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「6月選考活動開始」の状況を予測する

今週に入ってからの報道によると、来年(2017年卒)の選考活動開始日は、今年(2016年卒)の8月1日から前倒しに変更される可能性が出てきているようだ。そこで今回のコラムでは、仮に選考活動開始が6月になった場合を想定して、来年の新卒採用活動の予測を行ってみることにした。変更が行われた場合にどのように対応すべきかについて参考となれば幸いである。
採用市場の環境については、近年続く正社員不足の状況がすぐに解消されるとは思えないことから、来年も今年同様企業にとって厳しい状況が続くと想定した。選考活動開始日を守る企業の割合については、今のところ経団連に加盟していない企業の活動を有効に制限する新たな方策が現れる様子はないので、ほぼ今年と変わらないと考える。

企業認知度向上のためインターンシップがますます重要に

仮に選考活動開始日が8月1日から6月1日に変更された場合、3月1日に採用広報活動を開始すると、採用広報にかけられる期間は今年(2016年卒)より2ヶ月短い3ヶ月間となる。2015年卒の「12月広報活動開始 → 4月選考活動開始」では4ヶ月間だったので、企業はかつてない短期間で学生の自社に対する認知度を上げなければいけない。よって、採用広報活動はできなくても仕事内容の認知につながるインターンシップの重要度がさらに高まり、導入する企業が増えると予想される。また、学生の側も、前年活動した先輩(2016年卒)の多くがインターンシップに参加したことから、それにならって、参加割合や、複数の企業のインターンシップに参加する割合が増えると予想される。
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「企業のインターンシップ実施率」出所:2016年卒マイナビ企業新卒採用予定調査(2月実施)
「学生のインターンシップ参加率」出所:2016年卒マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査(2月実施)

選考活動開始日以前に面接を開始する企業の行動

広報活動開始日が12月から3月に、選考活動開始日が4月から8月に変更されたにも関わらず、今年(2016年卒)選考活動開始日以前に面接を開始した企業の、面接の開始月のピークは前年(2015年卒)と変わらない4月だった。来年(2017年卒)選考活動開始日が変更されても、これらの企業の面接開始のピーク月は変わらないと考えてよいだろう。ただし、選考活動開始日の前倒しを意識して多くの企業がやや早めに動こうとすると思われるので、3月・4月に面接を開始する割合がある程度高まると予想される。そうなれば開始時期が集中して競争は激しくなり、面接への誘導はさらに困難になるだろう。
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出所:2016年卒マイナビ企業新卒採用予定調査(2月実施)

選考開始日直後の大手企業選考の集中度は弱まる

今年選考開始日以降に面接を行った企業の面接開始は、開始直後の8月上旬に極端に集中した。これはメーカーなどでお盆までに決着をつける必要があったことと、10月1日の内定開始日まであまり間がなかったことが要因と考えられる。よって、選考開始日が6月になった場合、これら2つの要因は多少緩和されるため、無理をしてでも6月上旬に面接を開始しようとする企業の割合はやや減ると考えて良いと思われる。それでもほとんどの企業は6月中に面接を開始するだろう。
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出所:2016年卒マイナビ企業新卒採用予定調査(2月実施)

「就活疲労」の大手企業選考受験に対する影響について

今年(2016年卒)の就職活動における典型的なパターンの1つに「本命の大手企業の選考が始まる8月までに別の企業の内々定を確保しようと考えて、4月~6月にかなり熱心に就職活動を行った末、本命の選考が始まる前に疲れてしまった」というものがあった。6月末のモニター調査によるとその時点で就職活動を続けていて疲れたと感じる学生は8割に迫っている。これが原因で8月からの選考については「受ける企業を絞り込む」という学生が4割に達し、従来であれば第二志望、第三志望となるべき企業で選考辞退が増えたと考えられる。もし来年選考活動開始日が8月から6月になり、大手企業の多くが6月に面接を開始するとなれば、疲れを感じる前に本命の企業やそれに続く企業の選考を受験できると思われる。
また、今年(2016年卒)早い時期に選考を開始する企業を受験する学生が多かったのは、本命の選考開始の8月まで待ちきれなかったからという理由も考えられる。来年本命の選考が6月に開始されるのであれば、それほど待たなくてもよいので、5月以前の選考受験数を控えて、6月以降の選考を多く受けるという選択を取る学生も増えるだろう。
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出所:2016年卒マイナビ学生就職モニター調査(6月実施)

大手企業の内々定出し時期は6月に集中

ここからは内々定出しの時期および内々定率の推移について予測してみたい。今年の採用活動の大きな特徴のひとつに「大手企業の内々定出し時期の集中」があった。大手企業以外の内々定出しの時期は5月後半から8月いっぱいにかけて広く分散していたのだが、従業員規模5,000人以上の大手企業については4割近い内々定が8月上旬に集中した。前年も大手企業の内々定出しは選考活動開始直後の4月上旬に集中していたが、集中度は3割弱程度だった。このことから選考活動開始日が6月になった場合、6月上旬への集中度は3割強程度となり、そこから6月下旬にかけて多くの内々定が出されると予想する。
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出所:2016年卒マイナビ内定者意識調査(8月~9月実施)

複数内々定保有率はやや減少する?

前述の企業の選考開始時期予想と内々定出し時期の予想を踏まえて来年(2017年卒)の内々定率の推移を予想してみた。選考活動開始日前の3月~5月にかけては、前倒しで面接を開始する企業の増加と、志望度がやや低い企業の面接を受験する学生の減少が相殺されて、ほぼ今年(2016年卒)と同じ程度で推移すると予想した。6月に入ると大手企業の面接を受験する学生に対し相当数の内々定が出されて、内々定率は一気に上昇すると考える。以降は引き続き学生にやや有利な環境を考れば内々定率は順調に上昇し、8月にはほぼ前年(2015年卒)並みの水準に達すると思われる。一方今年の大きな特徴だった複数内々定保有者の割合の高さについては、6月までは上昇するものの、その後は入社先を決めて活動を終了する学生が今年より増えると予想されるので、横ばいとなるだろう。よって今年起こったような内々定辞退が続出するような状況はやや緩和されると考えられる。
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出所:マイナビ大学生就職内定率調査(3月~8月実施)

内々定保有者の活動継続もやや減少する?

この内々定率の推移を、活動継続者の割合の推移という観点から見直してみる。やはり選考活動開始月の6月に多くの活動終了者が出ることで活動継続割合が下がり、6月~8月にかけては今年よりも学生の選考への呼び込みが難しい状況が生まれるだろう。一方、内々定を持ったまま活動を継続する学生の割合は6月に大手企業の選考が終われば横ばいとなり、今年のような内々定を出した学生の意思決定を企業が長い期間待たないといけないという状況は減ると考えられる。
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出所:マイナビ大学生就職内定率調査(3月~8月実施)

選考活動開始日前倒しで改善される状況とは?

このように見ていくと、企業にとって今年の状況から大きく改善すると考えられるのは「内々定を出した学生がなかなか意思決定してくれない上、辞退される確率も高い」という点のようだ。また、「学生が選考開始日以降の面接受験を絞り込んだことで面接受験者数が減った」という企業にとっては、受験者数の回復につながる可能性もありそうだ。一方、学生にとっては「本命企業の選考受験のため長く待たされる」という状況が改善される。6月までに受験した企業の中で入社先を決定できれば「就職活動期間が長い」ことも改善されることになるだろう。
今回のコラムでは今年の調査結果を単純に6月選考開始に当てはめることで予想を行った。しかし、これ以外にもさまざまメリット・デメリットが潜在していると考えられる。今後も引き続きさまざまな要因を検討していくことで、来年の採用活動に資する分析を行っていきたい。

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