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新卒採用、まず何から?を整理する入門セミナーレポート

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本記事は、2026年4月にマイナビが開催した「2027年卒 市場動向報告会」にてお話しした内容をもとに構成しています。

「市場動向報告会」は、株式会社マイナビが例年4月と7月に開催している、新卒採用市場や学生動向の変化を解説するセミナーです。例年、多くの企業の人事担当の方にご視聴いただいており、採用戦略を考える上での情報収集の場としてご活用いただいています。

今回は、当社で中小・大手企業さまの新卒採用支援を手掛ける礒﨑拓真が、1.なぜ新卒採用が重要なのか、2.最新の学生動向はどうなっているか、3.採用の流れをどう組み立てるか、4.まず何から手を着けるべきか、の4つのテーマを解説します。

1点だけ先にお伝えしたいことがあります。本記事は、「まず自社で何からできそうか」という視点で、ぜひ読み進めてください。お伝えするアドバイスを全て考慮して「最初から完璧を目指す」のではなく、できるところから着手するというスタンスで取り組んでいただくことをお勧めします。

直面した課題や市場動向に合わせて、毎年少しずつブラッシュアップしていきましょう。

  • 礒﨑 拓真 株式会社マイナビ
    キャリアデザイン事業本部 就職東京営業統括本部5部 部長

    2017年、株式会社マイナビにキャリア入社。4年間、神奈川県全域の新卒採用支援業務に従事。21年より東京本社勤務、24年より現職。中小企業・大手企業の、母集団形成から入社後支援までを含む、新卒採用領域全般の支援に携わる。

1. なぜ新卒採用が重要なのか

新卒採用の4つの特徴

新卒採用には、他の採用手法にはない以下の4つの特徴があります。

① 母集団が一定規模を保っている
少子化が進む中でも大学への進学率は上昇しており、採用対象となる大学生の母集団は一定規模を保っています。直近のデータでは大学卒業者が1年間で約58万人、そのうち就職者は約45万人(77%)です。また新卒採用は毎年ほぼ同じスケジュールで就職活動が動くため、学生が企業を探すタイミングに合わせて広報施策を強化しやすいという特徴もあります。

② スキルよりもポテンシャルを重視
採用企業に「人材を見極める際に何を重視するか」を尋ねた調査でも、カルチャーフィット・人柄・コミュニケーション能力など「ポテンシャル」に関わる要素が上位に並びます。「業務で必要なスキルを獲得する意欲」を重視する企業が多く、今すぐスキルがなくても採用対象になり得る点が中途採用との大きな違いです。

③ 組織文化へ適応しやすい
社会人経験のない状態から自社で育成するため、組織文化になじみやすく、結果として事業運営もしやすくなります。

④ 人材ポートフォリオが設計しやすい
毎年継続して採用することで、年齢をはじめとした組織構成員のバランスを永続的に保つことができます。2040年には全人口の約35%が65歳以上になると予測されており、将来の労働力不足に備えた若手確保という観点でも新卒採用は重要な経営課題です。

企業が新卒採用を実施する理由

マイナビの調査によると、新卒採用を行う理由の1位は、「組織の存続と強化(活性化)」(62.0%)、2位が「年齢など人員構成の適正化」(58.4%)でした。採用予定数の決定要因でも「従業員の年齢構成」が52.2%と最多です。

つまり、新卒採用は単なる人員補充ではなく、会社の未来をつくる採用手法として位置付けられているといえるでしょう。

一方で、新卒採用の重要性を認識しながらも、実際には社内理解や予算確保の壁に直面する企業も少なくありません。

礒﨑は、昨年から新卒採用を始めることに成功した担当先企業さまの例を紹介しています。「採用担当者の方は、今回お伝えしたような中長期視点での重要性を根拠に社内を説得し、ようやく動き出すことができました。こういった企業さまは少なくありません」と話します。

2. 最新の学生動向(2027年卒)

就職活動のスケジュール

政府指針では、広報活動解禁が3月1日、選考活動解禁が6月1日とされています。

ただし実態としては、採用活動・就職活動の進め方は多様化しています。学生がいつ動くのか、他社がいつ動くのかを踏まえたスケジュール設計が重要です。

学生の就職活動は大きく、以下の4ステップで進みます。

準備・エントリー(キャリア軸の整理、気になる企業へのエントリー)

キャリア形成活動・説明会参加(インターンシップ、オープン・カンパニー、説明会参加)

選考応募・参加(エントリーシート提出、Webテスト、面接)

内々定・承諾(内定承諾書提出)

インターンシップなどの参加状況

インターンシップなどキャリア形成プログラムへの参加率は、85.6%と高水準を維持しています(27年卒)。プログラム別の平均参加社数は、オープン・カンパニー&キャリア教育が最多で5.7社でした。

インターンシップは選考や人数制限があるため参加できない学生も多く、より気軽に参加できるオープン・カンパニーが多く活用されています。

初回参加の時期は7〜8月の夏季休暇が全体の44.5%と中心ですが、4〜5月の参加も昨年から2〜3ポイント上昇しており、早期化の傾向がうかがえます。

参加目的は、「特定の企業をよく知るため」「特定の企業が自分に合うかを確かめるため」が上位。単なる情報収集ではなく、自分に合う企業かどうかを見極める場として活用されています。

また、最も良い印象を持った企業で、「働きたいと思った」と答えた学生は89.6%。インターンシップでの良い体験が入社意欲に直結しています。

礒﨑は、「担当している企業さまでは、オープン・カンパニーとして業界研究会や先輩社員座談会などを開催しています。業界研究会では業界全体の説明から今後の展望をお話しいただき、先輩社員座談会では、会社説明会後に先輩社員の働き方やキャリアについての話を聞いてもらう構成にしています。学生の参加ハードルが低い上、企業側も就業体験が必須でない分、運営工数を抑えることが可能です。まずはこのような短期のプログラムから始めてみては」と話します。

エントリー・セミナー・面接の活動量

エントリー数・面接回数は前年とおおむね同水準で推移している一方、セミナー参加数は前年比-1.3社とやや鈍化しています。

この結果から、志望度の高い企業を絞り込んで効率的に活動する傾向が見られます。

内々定状況

3月末時点の内々定保有率は58.7%(前年比+4.1ポイント)と、過去最多を記録しました。

一方、内々定取得後も活動を継続する学生の割合は、3月末時点で76.2%と前年とほぼ同水準で、引き続き多くの学生が就職活動を続けています。

活動継続者が就職活動をいつまで続けるかでは、「6月が区切り」と答える割合が最多。ただし、文系を中心に6月以降も比較検討が続く傾向があります。

3. 新卒採用の流れ―4つのフェーズ

新卒採用は、「計画」「出会い」「見極め」「内定・フォロー」の4フェーズで構成されます。

① 計画

広報活動解禁となる3月から動き出せるよう、その前に採用ターゲットとスケジュールを確定させることが重要です。

採用基準の設定
採用基準を設ける目的は2つです。1つは、「応募者の適正な評価」です。面接官の主観によって評価がぶれることを防ぎます。もう1つは、「雇用ミスマッチの防止」です。活躍できる人材を定義して採用し、早期離職を防止します。現場や経営層へのヒアリングを行い、全社的な統一基準を言語化しましょう。

採用人数の設定
採用人数を決めることで、確保すべき母集団の規模が推測できます。注意点は2つです。
・ 内定出し人数≠入社人数
辞退されることを見越して、多めに内定を出しましょう。
・ 初年度は採用人数を低めに設定し、管理し切れる範囲を目指す
最初から採用人数を多く設定すると、高度な工夫が必要となる上に、管理が行き届かなくなる恐れがあります。

採用スケジュールの設計
内定式となる10月までの採用終了を目標にする企業が多いようです。広報→選考→内定出しを1クールとして、採用人数に達するまで繰り返しましょう。

② 出会い

まずは、「新卒採用を実施していること」を学生に認知させることがスタート地点です。広く母集団を形成するために、学生が企業発見のために活用している就職情報サイトやインターンシップで接点を設けておきましょう。

就職情報サイト
マイナビ2027の掲載企業数は、過去最多の3万1,360社。学生は就職情報サイトを通じて企業を検索・発見し、エントリーへとつなげます。設定や見せ方によって接点の持ち方が大きく変わるため、掲載内容の工夫が重要です。

インターンシップ、オープン・カンパニー
企業・学生ともにインターンシップを実施している割合が多く、早期接触だけでなく、入社意欲向上にも効果的です。

25年卒以降、キャリア形成支援活動は4タイプに分類されました。

初年度からインターンシップを目指すのではなく、まずはオープン・カンパニーやキャリア教育など、開催ハードルの低いプログラムから着手するのがお勧めです。実施例としては、「業界研究会」「先輩社員座談会」などがあります。

③ 見極め

選考では「多数の応募者を相対比較する」のではなく、「自社独自の採用基準に対する適否」で判断することが重要です。

面接で注視する要素として多く挙げられるのは、コミュニケーション能力・明るさ・人当たりの良さ・職場の雰囲気への適合性など。これらは1回の面接だけで判断するのが難しいため、2回以上の面接設定や複数名での複眼評価が一般的です。

グループディスカッションやグループワークを取り入れると、面接だけでは測りにくい学生の人となりを確認できます。

採用工数の削減やマッチ度を高めたい場合は、キャリアアドバイザーが事前に面談した学生を紹介する「新卒紹介サービス」の活用も有効です。

礒﨑は、「初年度は就職情報サイトと新卒紹介の両方を導入し、紹介は応募意欲の調整まで済んだ学生に絞って対応することで、工数を抑えながら母集団形成を実現した事例があります。選考フェーズは、施策のイメージが持ちにくい部分でもあるため、選考に割ける人数なども考慮しながら、一緒にフローを構築していきましょう」と話します。

④ 内定・フォロー

内定後も学生はさまざまな情報に触れ、不安になりやすい時期です。継続的な接点創出が内定辞退防止のカギになります。

企業が効果的と感じた施策の1位は、「内定者懇親会」(59.6%)。学生が希望する内定者フォローも、内定式・対面での懇親会・対面での社内見学など、対面でのコミュニケーションが上位に並びます。

入社までに「学びの機会」を設けることも重要で、集合研修(対面)を希望する学生は64.0%に上ります。OJTに加えて、ビジネスマナー研修などの事前研修を用意することで先輩社員の負担軽減にもつながります。

学びの機会を設計することは、入社までに学生の意識を切り替えるといった意味で、育成観点においても有効です。マイナビの研修サービスでは、新卒社員向けの研修だけでなく、新卒採用に関わる既存社員向けに、面接官研修やリクルーター研修などもご用意しています。

4. 最初に決めるべき3つのこと

新卒採用を始める際に、最低限最初に整理すべきことは、以下の3つです。

① 採用したい人物像
ヒアリングとデータの双方から、人物像を具体化します。
ヒアリング:必ず満たすべき要件と、できれば備えていてほしい要件を区別して、配属先・経営層に確認する
データ:既存社員・活躍しているメンバーに適性テストを受験してもらい、客観的な合格ラインを設定する
どちらか一方だけでなく、双方から確認することがポイントです。

② 伝える情報の整理
学生に自社の魅力が伝わらない原因の多くは、「魅力が整理できていない」か「伝え方が設計されていない」ことです。次の3ステップで魅力を言語化しましょう。

Step 1:事実を整理する
会社の考え方・事業内容・仕事特性・制度・人や風土に切り分けて整理しましょう。

Step 2:事実を魅力に転換する
事実に「だから」をつなげて魅力へ転換しましょう。 例:「ルート営業が中心」→「だから一度受け持った企業を長く担当できる」→「だから顧客と関係構築がしやすい」

Step 3:競合と同列化・差別化を整理する
競合と同じ土俵での比較(同列化)と、自社だけの魅力(差別化)を両方整理することで、強みも弱みも把握できます。

礒﨑は、「自社に魅力がないのではないかと考えてしまう企業さまや、魅力は伝えているはずだと思い込んでしまう企業さまが多くいらっしゃいます。例えばルート営業が中心という事実も、『だから長く担当顧客と関係構築しやすい』という魅力に転換できます。こういったステップで整理すると、営業職に苦手意識を持つ学生にもアピールできるポイントが生まれてくるんです」と話します。

③ 学生との接点
予算・工数・採用ターゲットに合わせて手法を選択します。

初年度に陥りやすいポイントと対処法

初年度の新卒採用で多い失敗パターンと、その対処法を整理します。

陥りやすいパターン 対処法
最初から完璧を目指し、全ての施策を一通り実施しようとする コントロールできる工数の範囲で、ターゲット学生に出会える広報を選ぶ
大手にならって長期インターンシップから計画する まずオープン・カンパニーなど短期間のプログラムで早期接触を狙う
採用担当者のみで実施しようとする 採用担当のみで取り組まず、社内外に協力を仰ぐ

初年度はスモールスタートで実施し、その施策の効果と採用実績を照らし合わせ、翌年度の採用設計に生かしていきましょう。

礒﨑は「一番陥りやすいのは、最初から完璧を目指してしまうこと。採用スケジュールを意識するあまり、『施策を全て一通り実施しないと』と思い、マンパワー不足になってしまうケースが多いです。大手にならって長期インターンシップを計画してしまったり、採用担当者だけで完結しようとして施策が回らなくなったりする失敗談もよく聞きます。初年度で重要なのは、無理のない範囲でできることから着手すること。まずは初年度を走り切ることを目標にしてください」と語ります。

まとめ

新卒採用を実施するに当たって、初めから完璧な準備ができている企業はほぼいません。社内外に協力を仰ぎ、まずは初年度を走り切ることを目標に計画を立てましょう。

そして、採用の困り事やご相談がありましたら、ぜひマイナビにお問い合わせください。予算や担当者の人数なども考慮して、一緒に採用計画を検討いたします。また、同業他社の事例を参考に、掲載内容のブラッシュアップや時期別に実施すべき候補施策の例をご提案することも可能です。貴社の未来を担う新卒採用を、私たちと一緒に成功させましょう。

本レポートでは、セミナー内容のポイントを抜粋してご紹介しています。

より詳しいデータや解説をご覧になりたい方は、当日使用した講演資料をダウンロードいただけます。採用活動の振り返りや今後の施策検討にぜひお役立てください。

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  • 人材採用・育成 更新日:2026/07/02
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