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2017年卒採用に際して人事担当者が注意するべきこと

日本経済団体連合会(以下、経団連)が2017年卒学生を対象とした「採用選考に関する指針」及び指針の手引きを12月7日に発表し、時を同じくして10日付けで文部科学省が「大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」を公表しました。これにより、2017年卒は選考活動開始時期が8月1日から6月1日に2ヶ月短縮されることが正式に決定し、広報活動開始から選考活動開始まで3ヶ月という超短期間のスケジュールとなります。

企業の動向予測

この時期変更に際し、企業側の対応を調査するため、弊社「企業内定状況調査」の特別追加調査として「選考活動開始時期の変更」に関する緊急企業調査を実施し、1,081社の企業様からのご回答をいただきました。この調査は正式に時期変更が決定する以前の10月下旬から11月中旬にかけて実施していたことを予めご承知おきください。

まず、時期変更に関しては60.5%の企業が「次年度(2017年卒)から変更するべきだ」と回答しており、「2018年卒以降に変更するべきだ」の10.1%と併せて7割の企業は変更を望んでいる事が分かりました。この事から、企業にとって16年卒の時期変更はマイナスだったと認識している事が分かります。中でも従業員規模の大きな企業ほど、17年卒からの変更を望む声が大きくなっています。

6月選考開始の場合、面接や内々定出しをいつ頃から実施し始めるのかを確認してみると、面接開始は従業員数1千人未満の企業を中心に4月が31.7%でピークとなり、続いて1千人以上の企業を中心に6月が23.0%となっており、ピークは2つの山に分かれることになりそうです。但し、5月以前の合計が70.5%と、7割の企業は選考開始時期より前に面接を開始すると回答しており、全体的に前倒し傾向となっています。
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続いて「内々定出し」の開始時期について見ると、従業員規模にかかわらず6月が36.8%で最も高くなっています。こちらも5月以前の合計が45.6%と、4割強の企業が選考開始より前に内々定を出し始める結果となっています。業界別では「ソフトウエア・通信」が突出して多く70.0%で、続いて「サービス・インフラ」(50.5%)、「建設」(48.0%)などが早めに内々定を出す傾向にあります。
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以上の調査結果から、選考活動開始時期の2ヶ月前倒しに伴い、企業は採用活動を全体的に前倒しで進める事となり、学生達は16年卒以上に3月の広報活動開始直後から選考を受ける割合が高くなりそうです。

時期変更による学生の動向予測とその対策

このような超短期決戦では様々な状況が想定されますが、大きくは次の2つが懸念されます。

1) 学生の業界・企業理解不足
インターンシップに参加経験がある学生以外は、業界研究や企業研究を十分行えずに個社の選考を受けることになります。そのような状況でこれまで通りの基準、特に志望動機や入社意欲に関する項目を前年や前々年と同水準で比較することは、誤った判断につながる恐れがあります。
2) 母集団及び説明会参加人数の減少
2016年卒で事前に懸念されていた通り、エントリー数や説明会参加学生数は各社減少傾向にありました。2017年卒でも序盤3~5月において学生の行動量が減少する傾向が予想されます。一方で6月以降に追加で行動する学生が増える可能性も十分予想されるので、説明会実施時期やエントリー受付期間を長めに設定しておく必要があるでしょう。

 2017年卒で実行すべきこと

前述のような懸念点を加味しつつ、企業が2017年卒の採用戦略をどのように構築するべきか考えた場合、次の2つの観点を検討事項としてみてください。

1)面接選考時の評価ポイントを見直す。
来期は母集団形成もままならず、受験学生の確保にも苦労する事が予想されます。そのような状況で、これまで同様の入社意欲や志望動機の水準を求めて面接官が評価を下してしまうと、本来は合格ラインの能力を有している学生を志望動機が弱いという理由で取り逃してしまう可能性があります。そのような事態を回避する為にも、時期前半の3~5月頃の面接と後半の6~8月頃の面接で、志望動機や入社意欲に関する評価点に傾斜をかけるよう検討してみてください。
一方、前半は学生個人の能力やパーソナリティをしっかりと評価する為に、構造化面接などを導入することを検討してみるのも良いかもしれません。併せて適性テストや履修履歴の活用など、学生の客観的な評価指標を複数組み合わせることで選考の精度を高めることも可能になります。経団連の新しい指針にも「大学等の履修履歴(成績証明書等)」について一層の活用を求めるよう記述があります。短期間で学生を判断しなければならない分、新たな客観指標の検討は必要になると思います。
いずれにしても、時期前半は学生の業界理解や入社意欲よりも、これまでの行動や性格特性をしっかりと見極める事が重要となります。
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2)志望動機をどの段階で醸成するか。
とはいえ企業が学生の志望動機や入社意欲を全く判断材料としないということもありえません。学生が最終的な就職先を判断する為にも、業界理解や企業理解は必要になります。では、どこで自社に対する意識を醸成していくのか。このあたりが各社の戦略になると思います。
企業によっては1~2月のインターンシップから醸成し、選考までに学生が一定の理解を得られるよう準備するというケースもあるでしょう。その一方で3月からスタートする企業の場合は、選考途中や、内々定後のフォロー時期に重点を置いて意識醸成を行うことが考えられます。
例えば選考途中であれば、相互理解の為に学生から企業に対して逆面接の場を設けたり、面接・選考の場で出来るだけ面接官が自社の仕事や社風・職場環境に関する情報提供を行ったりという対応が挙げられます。内々定後のフォローにおいても、企業理解促進を目的とした勉強会を開いたり、職場見学会・工場見学会等を実施し、継続的に社員との接点を設けることもあると思います。
いずれにせよ、学生の意思決定時期までには何らかの情報提供が必要になりますので、自社のアピールポイントの中から、何の情報を優先的に提供するか整理しながらスケジュールに落とし込んで下さい。

2017年卒の採用は、大手企業の選考が6月になることで複数内定を保有したまま活動を継続する学生は減少することが予想され、歩留まりに関しては読みやすくなるという改善も見込まれます。しかしながら、2年連続の時期変更の影響で、またしても判断の難しい年になる事は間違いありません。この年末は採用における自社のポジションを確認しながら、2017年卒以降の採用戦略を見直す機会としていただければと思います。

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