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大学生アスリートの採用を考える

元日の全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)、2日、3日の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)をご覧になった方も多いかと思います。
ニューイヤー駅伝には、学生時代に箱根路を走ったランナーも多く出場していました。
今年、箱根の復路で区間新を出したある大学選手はレース後のインタビューで「陸上人生10年間の練習は、今日のためだった。社会人では陸上を引退する。」とコメントしていました。
箱根路を走った大学生が、就職しても陸上を続けるわけではなく、ほとんどが、新たな路を歩むのでしょう。運動部所属の大学生は概ね同じように大学4年生競技を引退し一般的就職をします。
今回のコラムでは、学生アスリート(体育会系学生)の卒業後のキャリアについて考えてみたいと思います。

セカンドキャリアとデュアルキャリア

セカンドキャリア、デュアルキャリアという言葉をご存じでしょうか。今、アスリートのキャリアを考えるうえで耳にすることが多くなってきた言葉です。
従来、アスリートのキャリアといえば、大学競技を引退するセカンドキャリアが一般的でした。セカンドキャリアは在学中競技に集中できる環境が与えられるというメリットがある一方、卒業年まで競技を続けることで就職活動に費やす時間が取れないというデメリットもあります。
第一線で活躍し多くの人に注目されるようなアスリートであれば、引退後もその競技に関連した仕事で生活を十分維持できるでしょう。けれどそういう人は氷山の一角です。
大多数の学生アスリートは競技人生を続けられず、やむなく一般の学生と同様に就職活動を行う道を選んでいます。
彼らが就職後も競技を続けたいと考えた場合、デュアルキャリアという選択肢もここ数年で用意されるようになりました。
デュアルキャリアは「競技と学業」「競技と仕事」のように、現役競技者のうちから二重のキャリアを持って競技生活を送っていくことをいいます。競技者が競技引退後の生活や収入について、不安なく競技に集中できるということがメリットです。練習時間は減りますが、「業務は業務内にきっちり終わらせ、気持ちを切り替えて練習に臨む。」等、自己管理能力やタイムマネジメント能力を磨くと共に、競技引退後に当該企業で働き続ける基礎固めも可能になります。
学生アスリートが、セカンドキャリア、デュアルキャリアのどちらを選択するにしても、採用する企業があってこそです。企業の学生アスリートに対する採用状況はどうなっているのでしょうか。

体育会学生採用の現状

昨年「マイナビアスリートキャリア※」が企業向けに実施した「学生アスリート(体育会系学生)の採用に関するアンケート※※」から、学生アスリートの採用についてみてみます。

過去の学生アスリートの採用実績では、定期にせよ不定期にせよ学生アスリートを採用した実績がある企業は6割を超えています。(図1)また、過去に採用実績があった企業に、5年前と比較した「大学生アスリート」の採用ニーズについての変化を聞くと「「以前より高まっている」という回答が3割を超えており、5年前より学生アスリートの採用について意欲を見せる企業増えてきたようです。(図2)

 

図1:学生アスリートの採用実績

図2:学生アスリートの採用ニーズ

企業は学生アスリートの能力や資質についてどう捉えているのでしょうか。
学生アスリートと一般学生それぞれについて、能力や資質の項目を5点満点で平均を算出し比べてみました。(図3)
多くの項目において学生アスリートの能力や資質のほうが一般学生より高い結果となりました。「体力」や「上下関係」、「競争心」といった体育会のイメージが強い項目以外にも「失敗しても粘り強く取り組む力(主体性、働きかけ力、実行力)」、「チームで働く力(協調性、協働性)」、「ストレスに対処する力」などで一般学生より1ポイント以上平均値が高い結果出ています。この3つの項目はいずれも、経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」に関わる能力です。社会人基礎力は「職場や地域社会多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」ですから、社会人として備わっていてほしい能力や資質、チーム(組織)で働くために必要な能力や資質を、学生アスリートは競技生活の中で培ってきたと考えられているのでしょう。

図3:学生の持っている高いと思う能力や資質

そこでストレートに学生アスリートと一般学生とどちらを採用したいかをたずねてみると学生アスリートを「採用したい+どちらかという採用したい」が6割を超えていました。学生アスリートの採用実績がある企業では8割近くが「採用したい+どちらかという採用したい」と回答しており、採用した学生が期待通りの活躍をしていると考えられます。(図4)

図4:体育会学生と一般学生どちらを採用したいか

図5:体育会学生を採りたい理由

学生アスリートを採用したい理由を聞いたところ、先述の学生アスリートが高いと思う能力や資質が関係していました。(図5)学生アスリートのほうが一般学生より、組織の中で働くための能力の有無という点で、その能力や資質があることが明確であるということが、採用する側にとってのメリットなのかもしれません。
比較的足りないと捉えられている、一般的な知識や多言語能力などを補うことができれば更なる魅力となるはずです。

組織で働く上で高い能力や資質を有している学生アスリート」への企業の採用意欲が今後も高まっていくとすれば、企業側も彼らに魅力的な提案をする必要があるでしょう。
その一つとして、セカンドキャリアとしての採用に加えデュアルキャリアでの採用という選択肢を用意することが挙げられます。
まだ、デュアルキャリアを導入する企業はさほど多くはありません。
デュアルキャリア採用を導入する上でのハードルにはどのようなものがあるのでしょうか。
その課題や懸念点についてアンケート(複数選択)で確認してみると、
「他の社員の理解」(65.5%)が最も多く、「スポーツとの両立による、仕事面の成果」(60.5%)「配属部署や仕事内容」(53.8%)、「一般社員との待遇の差への社内調整」(49.6%)が続いています。
チームの中で働く際の環境面を整えることおよびその成果の評価が最初に整えておくべきことなのだと思われます。(図6)

 

図6:体育会学生をデュアルキャリアで採用する際の課題や懸念点(上位抜粋)

学生アスリートは、組織に欠かせない能力や資質におけるポテンシャルが高く、採用実績がある企業では期待通りの活躍もみられるようです。
採用意欲も高まりつつあります。
学生アスリートにデュアルキャリアという選択肢を提示することは、採用充足率を満たすための施策の一つにもなるでしょう。
デユアルキャリアで学生アスリートを採用するメリットとしては、
会社の名前を背負って活躍することで広告宣伝効果にもつながる、そのアスリートを社員が応援することで職場に一体感も生まれるなども挙げられます。
学生アスリートが培ってきた資質や能力が事業にも組織にも幅広く役立ち、多様な人材の採用は組織を活性化させます。
採用にあたってはまず、社員の理解を促すこと、職場の環境、評価や給与体系等を整えることなどが必要となります。
デュアルキャリアが今後拡がりを見せれば、
社会人として働きながら、生活や引退後の不安なく競技人生を続けていくことも学生アスリートの視野に入るので、
大学4年で競技を引退しなければ、その後のレベルアップの可能性も期待できますし、競技者を目指す子供たちやその保護者が将来を不安視することも減り競技者のすそ野が広がります。そうなれば日本の競技レベル自体が引き上がるだけなく、地域の活性化にもつながり、文部科学省が目指す「スポーツ立国戦略」の一助にもなるはずです。

 

最後に

マイナビアスリートキャリアでは、経験豊富な担当者が、現役アスリートの採用のポイントをお伝えし環境整備のアドバイスも可能です。
学生アスリートへの学修支援・就労支援の観点からキャリア形成に関するサポートも行っております。
セカンドキャリア、デュアルキャリアに関わらず、学生アスリートの採用に興味をお持ちの方、採用についてお困りの方 お気軽にマイナビアスリートキャリアへご相談いたただければと思います。

 

マイナビアスリートキャリア 競技を続けながら就業を希望するアスリートや、競技を引退したアスリートと企業・団体を結ぶ新たな職業紹介サービス (https://athlete-career.mynavi.jp/

 

※※学生アスリート(体育会系学生)の採用に関するアンケート

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調査期間:2019年10月10日(木)~11月7日(木)
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