経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
0 20251027162031 column_saiyo c_researchreportc_kigyouresearchc_shinsotsusaiyoauthor_organization_mynavi_hrresearch

新卒採用担当者のマンパワー不足。「採用担当者が握るべき業務」と「社内で分担すべき業務」とは?

/news/news_file/file/A54976_【コラム】新卒採用担当者のマンパワー不足.png 1
多くの企業が内定式を実施する10月も終わり、26年卒の採用活動は一旦落ち着いた、という企業も多いかと思います。しかし、年が明ければ26年卒の入社に向けた準備が始まり、27年卒を対象にしたインターンシップや仕事体験も行われているため、多くの企業で、次年度の採用に向けた動きを同時進行しなければならない状況が発生しています。
ここで、下のグラフ【図1】をご覧ください。【図1】は、新卒採用の広報・選考以外の業務について、社内のどの部署が担当しているかを調査したグラフです。
ほとんどの業務で「新卒採用部門が担当」と回答している企業が多く、「インターンシップ・仕事体験」のように次年度の学生(27年卒)を対象とした業務や、「内定者フォロー」「内定者研修」のように今年度の学生(26年卒)を対象とした業務、さらに「新入社員研修」「新入社員懇親会・オリエンテーション」のように、すでに入社した社員(25年卒)を対象とした業務まで、時期によっては3つの卒年の業務を並行して対応せざるを得ず、混乱してしまうこともあるかもしれません。
図1:新卒採用の広報・選考活動以外の業務を担当している部署 / マイナビ2025年卒企業新卒内定状況調査
3つの卒年を同時に対応しなければならないことから、多くの企業で新卒採用担当のマンパワー不足が問題となっています。調査によると、4割超の企業がマンパワー不足を「非常に感じる」と回答し、「やや感じる」を合わせると全体の7割近くに達します【図2】。
それにもかかわらず、16年卒では1社あたり2.1人だった新卒採用の専任担当者数は、25年卒では0.7人にまで減少しており、約10年で3分の1になっています【図3】。 売り手市場で採用が難しい状況の中で、採用部門の人員が大きく減少しているのは非常に悩ましい問題です。
図2:新卒採用担当のマンパワーを感じるか/マイナビ2025年卒企業新卒内定状況調査
図3:新卒採用専任担当者数(平均)/マイナビ2025年卒企業新卒内定状況調査
次に、新卒採用における各工程の負担感を調査した結果を見てみましょう【図4】。
「非常に負担を感じている」と「どちらかというと負担を感じている」の割合が多い業務を見ると、インターンシップ・仕事体験ではプログラム作成>当日の運営>参加学生の後日フォロー>参加学生の情報管理の順に負担感が強い結果となっています。説明会でもほぼ同様の傾向です。
面接では、協力社員の依頼・アサイン>実施>参加学生の後日フォローの順に負担を感じる企業が多くなっています。
新卒採用の専任担当者が1社に0.7人という「ワンオペ採用」の状況では、こうした負担の大きい業務を、他部署や現場社員の協力のもとで分担していかないと、採用活動を円滑に進めることは難しいでしょう。
図4:採用活動の各工程の負担感/マイナビ2025年卒企業新卒内定状況調査
マンパワー不足の状況では、新卒採用部門以外の部署や現場社員の協力が欠かせません。下のグラフ【図5】は、人事以外の現場社員がどのような採用業務に関わっているかを調査したものです。
もっとも多いのは「インターンシップ・仕事体験の企画・運営」です。学生に就労体験を提供する場であるため、こうしたシーンでは現場社員の協力が不可欠です。そのほか、「内定者フォロー」「面接官・実質的な選考」「学内セミナーや就職イベントへの登壇」などへの協力も多く見られます。
図5:人事以外の現場社員の採用業務への参画状況/マイナビ2026年卒企業新卒採用活動調査
【図4】『採用活動の各工程の負担感』を見ると、インターンシップ・仕事体験では「プログラム作成」や「当日の運営」で特に負担を感じている担当者が多い結果となっています。一方で、現場社員が最も多く関わっているのもこの「企画・運営」の工程であり、負担は大きいながらも他部署の協力を得ながら進められている様子が見て取れます。
「面接官・実質的な選考」も同様で、面接における「協力社員の依頼・アサイン」や「実施」などは採用担当者の負担が大きいものの、人事以外の現場社員も面接官として協力していることがうかがえます。
つまり、採用担当者の負担が大きく、部署や現場社員の協力が手薄な業務を明らかにし、その分担をうまく進められれば、マンパワー不足の解消に一歩近づく可能性があります。
この点を踏まえ、インターンシップと同様に業務負担が大きいとされている説明会の「プログラム作成」や「当日の運営」について見てみます。人事以外の現場社員の協力状況をみると、「個別説明会の企画・運営(23.7%)」は、「インターンシップ・仕事体験の企画・運営(40.2%)」に比べると協力が手薄な印象です。つまり、説明会の企画・運営には、まだ他部署の協力を得る余地があると考えられます。
個別説明会に関しては、現場社員の協力があるインターンシップ・仕事体験に比べて、「採用担当者が説明すれば十分」と無意識に思い込んでいる可能性があります。しかし、説明会の企画・運営にも他部署が協力し、採用・現場の両方の視点でプログラムを検討することは、学生の理解を深めるだけでなく、採用担当者の負担軽減にも大きく寄与するでしょう。
なお、「参加学生の後日フォロー」は、インターンシップ・仕事体験、説明会、面接のいずれにおいても採用担当者の負担が大きくなっています。これは他部署に任せづらい部分かもしれません。フォロー担当が都度バラバラになるのは学生にとって望ましくないため、この部分は採用担当者が中心となって対応する方がよいと言えます。
今回のコラムでは、新卒採用におけるマンパワー不足の現状と、具体的に負担になっている業務、さらに他部署の協力状況を整理しました。もちろん、データで語れるのはあくまで全体感に過ぎません。
年が明けると、3月には27年卒採用が本格化し、4月には26年卒が入社し新入社員研修なども続きます。売り手市場が続く新卒採用市場では、限られた人的リソースを有効活用するため、採用業務を採用部門だけで行うのではなく、全社で分担することが重要です。こうした「全社採用」の司令塔こそ、採用担当者は意識していく必要があるでしょう。
  • Organization 株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

    株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

    雇用や労働に関連する様々な調査データやレポートを通じて、雇用の在り方や個人のキャリアを考える上で役立つ情報を発信します。

  • 人材採用・育成 更新日:2025/10/31
  • いま注目のテーマ

  • ログイン

    ログインすると、採用に便利な資料をご覧いただけます。

    ログイン
  • 新規会員登録

    会員登録がまだの方はこちら。

    新規会員登録

関連記事