経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
1 s_saiyo_s05_s20260210120932 column_saiyo c_internshipc_knowhowc_shinsotsusaiyoauthor_organization_saponet

採用課題を解決する「インターンシップ振り返り」の極意。改善と再現性を生む4つの視点と現場連携のコツ

/news/news_file/file/thumbnail_s-column-311.webp 1

多くの企業が導入しているインターンシップ。しかし、その実施後に「振り返り」まで十分な時間を割けている担当者は決して多くありません。日々の採用業務に追われ、「学生の反応が良かったから」「手応えがあったから」と結果論だけで満足してしまい、翌年のプログラムが迷走してしまうケースも散見されます。

本記事では、マイナビでインターンシップ設計支援を担当する山本慶文にインタビュー。なぜ今、振り返りが重要なのか。忙しい中でもこれだけは押さえておくべき「4つの観点」や、アンケートの数値以上に重視すべき「学生との対話」など、次年度の成果を最大化するための具体的な手法を詳しく聞きました。

\そのまま使える!インターンシップ振り返り完全ガイド&アンケートフォーマットのダウンロードはこちら(会員限定・無料)/

  • 山本 慶文(やまもと よしふみ) 株式会社マイナビ
    コミュニケーションデザイン推進1課

    新卒採用におけるインターンシップの設計支援サービスの企画・推進に従事。企業の業種や規模を問わず、採用課題に即したインターンシップの設計から運用、振り返りまでをトータルでサポートしている。

結果が良くても「振り返り」は必須。その理由は“再現性”にあり

— インターンシップは準備から当日の運営まで、採用担当者にとって非常に負荷の高い施策であるため、「振り返り」はつい後回しになりがちです。やはり実施すべきなのでしょうか?

山本: おっしゃるとおり、現場は1年中忙しく、振り返る余裕がないという声はよく伺います。ですが、実施内容の吟味を行わないままでは、翌年以降に「再現性のある活動」を行うことが難しくなってしまいます。

— 「再現性」ですか。つまり、今年の結果が「偶然」なのか、「狙いどおり」なのかを判断しなくてはならない、ということですね。

山本: そうです。例えば、参加した学生が全員と、その後も継続してコミュニケーションを取ることができたとします。その時、「プログラムの内容が良かった」から成功したのか、それとも「インターンシップを実施しなくてもその後のステップで出会えていた層」がたまたま集まっただけなのか。この判断ができていないと、翌年、環境や学生の質が変わった際に対応できず、施策が迷走してしまう可能性があるんです。

— なるほど。成功した理由を構造的に理解してこそ、次年度も同じ成果を狙えるわけですね。

山本: そのとおりです。逆に、結果が芳しくなかったとしても、どこに原因(課題の設定ミスなのか、運営上の問題なのか)があったかを特定できていれば、それは貴重な「改善のヒント」になります。

何を記録に残すべきか? 振り返りの精度を高める「4つの観点」

パソコンを片手に考えている様子のサラリーマン

— 効率的に振り返るために、インターンシップ実施中にこれだけは記録しておくべき、というデータはありますか?

山本: 振り返りの観点は多岐にわたりますが、大きく分けて4つのポイントを意識して記録しておくのが良いでしょう。

スムーズに運用できたか:ワークの時間配分は適切だったか、社員や学生の負荷が大きすぎなかったか。

コンテンツの難易度:学生が自ら考え、挑戦できるレベルだったか。

学生の質:参加理由や熱意、事前知識のレベルは想定どおりだったか。

実施時期の適切さ:集客はスムーズだったか、その後も継続して学生とコミュニケーションを取りやすい時期だったか。

— 想像よりも詳細な項目ですね。学生へのアンケートは取っているという企業は多そうですが、それでは不十分なのでしょうか。

山本: アンケートももちろん重要ですが、実は点数の捉え方に注意が必要なんです。学生は全体的に高めの評価を付ける傾向があり、よほど悪いプログラムでない限りは4点や5点ばかりが並ぶことも少なくありません。

ですので、数値の絶対値に一喜一憂するよりも、「前年と比較してどうか」という相対的な視点や、自由回答の内容を重視すべきです。

— 自由回答では、どのような言葉が出てくれば「成功」と言えますか?

山本: 会社が伝えたかった「自社で働く意味」が、学生自身の言葉でつづられているかどうかです。単に「楽しかった」ではなく、実務のやりがいや社風をどう解釈したか。

一番良いのは、フィードバック面談などの機会を利用して、直接感想を聞くことです。学生との対話から得られた「手応え」こそが、最も信頼できるデータになります。

現場社員へのヒアリングが、コンテンツの質と協力体制を変える

— インターンシップには現場社員の協力も不可欠ですが、人事が現場の声を吸い上げる際に気を付けるべきことはありますか?

山本: 現場社員は通常業務の合間に協力してくれているため、人事が「丸投げ」の状態だと、負担感だけが残ってしまいます。だからこそ、実施後に現場へのヒアリングをしっかり行うことが、次年度の協力体制を築く鍵になります。

— 終了直後に聞くのがベストなのでしょうか。

山本: 終了直後は「やり切った」という達成感で盛り上がっている可能性があるので、少し時間を置いて(1〜2週間後など)、冷静になったタイミングで改めて話を聞くのも有効です。

「学生の反応を見て、仕事の面白さは伝わっていたと思うか」「どのワークが最も意義があったと感じるか」といった現場目線のフィードバックは、人事だけでは気付きにくい改善点の宝庫です。

— 現場と一緒に振り返ることで、社員の方々のモチベーションにもつながりそうですね。

山本: そうですね。「皆さんの協力のおかげで、学生からこんなポジティブな声がありました」と成果を共有することで、インターンシップが「人事の手伝い」から「自分たちの会社をよりよく知り、伝えるためのプロジェクト」へと意識が変わっていく。こうした関係性づくりも、振り返りの重要な役割の一つです。

「コスパ」を検証し、次年度のリソース配分を最適化する

パソコンを使いながら会議をしている様子

— 最終的な成果、つまりKPIはどう設定し、振り返ればよいでしょうか。

山本: 自社がインターンシップを行う「目的」に応じた結果を得られているかどうかを定量的に計ることが重要です。

例えば、インターンシップ後も継続してコミュニケーションを取ることができたか。仕事理解がしっかりと深められたか。友人などに自社のインターンシップを勧めてくれたか、など、目的に応じて定量的に計測可能な目標を定めます。

そうして数字を見ていくと、「この目的の達成には、実は会社説明会の方が向いていた」ということが分かったりするのです。
その場合は、リソースが大きくかかってしまうインターンシップの実施回数を減らして、空いたリソースを会社説明会に割り振るという判断ができます。

また、特定の施策との比較ではなく、かかっているリソースに対してインターンシップの成果が低すぎると感じるのであれば、オープン・カンパニーや仕事体験といったよりライトな施策に切り替えることで、リソースの配分を最適化できます。

— もちろん、インターンシップが十分に目的を達成できていると分かれば、他の施策を抑えてインターンシップにリソースをより大きくかける判断もできますね。

山本: そのとおりです。「インターンシップをなくしたら存在感がなくなってしまう気がするから今年もやろう」とか、「インターンシップは負担感が大きいから、なんとなく今年はやめておこう」という感覚的なリソース配分から脱して、合理的な判断ができるようになる。これは振り返りデータがあってこそ可能になります。

— 最後に、振り返りに悩む担当者へアドバイスをお願いします。

山本: インターンシップは、企業と学生が深く向き合う貴重な接点です。マイナビでは、単なる設計だけでなく、実施後のデータ分析や次年度に向けた改善提案までトータルでサポートしています。自社の魅力を正しく届け、確実な成果につなげるために、ぜひ「振り返り」を単なる作業ではなく、戦略的な一歩として捉えてみてください。

インターンシップの「コスパ」を見極める

定番施策となったインターンシップ。だからこそ、振り返りによって来年度以降の戦略を合理的に決定していくためにも、振り返りは重要です。
インターンシップの振り返りで重要なポイントをまとめると、以下の3点に集約されます。

「再現性」への意識:成功の要因がコンテンツなのか、学生の属性なのかを吟味し、翌年も成果を狙える仕組みをつくる

定性データの重視:アンケートの点数だけでなく、学生が「自社で働く意味」を自分の言葉で語れているか、対話から本質を探る

現場との双方向コミュニケーション:現場社員への適切なフィードバックとヒアリングが、次年度のコンテンツ改善と協力体制の強化に直結する

まずは直近に行ったインターンシップの振り返りから始めてみてください。きっと、新たな視点が得られるはずです。

\そのまま使える!インターンシップ振り返り完全ガイド&アンケートフォーマットのダウンロードはこちら(会員限定・無料)/

HUMAN CAPITALサポネットについて

採用・育成・組織戦略ご担当者さまの課題に寄り添う、 マイナビの情報メディア「HUMAN CAPITAL サポネット」。
採用戦略や手法の好事例、学生や求職者とのコミュニケーション設計、採用・選考における基本ルールやノウハウ、人材定着と組織の生産性向上を視野に入れた研修・育成、現場での事例紹介まで、さまざまな課題やお悩みに寄り添うコラム、セミナー、市場調査データなどをお届けしてまいります。
また、会員登録していただくと採用・育成に役立つ資料や、調査データのダウンロードが可能となりますので、ぜひご登録ください。

会員登録はこちら
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

    新卒・中途採用ご担当者さま、経営者さま、さらには面接や育成に関わるすべてのビジネスパーソンに向けた、採用・育成・組織戦略のヒントが満載の情報メディアです。HR領域に強いマイナビだからこそお伝えできるお役立ち情報を発信しています。

  • 人材採用・育成 更新日:2026/02/13
  • いま注目のテーマ

  • ログイン

    ログインすると、採用に便利な資料をご覧いただけます。

    ログイン
  • 新規会員登録

    会員登録がまだの方はこちら。

    新規会員登録

関連記事