2027年卒 新卒採用市場動向報告【セミナーレポート】
企業の採用活動の動き
27年卒の採用予定数について、「増やす」とする企業は前年より減少し、「減らす」とする企業が増加したものの、「増やす」が「減らす」を依然として上回っており、企業の採用意欲は引き続き高い水準です。
また、採用数を増やした・前年並みとした理由の最多は、「若手人材の確保」です。採用数を減らした理由の最多は「前年採用でき、充足してきたため」でした。「AIによる業務代替」を理由に採用数を減らした企業も現れています。
— AIの普及はどう影響する?
AIの浸透が、今後の新卒採用に与える影響が気になっている方も多いのではないでしょうか。
企業を対象に調査したところ、多くの企業が「採用数は変わらない」と回答しており、AIによって新卒採用そのものが大きく変わるという見方はまだ限定的です。背景には、新卒採用を「将来を担う人材の長期育成」の取り組みとして捉えている企業が多いことがあります。依然として、企業の新卒採用意欲は高い状態が続くことが予想されます。
— 早期の接点づくりが定着
こうした状況を受け、学生との早期の接点づくりが活発化しています。低学年向けのキャリア教育について、現時点で取り組んでいる企業は14.2%と、まだ一部にとどまっている一方で、今後実施を検討している企業も一定数あります。早い段階から学生との接点を持つことへの関心が高まっていると言えそうです。
企業が早期の接点づくりに注力する理由としては、「自社や業界の魅力を早い段階で学生に知ってもらえる」「学生の自社や業界への認知度が上がる」など、企業側のメリットが大きいことが挙げられます。インターンシップ等のキャリアプログラム参加学生のうち、「10割が選考に参加した」とする企業の割合は、他の実施タイプと比べてインターンシップ(タイプ3・4)が最も高くなっています。
応募数だけでなく、学生とのマッチング面でも変化が見られます。特にインターンシップなどを実施している企業において、「採用したいと思う学生が多い」とする企業の割合は、実施していない企業に比べて高くなっています。早い段階から学生と接点を持つことで企業理解が深まり、より自社に合った学生と出会いやすくなっていると考えられます。
こうした取り組みの差は、採用充足率にも如実に表れています。インターンシップ等を実施した企業のうち、充足率が5割以上の企業は51.9%で、実施していない企業との差は25.5ポイントに及びます。
早期の接点づくりに励む企業が増える一方で、現在企業が感じている課題の最多は「母集団の不足」で66.9%。「選考受験者の不足」「合同企業説明会での集客」も上位に挙がり、多くの企業が採用の入り口となる学生接点づくりに課題を抱えていることが分かります。
待遇改善は「引き上げて当たり前」の時代に
こうした状況や物価高を鑑みて、初任給を引き上げる企業が増加しています。27年卒で初任給を引き上げた企業は89.1%に上り、2年以上連続で引き上げている企業も64.5%と、基本的な取り組みの一つになっています。
初任給以外にも、各種ベネフィットや住宅支援、休暇制度など、制度面でのアピールが広がっています。
ただし、初任給を上げれば学生が集まるわけではなく、学生自身は「平均的な金額であれば、他の条件が希望通りであることを優先する」という考えが最多です。他の条件として特に人気なのは、「希望する勤務地や職種で働けること」です。待遇面だけではなく、働き方や仕事内容を含めた総合的な魅力の発信が重要になっていると言えるでしょう。
27年卒学生の就職活動動向
— インターンシップ参加は「当たり前」に
それでは、次に27年卒学生の動向を見ていきましょう。インターンシップ等のキャリア形成プログラムへの参加率は85.6%と高水準です。1人当たりの平均参加社数は、オープン・カンパニー、キャリア教育が最多の5.7社となっています。参加目的は「企業理解を深めること」「自分に合う企業の確認」が上位です。
最も良い印象を持った企業について、「働きたい」と考える学生は約9割に上り、理由は「やりたい仕事ができるから」「社風が自分に合っているから」が上位です。仕事内容や自分との適合性を、接点の中で具体的に伝えることが志望度向上のポイントと言えます。
— 内々定率・活動量は前年並みで推移
6月末時点の内々定率は81.2%と、前年をわずかに下回りますが、おおむね前年並みの結果となりました。一方で文系と理系には進捗(しんちょく)に差があります。文系は3月頃まで前年を上回るペースで推移していますが、6月末時点では前年を下回る結果になっています。
一方で理系は前年を上回る高水準で推移し、早期の内々定取得が続く傾向にあります。
内々定保有者数(1人当たり)は1.8社で、前年並み(文系1.9社、理系1.6社)。内々定を保有しながらも活動を続ける学生の継続率は37.8%(前年をやや上回る)で、文系46.1%、理系24.9%と、属性差が大きく出ています。
— 内々定を得てから入社を決めるまでの動き
入社予定先企業から内々定を得た時期、入社意思を固めたタイミングにも、文理で違いがあります。また、入社予定先企業に対する志望度が高まったタイミングも、違いがありました。
文理それぞれの、入社先企業を決めるまでの動き。それを踏まえて、企業がいつ、どんなタイミングで何を伝えるべきかについては、セミナー本編でご紹介しています。ぜひご視聴ください。
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— AI時代の学生の価値観変化
AIの普及によって将来の働く環境に不安を感じたことがある学生は約8割に上り、「やりたい仕事がなくなるのでは」「採用数が減るのでは」といった不安を抱えていることが明らかになりました。
また、AIなどの新テクノロジーの登場が就職観に影響したとする学生は24年卒と比較してプラス16.9ポイント(pt)と、この3年で大きく増加していることも分かりました。
企業がAIをどう活用しているかを重視する学生も見られる一方、実際に説明している企業は14.3%にとどまり、学生のニーズと企業発信の間のギャップが大きいことも明らかになりました。
また、AIやWeb上の情報だけでは分からない情報として、学生が重視するのは「社員の人柄」が最多、次いで「自分に合っているか」「社風」でした。AI時代だからこそ「リアルな場で得られる情報の重要性が増している」と回答した学生は74.9%に上り、インターンシップやオープン・カンパニー、OB・OG訪問などを通じて、自分自身で企業との相性を確かめようとする傾向が強まっています。
背景には、高校入学時期からコロナ禍による休校・オンライン授業を経験し、その後も国際情勢の変化や物価高など社会環境の変化を経験してきた27年卒世代ならではの、「納得感を持って進路を決めたい」という意識の強さがあると考えられます。
これからの採用活動で意識したいポイント
学生の行動や企業選びの基準が大きく変化する中、これからの採用には、「集める採用」から「選ばれる採用」への転換が求められます。応募数を増やすだけでなく、学生が企業理解を深め志望度を高められるような採用活動への転換です。
— 採用充足率が高い企業に共通する特徴
調査からは、採用充足率が高い企業に共通する3つの取り組みが見えてきました。
- 学生との接点機会を複数設けている
- 若手社員も採用活動に関わっている
- 選考期間中も学生との接点を継続している
3つの取り組みの詳細について知りたい方は、ぜひセミナー本編をご覧ください。
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— AI時代に企業が提供すべき価値
学生の企業研究・情報収集におけるAI活用は、今後さらに一般化していくと考えられます。基本的な企業情報や制度面はAIで簡単に得られるようになるため、それだけでは他社との差別化が難しくなっていきます。
これから企業が提供すべき価値は、実際に働く人との接点や、仕事のリアルを感じられる体験です。社員の雰囲気や仕事への向き合い方を知り、自分が働くイメージを持てるかどうか
——こうしたリアルな体験を通じて、学生は「この会社で働きたい」という気持ちを形成していきます。
— 自社の採用活動を見直す視点
次年度のために行っていただきたいのが、採用活動の振り返りです。既に実施されている企業も多いかと思いますが、その際、採用人数や内定承諾数といった最終結果だけを見ていませんか?
重要なのは、応募から内定承諾までの各プロセスを見ることで、どの段階で学生との接点が弱くなっているのか、どこで離脱が発生しているのかを見極めることです。
まずは採用充足率が高い企業の歩留まりや取り組みと、自社の採用活動を照らし合わせてみましょう。その上で、どこに自社の強みがあるか、その伝え方に改善の余地がありそうかを確認してみてください。課題を明確にした上で、改善インパクトの大きいポイントから一つずつ取り組んでいくことが大切です。
まとめ
企業の魅力は、規模や知名度だけで決まるものではありません。仕事を通じて社会に価値を提供していること、そこで働く社員が仕事に向き合っていること。その一つひとつが、その企業ならではの魅力になります。
大切なのは、他社と比較して足りないものを探すのではなく、自社だからこそ伝えられる魅力に目を向け、それを学生に伝わる形で届けていくことです。それこそが、これからの「選ばれる採用」につながっていきます。
自社の魅力の言語化や、伝え方のプランニングなどでお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にマイナビまでお問い合わせください。アイデア出しの段階からお手伝いいたします。
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- 人材採用・育成 更新日:2026/09/30
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