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どうする?オンライン採用広報。2021年卒採用の傾向から見るポイントとは

はじめての新卒採用 株式会社伊太利亜飯店華婦里蝶座

採用広報解禁の3月を直撃した、新型コロナウイルス。感染拡大を防ぐため、多くの企業で採用広報活動のオンライン移行が不可避となりました。

この状況を予見して準備をしていたという企業はないように、学生側もオンラインへの備えができないまま、就職活動期間へ突入しています。そんな不透明な環境下、いますべきオンライン採用広報のポイントとコツについて、株式会社マイナビ 事業推進統括事業部 事業部長の林俊夫に話を聞いてみました。

プロフィール
株式会社マイナビ
事業推進統括事業部 事業部長 林 俊夫

2005年、毎日コミュニケーションズ(現・株式会社マイナビ)に入社。以後、一貫して新卒採用事業に関わる。17年より現職。事業戦略の策定から就職情報サイト「マイナビ」をはじめとした各種サービスの企画、マーケティングから人材育成まで幅広く担当している。

2021年卒採用における新型コロナウイルスの影響は?

― 21年卒採用における新型コロナウイルスの影響をどのように見ていますか?

林: まず、当たり前のことですが、企業と学生の対面接触が圧倒的に減少しましたね。合同企業説明会も軒並み中止で、例年どおりの動きでは企業と初めてコミュニケーションをとるのが面接の場になってしまう可能性も懸念される状況でした。

そこで、マイナビとしてもWEBセミナー、WEB面接の普及拡大を推進し、多くの企業と学生さんがこれを利用してくださっています。

― 現在の状況において、WEBセミナーのメリットはどのように出ていますか?

林: 学生側にとっては移動の時間的・金銭的コストが大きく低減してメリットが大きく出ていますね。場所を問わないので、移動の時間に別の説明会を受講することもできます。極端な話、九州と北海道の企業説明会を同日に視聴することも容易です。

これは、そのまま企業側のメリットにもなります。地理的な問題や、志望度によってこれまでは会社説明会に来てくれなかった学生たちも集めやすくなりました。

さらに企業にとって大きなメリットとなるのが、中止リスクの低さです。限られた学生との接触機会が不測の事態によって中止せざるを得なくなるのは大きな損失でしたが、オンラインではそのリスクを最小化できます。

― デメリットについてはどうでしょうか。

林: 同時期に面接を受けている、同期になるかもしれない学生たちと一度も会わないまま就職活動を終えるということもあるので、学生側には孤独感も募っているようです。

また、お互いに慣れない環境でコミュニケーションを重ねないといけませんし、中には一度も会わずに内定を出す企業もあるので、企業・学生の双方から「本当に良いマッチングをかなえられているのか」という不安の声も聞こえてきます。

結局、来年4月の入社までその答え合わせはできないわけなので、内定者との継続的なコミュニケーションでお互いのことをより良く理解する時間をとることが鍵となるでしょう。

広まるWEB企業説明会の流れ

― コロナ禍を経て、企業説明会のオンライン化はどの程度広がりましたか?
林:マイナビでは2011年からWEBセミナーを提供していますので、全国的に採用を行うような企業や、UIJターンを希望する学生を募集している企業を中心にコロナ禍以前もWEBセミナー利用は増加していました。昨年は150社ほどの規模でWEB合同説明会も開かれ、今年もその傾向が続いて前年比で180%まで伸びていました。

それが、コロナ禍を経てその他の企業にも広まったことで急増したということですね。おおよそ250%ほど増加しています。
個別のWEB企業説明会に至っては3,000社を越える企業に利用していただきました。

― 特にオンライン化が進んだ業界や地域、逆に変化が小さかった業界や地域はありましたか?

林: まず業界について言うと、大手メーカーやインフラ系の企業が先行してオンライン化していき、緊急事態宣言の発出後には業績面で影響の小さいEC系の小売業、IT・ソフトウエア系企業の割合が増えています。

地域で言えば、今年の2月下旬から3月下旬にかけて東京・大阪・神奈川・愛知など大都市圏でのオンライン採用活動が進み、3月中旬以降は全国各地にその動きが広がっていきました。逆に、地方ではコロナ禍の影響が小さかったため、地元の学生を多く採用する地場企業ではあまり変化が見られなかったようです。

採用フローの中での位置付けをはっきりと。WEBセミナーのポイント

― 急速な広まりを見せているWEBセミナーですが、実施の際のポイントなどがあれば教えて下さい。

林: まず、大きく分けて「LIVE型」と「録画型」がありますが、この使い分けが重要です。

例えば、質疑応答を交えながら熱量を持って学生に自社のことを伝えることのできるのがLIVE型のメリットです。一方で、大企業のように社内に多くの部門を抱えている場合、情報量が多いので録画型で学生自身が何を見るのかを選択できるようにすると親切ですよね。

中小企業においても、時期によってコンテンツを変えながら録画型のものを提供するといいと思います。採用シーズン初期には業界研究のヒントも含んだ広い話題のもの、後期には自社の仕事内容について具体的に解説したもの、というような流れが想定できますね。

― WEBセミナーをうまく活用している企業に共通する傾向などはありますか?

林:WEBセミナーの活用がうまくいっている企業では、予約受付・出席管理をきっちり行うことで学生を次のアクションへと導き、選考母集団の拡大に成功しています。

ただWEBセミナーを公開して「いつでもご覧ください」と置いておくだけでは効果は見込めません。採用フロー全体の中で、WEBセミナーがどんな役割をし、何につなげていくのかを明確にしていく必要があるということです。

そういったポイントもマイナビがアドバイスさせていただきますので、まずは弊社のサポートの下でWEBセミナーを行い、ノウハウを吸収して自社運用できる流れをつくることができるといいんじゃないでしょうか。

2022年卒の採用は「オンライン主軸」で「オフラインがプレミア化」

― 22年卒の採用において、オンライン化はどのように進むとお考えですか?

林: 21年卒の採用広報ピーク時に新型コロナウイルス感染が拡大し、合同説明会を含めてオフラインでの会社説明会は大部分が中止となりました。その翌年ですので、WEB説明会やWEB面接の準備をしない、という企業はほぼないでしょう。

全てオンラインへ移行しても採用が成功したという一部の大手企業においては、最終選考やOB・OG訪問といったプレミアムな場面を除いて全てオンラインに移行すると思われます。

そうでない企業でも、社会の状況に適応するためにオンラインを主軸としつつ、学生と直接会う機会がゼロにはならないよう、オフラインとオンラインの両方を準備しておくのではないでしょうか。

ただ、企業単独で数千名を集めるようなリアルイベントは、ほぼなくなると予測されています。

― 今年の状況を踏まえて、オフライン・オンラインの住み分けはどのようになると思いますか?

林: 企業も学生もオフラインでの出会いを求めています。WEBセミナーを視聴した学生2,000名にアンケートをしたところ、約8割の学生が「合同説明会に参加したい」「3密対策がされていれば合同説明会に参加したい」と回答しました。企業としてもオフラインの合同説明会は開催したいはずなので、22年卒ではオフラインイベントも一部復活すると思います。ただ、人数の制限などはしばらく続くでしょう。

そのような中で、直接接触の価値が非常に高まってプレミア化していくのではないかと感じています。21年卒では優秀な学生ほど効率的にWEBセミナーを利用する傾向にありましたが、22年卒ではそれが逆転して優秀な学生ほどプレミアムな機会であるオフラインの合同説明会に足を運ぶようになると予測しています。

企業側にとっても、学生側を「口説く」ようなフェーズではオフラインの方が高い効果を得られるでしょう。

― オンラインでは企業側にコストの低さというメリットがあったと思います。その上でもオフラインの機会はなくならないものでしょうか。

林: 確かに、会場代や紙パンフレットの制作費などが不要になるのでコスト的なメリットは非常に大きなものがあります。

でも、WEB合同説明会では、中小企業も大企業も全て横並びになってしまいますよね。中小企業にとっては、ここでどう抜きん出るかが課題で、その答えの一つが、オフラインなんです。頑張り次第で学生を集めることができますから。

実際、「2022年卒採用でも全てオンラインにするか」というアンケートに「はい」と回答した企業は1.4%だけでした。それだけ、オフラインがやっぱり大切だということでしょう。

オンライン採用はまだ2年目。基本を守って、しっかりと。

― 最後に、オンライン採用広報を導入、推進するにあたって企業が意識すべきことを教えて下さい。

林: コロナ禍によってオンライン化が否応なく進み、「WEBでは人物像が見えない」「WEBセミナーでは会社の雰囲気を伝えられない」などの感想を持つ企業は少なくありません。

でも、ほとんどの企業がオンラインでの採用広報や選考を始めてまだ1年です。5年後にも同じようなことを言っていられるかといえば、そうではないはず。目的を明確にして、オフラインでもオンラインでも説明会を開催することが大切です。

― ありがとうございました!

オフラインがプレミア化していく採用広報

いま、多くの企業でオンライン採用広報の実施が急速に推進されていると思いますが、学生との良いマッチングをかなえて価値のある採用をするという点はオフラインでもオンラインでも変わりません。

むしろ、22年卒からはオフラインがプレミア化していくという話からは、より幅広く、オンラインとオフラインを使い分けながら戦略的に採用広報を進められる環境が整ったともいえます。

慣れない環境での採用広報には苦労が付きものですが、いま一度、基本に返って戦略全体を見直すべき時なのかもしれません。