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構造化面接の本質を押さえて、自社が求める人材を見極める 現場で使える“ハイブリッド面接”のポイントと方法

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「この学生、いい子だったな」——面接後の振り返りで、そんな曖昧な印象だけが残ることはないでしょうか。

新卒採用における選考では、基本的に実績や実務経歴がまったくない学生の「ポテンシャル」を評価することがほとんどです。
それはつまり、入社したらどう活躍するだろうか、どのように成長し、事業にとってどのようなインパクトを与えてくれる人材になるだろうか…… と予測をベースにした評価をするということ。

この難易度の高さから、面接官の“勘”や“好み”に頼らざるを得ず、評価のばら付きが生じてしまったり、印象評価だけで終わったりしてしまうケースも少なくありません。そんな課題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こうした課題を解決する手法として注目されているのが、「構造化面接」です。
質問内容や評価基準をあらかじめ定めて面接を「構造化」し、その構造をなぞることで誰が面接をしても一定の基準で評価できるため、均質に多くの学生を正しく面接することができます。

では、いまの新卒採用において構造化面接をどのように取り入れ、活用していけば良いのでしょうか。本記事では、採用・育成の現場を熟知するマイナビの田口弘毅に、構造化面接の本質と、導入にあたっての“最適なバランス”について伺いました。

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  • 株式会社マイナビ 教育研修事業部 事業推進統括部 HR推進部 田口弘毅氏の写真
  • 田口弘毅 株式会社マイナビ 教育研修事業部 事業推進統括部 HR推進部

    2010年にマイナビに入社後、採用・人材開発・組織開発のコンサルティング業務に従事する傍ら、マーケティングや営業推進などの責任者を歴任。
    近年ではHR Trend Labの主席研究員なども務め、執筆や講演活動も行っている。

採用のばら付きを防ぐ“構造化面接”とは

机の上で書類を前にした人物がペンを持ち、向かい合う人物と話している様子

— 近年、採用領域で話題に上がることの多い「構造化面接」ですが、いったいどういったものなのでしょうか。

田口: 構造化面接とは簡単に言うと、一定の評価基準・質問項目に沿って面接を行っていくことで、主に面接の客観性・再現性を担保する意図で活用されます。

面接官の好みで結果が左右されてしまい、選考通過者のタイプに偏りが生じている場合や、同時期に多数の面接を行う必要があり、採用面接が本業ではない現場社員が面接官として対応する場合は、一定の構造化を取り入れることが有効でしょう。

また、現在は学生のAI活用によってエントリーシートが均質化され、面接でないと見極めが難しい局面があります。それに伴い、全体の面接数が増えていったり、見極めの質の向上が求められたりする傾向にあり、現在人事だけで面接を行っている企業についても、現場社員のアサインや見極めに有効な質問の精査を行っていかなければならないかもしれません。

— 現場社員が面接の対応をする場面は、中途採用ではよく見受けられます。新卒採用において特に構造化が必要な理由は何でしょうか。

田口: それは、新卒採用が持つ「見極めの難しさ」に由来しています。中途採用の場合、現場社員は基本的に自分の部署で受け入れる前提で候補者を面接するケースが多いのではないでしょうか。さらに評価材料もスキルや経験、実績と豊富にあります。
現場社員はその材料を使いながら質問を展開し、自部署で活躍できる人材かどうかを見極めていくため、評価基準や聞くべき質問は比較的設定しやすいものです。

一方で新卒採用の場合、現場社員は配属先も分からない、未経験者である学生の可能性を会社目線で見極めていくことになります。これは面接慣れしていない現場社員にとっては非常に難しいことで、どうしても一定の基準が必要になります。

構造化面接によって会社としての評価基準や、それを測る質問が言語化されることで、候補者間の比較もしやすくなります。また、質問が明確になることで面接の透明化が進み、昨今より配慮が必要とされるコンプライアンスリスクなども軽減できるでしょう。

質問の統一が目的ではない 構造化面接の真の価値とは

— 構造化面接というと質問の統一化のイメージが強いですが、本来は「選考の基準を統一する」ということなのですね。

田口: そのとおりです。構造化面接とは評価基準の統一化であり、アウトプットとしての共通質問は、その基準が最終的に表出したものと捉えると良いでしょう。

となると、構造化面接の核となるのは人材要件です。まずは会社としてどんな人材が欲しいのか、そのために採用時点ではどのような人を採るべきかを決めた上で、その求める人物を見極めるための質問項目を考えていくという設計プロセスになります。

確かに、「構造化面接」はキーワードとして認知されてきましたが、まだまだ質問の統一に目が向いているケースも多く見受けられます。先ほどのプロセスで触れたとおり、面接が始まる直前に「面接を構造化したい」と思っても、人材要件が曖昧な場合は間に合わないこともあるのです。

— 他にも、構造化面接というと、「会話が機械的になってしまう」「動機付けに弱い」というネガティブなイメージもあります。

田口: 会話が機械的になってしまう原因の多くは、現場社員への理解をはじめとした運用のケアが足りないことに由来します。

構造化面接は、設計すること自体がゴールではありません。面接の現場できちんと機能させてこそ、導入の効果があります。しかし、面接官が「統一した質問をすること」だけを構造化面接の本質だと認識している場合、確かに面接は紋切り型になるでしょうし、目線も「見極め」に寄ってしまうでしょう。人を強みにしている企業では、現場社員からの抵抗もあるかもしれません。

構造化面接を導入するのであれば、なぜ導入したのか、それぞれの質問の意図は何か、設問設定の検討の中でどんなプロセスを経たのかを丁寧に説明し、現場社員に理解してもらう必要があるのです。実際に、こうした構造化の意図を腹落ちさせるための面接官トレーニングも存在するほどです。

こうした理解を得るための取り組みには、時間も労力もかかります。だからこそ、定期的に人事と現場社員が採用に対する目線をそろえる機会を持ち、良好な関係を構築しておくことが必要でしょう。

— そこまでして現場社員に理解してもらえた先に、どのような展開が望めるのでしょうか。

田口: 面接官が構造化面接の意図に腹落ちすれば、面接官自身の言葉で構造化面接を行っていける土壌が整います。その後の面接官トレーニングでも、さらに高度な内容を行っていくことが可能でしょう。少なくとも、評価の基準やそれを引き出す方法についての理解はあるので、学生への印象形成やフォローのスキルアップに注力できるほか、機械的な面接にならないためのロールプレイに使うのも有効です。

さらにもう一つ提案したいのが、「評価基準を使ったフィードバックによる学生への動機付け」です。面接官が会社としての評価基準を理解することで、それを学生の特性に照らし合わせながら、自社の評価基準にマッチする点や意識すべきポイントを具体的にフィードバックできるようになります。こうしたフィードバックは、学生の志望度を大きく高める効果が期待できます。

構造化面接は面接官を「縛る」ためのものではなく、「生かす」ための手法であり、構造化面接の目的は「人を同じ物差しで測ること」ではなく「人の違いを同じ基準で『理解する』こと」です。この本質が理解できれば、構造化面接のメリットを最大限生かしていくことができるでしょう。

企業の数だけある構造化の形 自社に合った始め方を

オフィスでノートパソコンと書類を使ったビジネスミーティングの様子

— 得られる本質的なメリットについてよく理解できました。一方で理想の設計運用に対しては、工数の負担も気になるところです。

田口: そうですね。構造化の比率を高めるほど設計も緻密さが求められますし、運用の負担や難易度も上がっていきます。
ここまで構造化のお話を中心にしてきましたが、個人的には面接のすべてを無理に構造化する必要はないと考えています。それは工数の観点以上に、「非構造化面接」でしか出せないメリットが確かに存在するからです。

あの面接官だから出せる切り口・引きつける力・評価の視点……そういったものには、構造化面接では実現できない力があります。また、学生からの対策もされにくく、その企業を彩る個性として学生の印象にも残ります。

ですから、構造化・非構造化それぞれのいいところを戦略的にハイブリッド活用する「半構造化」をお勧めしたいのです。

— それは具体的に、どのようなやり方があるのでしょうか。

田口: いくつか方法の例をご紹介しましょう。例えば「最初の15分は構造化された質問を行い、後半15分では面接官の裁量に任せた自由な質問をする」というふうに時間で分ける方法があります。

これなら、前半ではしっかりと自社の見極め基準に基づいて構造化された質問ができ、後半では面接官ならではの視点で質問を投げ掛けていくことができます。

また、構造化面接の評価シートの横に、「印象に残った点」「その人の“らしさ”」といった、構造化面接では取りこぼしがちな要素を書き込むスペースを設けるのも良いでしょう。評価の際には、この部分もきちんと考慮に入れます。

他にも、「NG基準だけは構造化によって見抜く」という方法を取る企業もあります。これは「こういう人材だけは絶対に採らない」という明確なNG基準を設け、それに該当するかを構造化面接によって見抜く方法です。これであれば、NG項目以外の部分は従来どおりの「非構造化面接」で見ることができます。

半構造化の最適なやり方や比率は、会社によってさまざまだと思います。自社の面接官の顔ぶれや現場での運用イメージなどを考えながら、最も機能する方法を探っていくのが良いでしょう。

— 自社の面接を大きく変えることなく、アップデートする選択肢もあるのですね。他にも、構造化の最初の一歩として始められることがあれば、ぜひ教えてください。

田口: 人材要件から落とし込んでいくことが大変なのであれば、まずは面接で聞いていることを洗い出していく中で、「みんながどんな視点で何を見極めようとしていたのか」を明らかにし、共通点を探っていくこともお勧めです。
現場社員の面接に同席したり、人事内でどんな質問をしているかを話し合ってみたりするのも良いでしょう。

面接の構造化・非構造化は二元論ではありません。それぞれの本質を理解し、ぜひ自社に合った方法から始めてみてください。

— 本日はありがとうございました!

まずは、自社の面接をさまざまな観点から見つめてみよう

構造化面接の真の価値は、「同じ基準で学生を見て、一人ひとりの違いを的確に把握する」ことにあります。

逆に言えば、それが可能なら「完全な構造化」にこだわる必要はなく、一部を構造化する、構造化された中にも非構造的な部分を残す、といった方法でも十分に機能するのです。

大切なのは、言葉にとらわれることなく、構造化/非構造化それぞれの本質を把握し、現場で最も機能する形に落とし込むこと。これを機に自社の面接を見つめ直し、あるべき姿について、ぜひ話し合ってみてはいかがでしょうか。

また、サポネットでは面接時に学生のエピソードを的確に深掘りするための実践ガイドもご用意しました。学生の行動特性を理解するのに有効な「STARモデル」を事例付きで紹介しているので、ぜひご覧ください。

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  • 人材採用・育成 更新日:2025/11/14
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