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日系企業のアルムナイ活用事例⑦〜生まれ変わったオフィスや人事制度を伝えて再入社へ。社員を巻き込み「戻りたくなる会社」を創る〜(三井ホーム株式会社)

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三井ホーム株式会社の加藤さん・水元さん・大久保さんのポートレート写真

木造建築の可能性を追求する、業界のリーディングカンパニーである三井ホーム株式会社。同社では従来から、退職者が再び入社する「キャリアリターン採用」が自然発生的に起こっていましたが、体系的な仕組み化には至っていませんでした。

そこで、近年の採用難や人的資本経営への注目を受け、2022年からアルムナイ活用の本格検討を開始。当初は「制度の周知が退職を助長するのではないか」という懸念もありましたが、トップの強い意志と、現役社員による「口コミ」を生かした運用により、その不安を払拭。現在では再雇用だけではない「共創」の仕組みへと進化を遂げつつあります。

運用のポイントは、「全社に対してオープンな仕組み」と、「変化した会社の姿をいかに伝えるか」。単なる「再雇用」の枠を超え、ビジネス連携や社内エンゲージメント向上といった多角的なメリットを生み出す同社の取り組みの全容を伺いました。

  • 三井ホーム株式会社の加藤卓郎さんのポートレート写真
  • 加藤 卓郎さん 三井ホーム株式会社 人事部 人材開発グループ

    2005年新卒入社。東北・東京エリアでの注文住宅営業を経て、15年より総務部にて役員会議事務局やコンプライアンス推進などに従事。22年に人事部へ異動し、キャリア採用や制度改定を主導。25年からは体制強化に伴い、アルムナイ活用を含む即戦力採用の全体設計にまい進している。

  • 三井ホーム株式会社の水本将樹さんのポートレート写真
  • 水本 将樹さん 三井ホーム株式会社 人事部 人材開発グループ

    2008年、三井ホームのグループ会社にキャリア入社。総務・人事・経理などの広範な業務を経験後、23年の経営統合を経て現職。25年よりキャリア採用・研修担当。実務に精通した視点から、アルムナイコミュニティの円滑な運営とイベント企画を支える。

  • 三井ホーム株式会社の大久保菜々子さんのポートレート写真
  • 大久保 菜々子さん 三井ホーム株式会社 人事部 人材開発グループ

    2021年新卒入社。関西エリアにて注文住宅の営業職として、モデルハウス運営やグループ会社連携を通じた受注活動に従事。25年に人事部へ異動。キャリア採用や研修制度の企画・運営、アルムナイ向けのコンテンツ発信を担当している。

Q. 自然発生的な「再雇用」はあった中で、なぜ今、あえてコミュニティ化に踏み切ったのでしょうか?

加藤さん: 当社では以前から、年間で2〜3名ほどは元社員が戻ってくる、いわゆる「カムバック採用」が自然発生していました。とはいえ、それはあくまで本人からの自発的なアクションによるもので、仕組み化されたものではなかったのです。

しかし、採用環境が厳しさを増す中でも採用計画を達成するため、さまざまな採用手法を取り入れていく中で、カムバック採用も「待ち」の姿勢ではなく、こちらから積極的に打って出る手法が必要だと考えました。

三井ホーム株式会社の加藤卓郎さんのポートレート写真

特に、設計や工事といった専門スキルの高い技術職層は、中途採用市場でも非常に獲得競争が激しい領域です。当社の文化、業務フローを理解した方を採用することで教育コストを抑えつつ、他社を経験したからこそ分かる当社の良さを打ち出すことで、仕組みとしてアプローチできないかと考え、アルムナイ採用に乗り出しました。

水本さん: 以前も退職者向けにお手紙を送るなどの試行錯誤はあったようですが、継続的な運用には至っていませんでした。世の中的にもアルムナイ採用の有効性が語られるようになり、システムを導入して「制度」としてしっかり運用していくという企画が立ち上がり、コミュニティに踏み切ったという形です。

Q. 数あるサービスの中から、YELLoopを導入されるに至った決め手は何だったのでしょうか?

加藤さん: 実は、最初は別の会社さんからもご提案をいただいていました。そこはアルムナイ同士の横のつながりの活性化に強みを持つサービスでした。ただ、導入を検討し始めた当時の私たちは、「退職者同士の結び付きが強まることによる影響が読み切れない」という不安を少なからず抱えていたのです。

結果的には杞憂に終わりましたが、以前から取引があり信頼関係のあったマイナビさんにこうした旨を相談したところ、ご提案いただいたのがYELLoopでした。

大久保さん: YELLoopは、会社とアルムナイが1対1でつながるスモールスタートが可能で、私たちの当時の懸念に寄り添った柔軟な設計が魅力的でした。

三井ホーム株式会社の大久保菜々子さんのポートレート写真

コストメリットもさることながら、担当者の方が「まずは会社からの情報提供を中心に始め、横のつながりは次のステップとして考えても良い」と、私たちのペースに合わせた伴走サポートを約束してくださったことが、大きな安心材料になりました。

Q. 導入当初、社内では「退職を助長する」という懸念もあったそうですが、どう乗り越えたのですか?

加藤さん: はい。当初は「いつでも戻ってきていいですよ」と伝えることが、安易な離職につながらないかという不安がありました。しかし、運用を続ける中で、退職理由は仕事内容の変更や家庭の事情などが大半であり、制度があるから辞めるという人はほとんどいないことが実体験として分かってきたのです。

そんな折、大きな転換点がありました。当社の社長が「アルムナイ採用をさらに伸ばそう」と強いメッセージを発信したのです。トップがその価値を認めたことで、人事としても自信を持って施策をオープンにできるようになりました。

水本さん: トップの後押しもあり、キャリア採用サイトに「元社員の方はこちら」という専用バナーを設置してアルムナイサイトに誘導したり、現役社員に対しても仲の良い退職者に案内してもらうよう、われわれから周知できたりするようになりました。

三井ホーム株式会社の水本将樹さんのポートレート写真

大久保さん: 人事から一斉メールを送るよりも、当時一緒に働いていた現役社員からの口コミの方が、アルムナイの方々の反応が圧倒的に良いというノウハウも、マイナビの伴走サポートの中で教えていただきました。今では社員の協力を得ながら、コミュニティを広げています。

Q. 「会社が変わった」ことを実感してもらうために、どのようなコンテンツ発信を意識されていますか?

水本さん: 「あなたが退職した時と、今はこんなに変わっていますよ」という変化を伝えることを最優先にしています。

例えば、以前の当社の営業スタイルは、一人の営業担当が初回打ち合わせから竣工まで全てに伴走する「一気通貫型」でした。しかし、現在はチーム制による「組織戦」へと移行し、ライフスタイルに合わせた働き方が可能になっています。

また、服装のカジュアル化や、最新のオフィス環境、一戸建て住宅以外の非住宅建築(施設など)の事例も発信し、仕事の拡がりも強みとして打ち出しています。

三井ホーム株式会社の木のぬくもりを感じさせる新オフィス内装
木のぬくもりを感じさせる新オフィス内装

大久保さん: 実際、記事への反応を見ていると、「会社が新しくなっている」と感じてもらえる内容が非常に人気ですね。特に、オフィスカジュアルの導入をきっかけに、満足度の向上と、上下間のコミュニケーションが円滑になったエピソードなどは、新しくなった当社の社風を象徴するコンテンツとして好評です。

加藤さん: コンテンツ制作では、人事部だけで完結せず、各部署への社内取材を徹底しています。現場のリアルな変化をリアルな言葉で届けることで、「またここで働いてみたい」と思ってもらえるような魅力を伝えています。

Q. 実際に運用されてみて、どのような手応えや成果を感じていらっしゃいますか?

加藤さん: 今年度は既にYELLoop登録者から3名の再入社が決まっており、確かな手応えを感じています。また、先日開催したオフィスツアーを含む交流イベントには、16名のアルムナイが集まってくれました。久々の再会に会話が弾み、そこから「最新の情報を知りたい」「また面談をしたい」という声も上がっています。

水本さん: イベントを終えて気付かされたのは、再雇用以外のメリットです。他業界で活躍するアルムナイとの間で新たなビジネス取引の可能性が生まれたほか、業務委託での協力、さらには知人の紹介など、アルムナイという新たなネットワークから生まれる交流の広がりは、想像以上の資産になると確信しました。

大久保さん: 現役社員にとっても、「一度外に出た人が戻りたくなるほど、自分たちの会社は魅力的なんだ」という再認識につながっており、社内エンゲージメント向上という副次的効果も生まれています。

Q. 今後、アルムナイコミュニティを通じてどのような組織・文化を創っていきたいとお考えですか?

大久保さん: 特に女性活躍の視点では、出産や育児などのライフイベントで一度現場を離れた方が、新しい制度の下で復職できる好事例を増やしていきたいです。30代前後の女性アルムナイに合わせた情報発信を強化し、若手社員にとっても「将来の多様なキャリアモデル」が見える組織を目指したいですね。

加藤さん: かつては退職者がネガティブに扱われるような空気もありましたが、これからは「外部で知見を広めてきたパートナー」として歓迎する文化を定着させたいですね。外の世界を知るアルムナイの視点は、当社の人的資本を豊かにする貴重なスパイスになると信じています。

水本さん: この制度が社内で当たり前のものとして認知され、アルムナイと現役社員が刺激し合える関係性がさらに広がっていけば、会社はもっと強くなるはずです。これからもマイナビとYELLoopのノウハウを活用しながら、お互いにとって価値あるコミュニティに育てていきたいと考えています。

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  • 人材採用・育成 更新日:2026/03/27
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