【2026年版】介護法人の採用担当者が知っておきたい、介護業界の最新転職動向【介護職採用シリーズ _vol.17】
マイナビでは、毎年、直近1年間に転職活動をした20代~50代の男女を対象に、アンケート調査を実施しています。最新版である2025年の調査結果によると、対象者に「転職活動に対するスタンス」を聞いたところ、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職では「必ず転職したい」と答えた人が33.3%と、全職種のなかでもっとも高い割合でした。また、対象者全体の回答結果を見ると、男女ともに年齢が若いほど「必ず転職したい」の割合が高くなっています。これらのデータからは、医療・福祉系職種の転職者は比較的、他職種の転職者に比べると転職活動の本気度が高いこと、業種にかかわらず若い世代ほど活動への本気度が高いことがうかがえます。
また、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職が「希望している(いた)職種」は、「医療・福祉」が72.9%。他職種と比べると、同業種を目指す人の割合がかなり高めです。介護職には資格を持っている人が多いという事情もあり、もともと同業種への転職者が多い傾向があります。20代でもすでに介護職員初任者研修を取得している人は多く、それを活かしてより条件の良い職場に転職しようとするのが一般的です。
※出典:マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」(2025年7月調査)
2026年度は、介護法人にとって、同業種への転職意向が高い若年層(介護業界経験のある20代〜30代人材)を採用するチャンスといえるでしょう。 同業種を目指す経験者は、「より良い条件・職場環境」を求めて転職活動を行います。まずは条件・環境面をできる限り整えたうえで、この層に向けた情報発信や候補者対応に力を入れることが大切です。
たとえば、法人内に20代~30代の職員が多い場合、求人広告や採用サイトに平均年齢のデータや年齢分布図などを載せると、未経験者も含めた若手人材へのアピールになります。若手職員の写真やインタビュー記事、20代や30代でユニットリーダーをしているといったモデルケースを掲載するのもよいでしょう。ただし、求人票で年齢を記載する際には、法令や利用している媒体のガイドラインに則り、年齢を制限するのではなく、あくまで求める人材像として表現する必要があります。
加えて面接では、「あなたの前職の経験をこのように活かせる」「このタイミングで次のステップが見えてくる」というように、応募者が入職後の自身の活躍をイメージできる情報を伝えましょう。
ただし、介護業界では法人間の人材獲得競争が激しいため、中途採用では、他業種出身の未経験者もターゲットに加えないとなかなか採用人数は増えません。もちろん、未経験の学生をターゲットにした新卒採用も選択肢の一つです。これまで中途採用をメインに採用活動を行ってきた法人は、ぜひ新卒採用も検討してみるのはいかがでしょうか。新卒採用の始め方やポイントについては、下記の記事を参考になさってください。
前出の調査によると、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職の「転職活動理由」は、「職場の人間関係に不満があった」が32.9%で、対象者全体の回答率(22.2%)より10.7pt高くなっています。「転職活動時の不安」についても、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職では「転職先で良い人間関係を築けるか」が48.1%で、全体(36.7%)より11.4pt高く、全職種のうちもっとも高い水準です。介護業界を含む医療・福祉業界では人間関係の悩みで転職する人がとくに多く、職場選びではほかのポイントよりも人間関係を重視する傾向があることが読みとれます。
※出典:マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」(2025年7月調査)
「職場の人間関係」を重視する求職者に自法人を選んでもらうには、人間関係の良さを伝える工夫が不可欠です。ただし、求人広告に「当法人は人間関係が良好です」と書いても、その言葉だけで信じてはもらえません。
まず実践したいのが、求人広告に、幅広い世代の職員複数人が笑顔で写っている写真を掲載することです。写真一枚で職員同士の関係性や職場の雰囲気を視覚的に伝えられる、比較的手軽で効果の高い工夫といえます。
「業務内容」欄には、業務内容自体の説明に加えて、「チーム内で協力し合って業務にあたります」「他職種とも連携して仕事を進めます」のように、「チーム」「連携」などの言葉を含む文章を盛り込むと、職員同士のつながりやチームワークの良さをさりげなく伝えることができます。
職員へのインタビュー記事を掲載して、「悩んだときに先輩がこんなアドバイスしてくれた」「休憩時間に同僚とこんな話をしている」といったエピソードを紹介するのも効果的です。複数人のインタビューや座談会形式の記事にすると、より職場の雰囲気や関係性が伝わります。
合同就職説明会(以下、合説)のプレゼンの場で、採用担当者と若手職員が和やかなムードでプレゼンして見せるのも有効な方法です。合説への若手職員の参加は、若い世代の求職者に対するアピールにもなります。
ほかに、カギとなるのが、応募者が見学や面接で施設を訪れた際の職員の対応や態度です。職員が応募者を無視して通り過ぎれば、人間関係の良くない職場だと思われかねません。採用担当者以外の職員が採用の重要性を理解して、応募者に「こんにちは」としっかりあいさつすることで、人間関係が良好でオープンな雰囲気の職場だという印象を与えることができます。
上位には、将来の備えや収入アップにつながる施策が目立ちます。近年、日本では原材料費や輸入コストの上昇による物価高が続いています。ランキング結果には、生活が良くなる見通しが立たないなかで、少しでも多く生活費を確保したいという転職者の心理が表れていると考えられます。
なお、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職では「副業・兼業制度」の回答率は25.7%と、対象者全体の回答率(18.0%)より7.7pt高い結果となっています。「副業有無・意向」を聞いた調査でも、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職では「副業の経験がある」39.5%、「現在副業をしている」31.4%、「転職先選びで副業ができるかは重要」56.2%と、他職種に比べ高い水準でした。
一方、「副業をしている理由」は、「本業の収入が不十分のため」がもっとも多く、回答率も69.7%とほかの理由に大差をつけています。これらのデータからは、医療・福祉職には「副業OK」な転職先を求める傾向が見られるものの、給与額が十分であればそもそも副業をする必要はないともいえます。
※出典:マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」(2025年7月調査)
「転職活動で利用したサービス」を聞いた調査では、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職は1位が「転職サイト」(44.8%)、2位が「求人検索エンジン」(36.7%)でした。回答率に違いはありますが、ほかのいずれの職種も1位は「転職サイト」、2位は「求人検索エンジン」でした。一方、「医療・福祉・保育・教育・通訳」職では、「ダイレクトリクルーティング」が8.6%と、他職種と比べて比較的低いという特徴が見られます。
医療・福祉業界ではダイレクトリクルーティングが他業界ほど普及していないという背景もあり、医療・福祉職は、自身で求人情報を見比べて転職先を選ぶのが一般的です。つまり、求人情報の重要性は他業界以上に高いといえます。
※出典:マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」(2025年7月調査)
求人情報における介護施設の特徴や業務内容の説明文は、何も意識せずに書くと、同じサービス形態の他法人と似たような文面になりがちです。膨大な求人情報のなかから求職者に目をとめてもらうには、施設の特徴、職員同士の人間関係、入職後の働き方が伝わる表現を用いて、他法人と差別化することが非常に重要です。
たとえば、東京都の八王子市、町田市で事業を展開する「社会福祉法人 みずき福祉会」は、職場の環境整備、採用広報の両面で他法人との差別化に成功している法人の一つです。求人票では、時間単位で取得できる有給制度や子育て中の職員の急な欠勤・早退へのフォロー体制があり、ライフワークバランスのとれた働き方ができるという同法人ならではの魅力を効果的に打ち出しています。
- 人材採用・育成 更新日:2026/02/18
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