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協力してもらえないのは言い方のせい?人事担当者が語る、巻き込みに効いた“一手”とは

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「イベントの登壇依頼をしても、やんわり断られてしまう」
「インターンの受け入れを頼んでも、現場から“無理です”の一言」
「採用広報用の写真をお願いしたら、“顔出しはちょっと……”と拒否された」

採用活動を進めるなかで、こうした“社内協力が得られない場面”に直面したことのある人事担当者は少なくないと思います。とくに1人職場や少人数体制では、企画から調整、実行まで担当者にかかる負荷が大きく、協力を得られるかどうかが業務全体の成否を左右することも。

そんな課題意識を共有する人事・採用担当者たちが集い、率直に悩みや工夫を語り合うイベントが、2025年2月にサポネット内のクローズドコミュニティで開催されました。テーマは、「社内説得/巻き込み、どうしてる!?」。

オンライン開催ながら、参加者の発言はどれも実践的かつリアル。「伝え方」「タイミング」「信頼関係」など、様々な業種、規模の企業に勤める人事担当者から、リアルな“社内巻き込みの工夫”が披露され、多くの共感が寄せられました。

今回は、当日のディスカッションで交わされた実例をもとに、「協力を得られなかった経験」と「そこから見えてきた伝え方のヒント」をご紹介します。

不安、目的、距離感……協力を断られる理由とは?

イベント冒頭の自己紹介タイムでは、参加者がそれぞれ抱える“社内協力の壁”が共有されました。

「顔出しNGが多く、採用広報に載せられる写真が集まらない」
「説明会の登壇を頼んでも“うちの業務じゃない”と断られる」
「インターン対応をお願いしたが、“現場は手が足りていない”と一蹴された」

共通していたのは、“拒否される理由が明確ではない”こと。
「なんとなく嫌そう」「忙しそうな空気」など、感覚的な断られ方に困っているという声が多数ありました。

実際、「忙しいから無理」と断られる場面の裏には、こんな本音が隠れていることもあるようです。あなたの職場でも、どこか思い当たる節はないでしょうか。

  • これ以上業務が増えるのはつらい(=表には出さないけれど、心の中でキャパオーバーを感じている)

  • なんのためにやるのか、よくわからない(=意義が伝わっていないので、優先度を上げづらい)

  • 声をかけてきた人との距離を感じてしまう(=関係性が薄い相手だと、つい断ってしまう)


参加者の中には、「『なんで人事がこんなことしてるの?』と上司に言われた経験がある」といったケースも。担当者が熱意を持っていても、その温度が社内に伝わらない苦しさは、決して個人のスキル不足ではなく、構造的な課題なのかもしれません。

説得はNG。相談が「巻き込み」の第一歩

では、どうすれば“協力を断られない”状況をつくれるのでしょうか?

そこで大切なポイントとして指摘されたのが「説得しようとしないことが大事」という点です。

「経営層や上司は“説得される”こと自体を嫌がる。だから正面突破ではなく、じわじわ外堀を埋める」
「まずは相手の話をよく聞いて、こちらの目的と結びつけていく。押しつけではなく、“共に考える”スタンスで」

つまり、最初から「協力してほしい」と迫るのではなく、「相談させてください」「どう思いますか?」と対話の土台をつくることが、“巻き込み”への第一歩。これは単なるテクニックではなく、相手の立場に立ったコミュニケーションとして機能しているようです。

意識したい「巻き込み」実践ポイント

イベントの中で見えてきた“巻き込みの実践ポイント”は、以下の4点でした。

背景と目的をセットで伝える

「なぜやるのか」が伝わらなければ、誰も動いてくれません。特に現場や管理職は、自分の業務とどう関係しているかが不明確だと、協力に消極的になりがちです。

たとえば、「学生が重視しているのは現場のリアルな声」「現場登壇の有無で志望度に明確な差が出ている」といった背景と目的を、数字や事例を添えて伝えることで、納得感を高めることができます。

相手に合わせて言い方を変える

イベント参加者の中には、「人によって“刺さる言い方”が違う」と感じている方が多くいました。

  • ロジカル派には→「人材不足の数値」「離職リスク」

  • 感情派には→「学生の反応」「やってよかったという声」

  • 構造派には→「他部署もやっている」「上層部の理解がある」


というように、相手の思考や立場に応じて伝え方をカスタマイズすることが、巻き込みのカギになります。

最初は“ノリのいい人”から巻き込む

最初から全社を巻き込もうとすると、反発や拒否に合うリスクが高まります。 イベントでは、「まずは“協力的な人”から声をかけ、空気をつくる」ことの重要性が語られていました。

「○○さんが協力してくれたから、うちもやります」

そんな横のつながりが、結果として全社的な巻き込みへとつながっていくのです。

協力の成果は必ずフィードバック

協力してくれた人に感謝を伝えるのは当然として、「どう役に立ったか」を具体的に伝えることで、次の協力につながります。

たとえば、「SNSでリーチが大きかった」「学生のアンケートで名前が挙がった」「社内報に載ったことが話題になっていた」など、小さなリアクションでも積極的に共有し、“やってよかった”と思ってもらう工夫が、信頼のループをつくります。

こうした4つの巻き込みの工夫を実践するうえで、もうひとつ意識したいのが、「相手が思わず動きたくなる」伝え方やコミュニケーションのあり方です。「お願いする側」と「される側」という一方通行の関係ではなく、「一緒に取り組む仲間」としての関係性を築くことで、相手の主体性や納得感が生まれやすくなります。

  • 頼みごとをする前に「ちょっと相談があって…」とクッションを置く

  • 伝える内容だけでなく、「誰が」「どのタイミングで」声をかけるかも工夫する

  • 相手の得意や関心と結びつけて、「あなたの力が必要なんです」と伝える


こうしたささやかな気配りが、「仕方なく協力する」ではなく「自分ごととして関わる」巻き込みへとつながっていくのです。

先ほどのポイントを踏まえて、実際にはどのように“巻き込み”が行われていたのでしょうか。

【CASE1】 “顔出しNG”の壁をどう超えたか

とある採用担当者は、採用広報に使う社内写真の撮影に毎年苦労していました。「恥ずかしい」「忙しい」「顔出しは避けたい」といった声が多く、協力者が集まらないまま、毎年なんとかやりくりする状態が続いていたそうです。

そこで行った工夫のひとつが、“依頼メールの質を見直す”ということ。

以前は「〇日までに撮影したいのでご協力をお願いします」という一斉連絡だったものを、今回は「この写真が学生にどう届くのか」「〇〇さんの雰囲気が伝わると、会社の印象が変わる」など、その人に合わせた個別のメッセージに切り替えたそうです。

さらに、実際に掲載される広報ページのイメージや過去の反響なども添えて、相手に「出る意味」を実感してもらえるように配慮しました。

最初は協力してくれそうな人や、前向きな人など、“ノリのいい人 ”数名にだけ声をかけ、掲載後には「この写真、いいね」と社内で話題になったことを丁寧にフィードバック。それをきっかけに「じゃあ自分も出てもいいかも」という雰囲気が生まれ、最終的には希望者が自発的に撮影を申し出てくれるようになったといいます。

【CASE2】現場が拒否するインターンの受け入れ、どう動かす?

採用を担当しているというある参加者は、インターンの実施にあたって現場との調整に大きく苦労したと話していました。「そんな余裕はない」「うちは関係ないでしょ」という反応が多く、なかなか協力を得られなかったといいます。

それでも諦めず、まずは現場の立場を理解することから始めたそうです。現場の忙しさやタイミングを考慮しながら、インターンの内容をできるだけコンパクトに設計。加えて、「なぜインターンが必要なのか」という背景を、学生のアンケート結果や他社事例を交えて説明しました。

とくに効果があったのは、「〇〇さんの仕事を学生に見せたいと思っているんです」と名指しで信頼を込めて伝えたこと。業務の“手伝い”をお願いするのではなく、「あなたの姿勢を学生に学んでほしい」という前向きな意味合いにすることで、現場側も少しずつ受け入れに前向きになっていったそうです。

その後は「この時期なら協力できるかも」と、現場からスケジュール調整の提案が出るようになり、関係性が確実に変化していったと話していました。

【CASE3】「現場主導の面接」で離職率を下げた方法

ある中小企業の採用担当者は、これまでの「人事主導の面接」に限界を感じ、1次面接を現場部門のリーダーに担当してもらう体制へと転換することにしました。

それまで社長や取締役が配属先を決めており、現場の部門長は採用にも面接にもほとんど関与していないという体制でした。そのため、「上が勝手に決めた人」という意識が現場にあり、配属後に責任感を持って人材を育てようという姿勢が根付きにくいという課題を抱えていたといいます。

1次面接を担ってもらうといっても、完全にお任せという状態にはしていません。事前に採用担当者と現場のリーダーとの間で「どういう人材が理想か」「どの質問がNGか」などをすり合わせたことで、現場側も安心して面接に臨めるように。結果的に、採用した人材への育成意欲やフォロー体制も強化され、離職率の低下にもつながったそうです。

とはいえ、現場が面接に慣れていないため、「家族構成」などの聞いてはいけない内容をうっかり質問してしまう場面も。そこに対しても、人事が面接後にしっかりフィードバックを行い、厚労省の資料やセミナー画像などを共有しながら、「聞いてはいけないこと」や「面接の進め方」の理解を少しずつ深めていったといいます。

選考への参加を“負担”ではなく“責任ある関わり”に変える。そんな地道な巻き込みの積み重ねが、現場の意識を変え、離職率という成果にもつながった事例でした。

より良い面接の進め方や現場担当者の面接力向上については、以下の記事も参考になります。
関連記事:現場担当者が身に付けるべき面接力とは? 採用を成功に導く「見抜く」「惹き付ける」の極意


知っておきたい。協力を得るためのアクションリスト

最後に、イベントで共有されたヒントをチェックリスト形式でまとめました。明日から試せるヒントとしてご活用ください。

□ 協力依頼は「なぜ必要か」「誰にどう影響するか」をセットで伝える
□ 伝える相手のタイプに合わせて言い方を工夫する(論理・感情・立場)
□ 最初の協力者は“前向きそうな人”から選ぶ
□ 成果や反響をできるだけフィードバックする
□ 協力を断られたときは、理由を聞いて次に活かす
□ 自分の提案を「相談」や「一緒に考えてほしい」スタンスに変える

採用活動の効率化や工数削減について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:採用工数を削減する5つの方法|指標や企業の成功事例を紹介


方法は1つじゃない。自社に合わせて工夫を重ねて

協力を得るために必要なのは、完璧な依頼文や話術ではなく、「この人と一緒に進めたい」という空気をつくること。そして、その工夫や努力の積み重ねが、少しずつ社内を巻き込む力になっていくことが、共有されたイベントでした。

1つの方法だけでなく、工夫を重ねることで、自分の会社にあった方法がみつかるはず。たとえば、「この人なら話を聞いてくれるかも」と思える人に、一言声をかけてみる。そんな小さな一歩が、自社なりの巻き込みの形を見つける第一歩になるかもしれません。

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  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2025/07/30
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