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人生100年時代におけるミドルシニアの就労事情

    ここ数年、人生100年時代というワードを耳にすることが多くなりました。改めてライフプランを検討するにあたり、65歳に定年を迎えるとして、その後35年もある人生を考えると、年金だけでは心許なく感じられ、再就職やセカンドキャリアを考える40代以上の方々も多いのではないでしょうか。そこで今回は、いつもの新卒に関するコラムとは少し毛色を変えて、ミドルシニア※1の就労事情についてまとめてみたいと思います。
※1ここではミドルシニアを40代以上の就労者として記載させていただきます。

 

<年代別の就労人口>

    先ずは現在の就労人口を性別及び正規雇用・非正規雇用の分類で見てみましょう。2018年の労働力調査によると就労人口5,596万人の内、45歳以上の就労人口は正規・非正規併せて2,710万人となり、就労人口全体の48.4%を占めています。少子高齢化の日本国内において、今後この割合は益々上昇することが予想されます。正規雇用は1,498万人で、非正規雇用の1,212万人よりやや多く、性別で比較すると、男性の正規雇用数が非正規雇用を大幅に上回る一方で、女性は非正規雇用が正規雇用を上回るなど、男女でその割合が大きく異なる事がわかります。特に男性の非正規雇用における65歳以上の人口が最も多くなっており、定年を迎えた後に非正規雇用に移行していることがわかります。

 

 

<企業のミドルシニアに対する雇用ニーズ>

    続いて、弊社が企業担当者に調査した「中途採用業務の実績調査」からミドルシニア層の雇用ニーズを確認してみましょう。こちらの調査では20代~60代以上まで10歳区切りで直近3年間に中途採用実績があったかどうかを調査しています。その結果、「正社員として雇用」した実績が最も高かったのは30代で74.4%でした。ミドルシニア層をみてみると、40代は52.8%と半数を超える企業で採用実績があり、転職における上限年齢が上がったと感じる結果が出ています。一方、50代は28.7%、60代以上では11.8%と一気に減少し、50代から上年代における正社員での転職は狭き門となっていることがわかります。続いて、「正社員以外として雇用」(非正規雇用)の割合を見ると、各年代とも2~3割となっており、あまり年齢に左右されない傾向がみられます。但し60代以上になると、「正社員以外の雇用」が「正社員の雇用」を上回る結果となっており、空前の人手不足ではあるものの、定年後の再雇用を含め、60代以上における雇用の受け皿は非正規雇用の割合が高まる事は間違いないようです。

 

 

<年代別の雇用理由>

    そこでミドルシニア層の各年代別に正社員を採用する理由を比較してみたいと思います。同調査におけるミドルシニアの正社員での採用実績がある企業に採用理由を聞いてみると、どの年代でも「年齢は関係ない」という回答が3割程度あり、年齢不問の企業が一定数存在していることがわかります。この回答以外で上位理由として挙げられたのは「豊富な経験」や「専門性の高さ」となっており、いずれもこれまでの経験を重視する傾向が表れています。年代で差が出たのは「様々な環境に対応できる」と「定着が期待できる」で、特に40代は10年以上の勤務継続が期待できので、その期待値も含めて高くなっていると思われます。60代以上の場合は「幅広い人脈、対人関係能力が高い」といった経験の延長線上にある成果が期待されている一方で、「給与を安く抑えられる」とする回答が高く、定年後の再雇用を前提とした回答が多く見られました。

 

 次に正社員以外の採用理由もみてみましょう。正社員と比較すると、「豊富な経験」や「専門性の高さ」が求められている事に変わりはありませんが、正社員と比較すると其々5~10pt程低くなっており、期待値がさほど高くないことがわかります。代わりに「給与を安く抑えられる」が正社員より高く、経験よりも人員補充や人件費抑制を目的とした採用であることがわかります。。

 

<ミドルシニア層以降のキャリアについて>

    ここまでをまとめると、以前よりも正社員の転職における年齢上限は引き上げられた感はあるものの、50代以降は依然厳しい状況が続いており、非正規の雇用が中心であることが見えてきました。このような環境下で、ミドルシニア層はどのように自分のキャリアを検討すべきでしょうか。40代は特に前半において、まだ市場価値が高い状況が続いています。自身のスキルと経験を棚卸しする事で、場合によっては新天地を求めて転職する選択肢もあると思います。気をつけたいのは、何を求めて転職するかです。仕事のやりがいや新たな経験を求めて転職するなら良いのですが、年収向上を求めて転職する場合は、年代が上がるごとに年収が下がる傾向があることに留意してください。弊社の「転職動向調査」によると、40代男性の場合、年収が上がった人の割合が29.0%に対して、下がった人の割合が19.4%と上がった人の割合が10pt程上回っていますが、50代男性なると逆に10pt程下回る結果となっています。
50代以降の場合、経験と専門性がよほど高くないと、納得の行く転職は厳しくなります。その為にも今のうちに、自身の専門分野の市場価値が高いかどうかを見極める必要があります。例えばプログラミングやデータ分析といった分野は希少性もあって市場価値が高いものの、営業やマネジメントの分野は経験者も多く希少性が低い為、突出した実績を持っていない限り、市場価値を認めてもらえない場合があります。改めて現状のスキルと経験では足りないと判断した場合、新たなスキルや経験を求めて活動する事をお勧めします。社内においては、これまでの職域に安寧とするのではなく、社内プロジェクトや新規事業の協力など、これまでとは異なる領域に目を向けるだけでも得るものがあると思います。結果、更なる専門知識が必要と感じたのであれば、外部講習の受験や大学での学び直し、社外ネットワークを広げるなど、自身の研鑽の場を増やしていくと良いのではないでしょうか。いずれにせよ、定年以降のキャリアを考えた場合、企業の雇用ニーズに見合ったスキルの獲得が重要である事は間違いありません。

<最後に>

    企業においても、ミドルシニア層のキャリアは大きな課題です。バブル期に入社したボリューム層が55歳の役職定年をむかえる中、ポスト不足も相まって、モチベーションの上がらないシニア社員が増加しているといったレポートも多く発表されています。この世代を活性化するために、一部の企業では自社の社員に対して再雇用制度や役職定年制度の廃止、スキルアップ支援を無償提供するなど、様々な取り組みを行っています。また、政府が推進している副業やパラレルワークといった多様な環境も用意されつつあります。冒頭の就労人口構成比をみても、ミドルシニア層の活性化が、若年労働人口の減少や年金問題といった様々な課題を解決するひとつの施策になることは十分考えられます。人手不足の一施策として、新卒採用以外にシニア層の人材活用を検討してみるのはいかがでしょうか。