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止まらないオンライン採用の流れ ―インターンシップはどうなる?

株式会社マイナビ 総合企画営業統括本部 統括本部長 久保潤一郎

コロナ禍によって、望むと望まざるとにかかわらず訪れた「オンライン採用」の波。22年卒の採用が本格始動するなか、気になるのがインターンシップです。

活発な議論や丁寧なフィードバックが学生の満足度に直結するため、会社説明会や選考面接よりもオンライン化が難しいと考えている方が多いと思います。そこで、22年卒のインターンシップを考える一助になればと、多くの企業さまの採用活動を支援する総合企画営業統括本部 統括本部長の久保に22年卒インターンシップの現状を聞きました。

プロフィール
久保潤一郎
株式会社マイナビ 総合企画営業統括本部 統括本部長

2006年に毎⽇コミュニケーションズ(現:マイナビ)⼊社。入社以来、一貫して新卒採用事業に関わり、営業、企画推進部門を担当。17年より現職。国内大手企業を中心とした営業部門にて、自ら企業案件に携わりながら、チームマネジメントや新卒市場における新たなソリューションの検討にも従事している。

引き続き、企業・学生双方からのニーズが高いインターンシップ

― 久保さん、今日はよろしくお願いします。まずは、21年卒インターンシップの市場を踏まえて、現在の状況についてお聞かせください。

久保: はい、よろしくお願いします。まず、企業におけるインターンシップの重要度は21年卒と変わらずに高いですね。マイナビの最新の調べによると、21年卒では92.4%の学生がインターンシップに応募し、85.3%もの学生が実際に参加しています。さらに、その数字の実態としては、やはり就職意識の高い優秀な学生が多い。となると、企業と学生の接点としての重要度は非常に高いと言えます。

また、インターンシップは早期の接触機会が持てるということだけではなく、夏から冬にかけて継続的にコミュニケーションをとるきっかけになるため、「企業理解の促進」や「働くイメージの醸成」という点でも効果が高いと考えられます。

そのため、企業側は22年卒でも21年卒と同じように重要施策の一つと見ています。

― 企業側が採用効果に高い期待を抱いている一方、学生へのアンケートでは実際にその企業を志望するかどうかは別として、「業界理解」や「自己理解・自己成長」の場としてもインターンシップを捉えているようです。この2つは同時に実現可能なのでしょうか。

久保: はい。22年卒の学生も、21年卒と同じようにインターンシップを重要な機会だと捉えているのですが、企業が考えている以上に参加するインターンシップをフラットに選択しています。この期待に寄り添えていないと、企業側にとっても思ったような効果は望めませんので、そこは学生側のニーズにきちんと応えていくべきだと考えます。

キモは「フォロー」。効果の高いインターンシップを実施するには?

― とはいえ、やはりコストをかけて行うわけですし、インターンシップを通じて自社に少しでも興味を持ってほしいと考える企業もあって当然と思えますが…。

久保:要するに、「いつ・どこで」自社に興味を持ってもらいたいか、と考えることが大事なのではないでしょうか。学生側は自己成長の機会としてインターンシップを利用しているので、インターンシップの過程で社員が明らかに評価していることが分かると落胆されてしまいます。まずは学生のニーズに応え、業界と自社について理解を促すコンテンツをきちんと設けるという基本を守ることが結果的に自社への好感を生むのだと思います。

また、今年は長期休暇の日程が変則的になるなど、学事日程の変更が多く、マイナビにお問い合わせいただくことも多かったですね。そういった学生側のスケジュールにきちんと対応してあげるのも重要だと思います。

― 業界理解の手助けと、学事日程への細かな配慮が重要なんですね。他にはどうでしょうか。

久保: インターンシップそのものと同じくらい重要なのが、インターンシップ後のフォローです。学生からの質問にきちんと答え、自社からの情報発信も継続して行っていく。そうしないと忘れられてしまいます。

逆に言えば、きちんとフォローを続ければ学生から自社への興味を途切れさせることなく、採用母集団の拡大を期待できるでしょう。

― フォローという点では、インターンシップの抽選から落とした学生へのフォローも重要かと思いますが、その点はどうでしょう。

久保: はい。せっかくインターンシップに応募したのに落とされた、という体験は学生が落胆する理由になり得ますし、そのまま放置してしまうと自社への評価も落ちてしまいますので、そのフォローは重要です。

例えば、あるメーカーは部門ごとに内容を変えて200以上のオンライン学習コースを用意し、参加できなかった学生へのフォローとしました。実際のグループワークに参加することはできなくとも、業界や自社について理解してもらう機会になりますし、このオンライン学習コースを通じて継続的なコミュニケーションをとることもできます。

― 今年はコロナ禍によってオンラインでのインターンシップ開催を考えている企業も多いと思います。その場合にも同様でしょうか?

久保: はい、同様です。ただ、オンラインのインターンシップを開催した場合、最初から最後までオンラインのみでつながっていくということになります。インターンシップの内容ももちろん重要ですが、一度も会っていない学生たちの興味を途切れさせない工夫は一段と必要になってくるでしょう。

対面していないので、質問を送りにくいと考える学生もいると思います。なので、企業側から積極的に問い掛けを続けるのもいいですよね。「接続の質」をどのように保ち続けるか、今年は例年以上に気を遣うことになると思います。

22年卒インターンシップ。オンライン化は進む?

― 実際のところ、インターンシップを含めた採用活動をオンラインへ切り替える動きは進んでいるのでしょうか。

久保: 21年卒の採用活動は、採用広報解禁のタイミングでオンライン化が必須になりました。これは意図したものではなく、コロナ禍による社会情勢がそうさせたと言っていいと思いますが、成果もあったようです。

例えば、1次・2次の初期スクリーニングはオンラインでも全く問題なく、むしろ効率的という声も多く聞かれます。22年卒でも継続する企業が多いでしょう。

一方で、インターンシップについてはグループワークや現場受け入れ(職場体験)をコンテンツの中心に置いている企業が多いので、オンラインでの実施を前向きに捉えている企業は多くはないと思います。

― とはいえ、社会の情勢はオンライン化を求めているのではないでしょうか。

久保: はい。学生側もオフラインでの体験を価値として捉えているとは思うのですが、今の情勢では難しいですね。

実際、22年卒のインターンシップはすでに第1クールの受付を締め切りましたが、やはり多くがオンラインでの開催を前提としているようです。また、第2クール、さらに今年冬までを見通しても、コロナウイルスの感染拡大を受け、オンラインでの開催が中心となっているのが実情です。

― オフラインならではの体験価値や効果を踏まえても、今の情勢でオフラインのインターンシップは現実的ではありませんね。

久保: そうですね。慣れない中で苦労されている企業も多いようですが、まだ22年卒のインターンシップは始まったばかりです。夏インターンシップが終わったころに振り返りをして、オンラインで自社理解をどこまで促進できるのか、対面型で感じさせていた雰囲気を別の形でどう伝えられるかを考えるきっかけになると思います。

いずれにせよ、インターンシップを実施するにあたって最も大切なことが「ターゲットは誰なのか」「彼らがどういう状態になれば成功なのか」「自社の何を知ってほしいのか」「どうすれば関心を持ち続けてくれるのか」といった基本であることには変わりありません。
これまでオフラインでの開催が大前提だったインターンシップが、少なくとも今年度についてはオンラインでの実施が必須になったことで、この基本を今一度確認して明確にしようという潮流が生まれれば何よりです。

― 今日はありがとうございました!

久保: ありがとうございます。

インターンシップは「コミュニケーションのきっかけ」

インターンシップはコストも手間もかかるもの。しかし、企業として学生に「業界理解」と「自己成長」の機会を提供することの大切さは、読者の皆さんも考えていらっしゃることだと思います。

学生側の視点に立った準備と企画、そしてインターンシップを「採用活動の初手」と捉えずに「コミュニケーションのきっかけ」と捉えて、その後のフォローを重視することが大切なようです。

コロナ禍で採用のオンライン化が進むなか、このことを念頭にインターンシップのコンテンツだけでなく学生とのコミュニケーション全体を考えるべきなのかもしれません。