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6月1日前後の内々定出し状況予測

もうすぐ経団連の「採用選考に関する指針」に示された2017年卒新卒採用の「選考活動開始日」である6月1日がやってきます。前年(2016年卒)の「選考活動開始日」だった8月1日には、従業員規模5,000人以上の超大手企業が一斉に選考を開始し、ほぼ1週間程度で、1次面接から最終面接まで行って、一気に多くの内々定が出ました。今年も同じような現象が起こるのでしょうか。

今回のコラムでは、今年2月8日~3月7日に実施した2017年卒マイナビ企業新卒採用予定調査のデータを基に、6月1日前後の内々定出しの状況についてシミュレーションを行います。使用するのは各企業の17年卒の採用予定数と内々定出し開始時期です。開始時期は1ヶ月を上中下旬に3等分して質問しています。また、各企業は内々定出しの開始時期に採用予定数分すべての内々定を一気に出し切るわけではないので、時期と従業員規模によって、 傾斜(図1の下の*a*b)をかけて算出しました。

今年の6月上旬は前年の8月上旬並みの内々定ラッシュになる

図1 内々定出し時期別分布 (17年卒は企業の内々定出しの予定の分布、16年卒は学生が実際に内々定をもらった時期の分布) *a 「従業員規模千人以上で6月以降に内々定出しを開始する企業」は、開始時期に採用予定数の8割の内々定を出し、以降、次の1/3ヶ月に1割、次の1/3ヶ月に1割の内々定を出すと仮定。 *b それ以外の企業(「従業員千人未満の企業すべて」と「従業員規模千人以上で5月以前に内々定出しを開始する企業」)は開始時期に採用予定数の3割の内々定を出し、続く1/3ヶ月毎に3割、2割、2割の内々定を出すと仮定。

図1のグラフは、16年卒の内定者意識調査で学生が内々定をもらった時期の分布に、17年卒の採用予定調査を基に各企業が各時期に出すと予測される内々定数の分布を重ねたものです。グラフ上の数値は、各時期に企業が出すと予測される内々定数を、採用予定数の総数で割ったものです。

前年(16年卒、赤の実線)は5月上旬ごろから内々定が出始め、6月・7月はピーク時期がないまま2ヶ月間も8%~10%で推移し、8月上旬に一気に増加して17.7%でピークを迎えました。しかしその直後の8月中旬には一気に内々定出しの数が落ちています。

一方、今年の予測では4月下旬ごろから内々定出しが増え始め、5月いっぱいは10%弱で推移し、6月の上旬に一気に増加し17.9%でピークとなっています。その後も、中旬から下旬にかけて10%前後を保ち、7月に入ってから減り始めるとなっています。つまり、8月上旬を過ぎると一気に収束に向かった前年より長く、1ヶ月近く多くの内々定出しが行われる状況が続くと予想されます。

なお、採用予定調査によると、17年卒の採用予定総数は、16年卒の採用予定総数より1割強増加しているので、実際に今年の6月上旬に出される内々定の数は前年のピーク時よりやや増加する可能性があると推測されます。

従業員数千人以上の企業は6月以降の内々定出しが多い

次に同じ17年卒の内々定出し予測グラフについて、従業員規模での内訳を見ていきたいと思います。従業員規模別は7分類で調査していますが、まずは大まかな状況を捉えるため、従業員数千人未満と千人以上※の2つに分けてグラフ化しました(図2)。 ※後述の従業員規模別の細かい内訳と区別しやすくするため、ここでは漢数字で「千人」と表記します。

図2 17年卒の内々定出し時期分布・千人未満と千人以上 column20160530_2 グラフは千人未満の企業の内々定出しの数に千人以上の規模の企業の内々定出しを積み上げ、2017年卒の内々定出し全体が100%となる形で作成しました(3月以前、8月以降の内々定出しはグラフの外になっています)。千人未満の企業の内々定出しの推移はなだらかな丘を思わせる曲線を描いていますが、その上に千人以上の企業の内々定出しが乗ることで6月上旬の険しいピークが築かれる形となっています。6月の内々定出しピークは比較的従業員規模の大きい企業によって形成されていることが分かります。

さらに各時期に出される内々定について、細かい従業員規模別の割合を算出したグラフを作成してみました(図3)。こちらのグラフでは各時期に出される内々定出しの数を100%としています。

図3 各時期ごとの内々定出しの従業員規模別割合 まず目につくのは5,000人以上の規模の超大手企業の内々定出し時期の偏りです。5月以前は1割強だったのが、内々定出しのピークの6月上旬は22.4%とほぼ倍の割合を占めています。やはり今年も選考開始日直後は超大手企業の内々定出しラッシュになるようです。なお、準大手クラスである1,000~2,999人規模の企業も6月上旬に36.7%と大きく増加しています。またこのクラスの企業は6月中旬・下旬もそれぞれ3割~4割の内々定出しを行うと予測され、6月いっぱい内々定出しのピークが続く状況となっています。

製造+建設と金融は6月以降の内々定出しが多い

最後は業種別に分類して見ていきます。まず、全業種を「製造+建設」と「非製造」に分け、さらに「非製造」から6月上旬に内々定出しを開始する割合が特に高い「金融」を切り分けてグラフ化しました(図4)。

図4 17年卒の内々定出し時期分布・「製造+建設」と「金融」と「その他」 ※この分布は採用予定調査に回答した企業のみで集計しているため、実際の就職者数の分布比率とは異なります。

このグラフでその他に含まれるのは、「商社」「小売」「サービス・インフラ」「ソフトウエア・通信」「マスコミ」「官公庁・公社・団体」ですが、これらの業種の内々定出しのピークは5月上旬と6月上旬の2回あるという予測になっており、描く曲線はゆるやかであることがわかります。これにより6月上旬の大きなピークは、「製造+建設」と「金融」によって築かれていることが分かりました。特に「金融」は6月上旬の2.3%がピークで、続く中下旬以外は1%未満でほとんどグラフに表れてきません。「製造+建設」も6月上旬・中旬はその他の業種に迫る数の内々定を出しますが、他の時期は軒並み下回る数に留まっています。

続いて各時期ごとの業種の割合を算出した図5を見ると、5月以前は「サービス・インフラ」が最多の内々定数を出すという予測ですが、6月上旬を境に入れ替わり「製造」が最多になっています。また「金融」は5月以前はたった1.6%だったのが、6月上旬は12.9%に拡大し、6月下旬まで高い割合を占める予測になっています。

図5 各時期ごとの内々定出しの業種別割合 ここまで17年卒の内々定出しの予測を見てきました。実際はどうなったのかについては、また改めて分析・検証していきたいと思います。

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