も継続して出展を行っています。
※注釈:上記の内容は2023年3月時点の情報に基づく事例であり、公開時点で確認された範囲においての記載です。
関連記事:転職フェアで求職者の会社理解を促進、内定辞退率ゼロを実現
4-2. 情報通信業の事例|情報発信により未経験者の不安を払拭
アンリミ株式会社様では、情報発信の不足が原因で内定辞退が相次いでいました。
未経験者の不安や業界への誤解を解消するため、採用広報として「+Stories.(プラスストーリーズ)」やマイナビ転職を活用しました。社内の雰囲気や社員の声、社長の想いを可視化し、求職者の理解を深める取り組みを行いました。マイナビ転職フェアでの直接対話を通じて応募者との距離を縮めた結果、内定承諾率が約20%から約60~80%に改善し、31名の採用に成功しました。
関連記事:企業側から情報を発信することで未経験者の不安が払拭され、低下していた内定承諾率が改善。企業理解が深まる効果も
マイナビ転職の特徴や強みを詳しく知りたい方は、下記でも紹介しているのでぜひご覧ください。
まとめ
中途採用の現場では、条件の食い違いやイメージのズレから内定辞退が発生することも少なくありません。内定辞退の背景には、求職者との情報共有不足や志望度の低下、競合他社との比較といった要因が潜んでいます。内定辞退を防ぐには、選考中から入社前まで一貫して応募者との関係を築き、納得度を高める工夫が必要です。
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※当記事は2025年8月時点の情報をもとに作成しています
- 人材採用・育成 更新日:2025/10/16
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