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担当者に聞く! オンラインインターンシップの本音

コロナ禍によって、選考過程以降がオンラインになった2021卒の採用が最終盤を迎えるなか、採用フロー全体がオンライン化することが見込まれる22年卒のインターンシップシーズンになりました。

今回、お話を伺ったのは夏インターンシップをオンライン化して成功させた2社。実際に会い、現場の空気を感じてもらうことで社風や社員の雰囲気を伝えることが大切とされてきたインターンシップを、いかにオンライン化したのでしょうか。

小規模トライアルで課題を洗い出し、オンラインでも満足度の高いインターンシップを実施 ― 第一生命保険株式会社

まずお話を伺ったのは、第一生命保険株式会社(以下、第一生命)の長屋晶子さん。毎年夏は、複数コースのオフラインによるインターンシップを全国で実施していたといいます。

しかし今年は、コロナ禍の影響で夏インターンシップは全面的にオンラインへ移行。その経緯、学生からの反応などについても伺ってみました。

長屋 晶子
お話を伺った方
第一生命保険株式会社
人事部採用グループ グループ長(課長)
長屋 晶子さん

オンライン移行でも99%の学生は参加意向

― 今日はよろしくお願いします。7月初旬にインターンシップをオンラインへ移行することを決定されたと伺いました。学生をはじめ、率直な反応はいかがでしたか? 0135 長屋さん: よろしくお願いします。これまで、比較的規模の大きいインターンシップを全国で毎年実施してきていて、学生に生命保険業界や業務理解、就業体験の場をご提供してきたという自負もあったため、ぎりぎりまでオフラインでの実施を模索していました。実際、6月の募集時にはオフラインを想定した内容でお知らせしていたのですが、コロナ禍の影響を鑑み、オンラインへの変更をお伝えしたという流れです。

参加を辞退される方もいるかなと思いましたが、実際には99%の学生が継続して参加したいと意思を示してくれました。

小規模トライアルを企画の参考に

― オンラインへの移行を決めてから実施まで、短い期間でコンテンツを再考するのはご苦労されたのではないでしょうか。

長屋さん:実は、インターンシップのオンライン移行を決めてすぐ、30名ほどの小規模でオンラインのグループワークを試してみたんです。 0053 想像していたとおり、課題は多かったですね。まず、オンラインでの議論は一人ずつ話していくような形式になっていくため、オフラインでの実施と比較してすごく時間がかかりますし、話すタイミングがつかめずに置いてけぼりになってしまう学生もいらっしゃいました。より積極的なフォローが求められると実感しましたね。

今年度実施したオンラインインターンシップに参加した社員の様子。きめ細かいフォローで質の高いインターンシップとなった

また、通信状況やツールの使い方など、問い合わせの電話も激増して、そちらに対応する社員も必要だということが分かりました。

ただ、アンケートの結果を見るとおおむね好評で「グループワークを通じて1つのものを作り上げるのが楽しい」「他のチームの意見を聞くことで勉強になる」という声が多かったんです。

なので、コンテンツの基本方針はそれらのメリットを最大化する方向に舵を切れました。

求められるコンテンツの転換とフォローの質

― 学生が期待する「グループワークの楽しさ」「他チームの意見を聞くことで学びを得る」といった方向性を、具体的にどのように形にしたのでしょうか。

長屋さん: まず、1チームの人数を減らすとともに、メンターの社員もオフラインより増やして、学生たちが議論をしやすい環境を整えました。

また、フィードバックは全体に対するものだけでなく各チーム個別にも行い、実際のビジネスではどう考えるのか、といった具体的なアドバイスを送ることで後々に生かせる学びが得られるようにしています。 0336 とはいえ、やはり現場でしか感じられない「生感」のある言葉、雰囲気みたいなものを十分に伝えきることは難しいと考えていて、夏のオンラインインターンシップに参加された方限定で、冬にオフラインのインターンシップを開催する予定です。そうすることで、私たちがインターンシップを通じて伝えたかったことがきちんと伝わるかな、と。

グループワークの質を落とさず、オンラインで失われるディティールをフォロー

第一生命のオンラインインターンシップでは、小規模のトライアルを経てコンテンツと実施フローを改善したことで、好評だったグループワークのメリットを活かしたまま、オンライン化に成功したようです。
さらに、生の声を届けるフォロー施策として冬に再度インターンシップを開催予定ということで、この手厚い対応は学生の心に響きそうですね。

一方、今回お話を伺ったもう1社、京セラ株式会社(以下、京セラ)では、第一生命とは違った方法でオンラインインターンシップにおける学生のモチベーション維持に挑戦しました。

グループワークを短期集中型から長期間へ移行

続いてお話を伺ったのは、京セラの瀧川奏子さん。
京セラでは毎年、2日間集中のグループワーク形式で、ビジネスコンテスト形式のインターンシップを実施されてきたそうですが、コロナ禍を受けて今年は断念。

オンラインへの移行を検討するにあたり、最も重視したのが学生のモチベーション維持。どのような手法で実現したのか、伺ってみました。

瀧川 奏子
お話を伺った方
京セラ株式会社
横浜人材開発課 技術系採用担当(入社6年目)
瀧川 奏子さん

3日間に分かれたプログラム

― 今日はよろしくお願いします。まず、御社のオンラインインターンシップがどのようなプログラムで実施されているか伺ってもいいですか?

瀧川さん: はい、よろしくお願いします。弊社のオンラインインターンシップは、隔週で3日間に分かれたプログラムです。
それぞれ1週間ずつ間を空けて、1日目にガイダンス、アイスブレイクなどを含めてグループワークの説明と課題発表をし、2日目に中間報告会と相談会。そして、3日目に発表とフィードバックを行います。

― 実際にオンラインで集まるのは3日間であっても、かなり長丁場という印象ですね。

昨年IS写真

昨年のインターンシップの様子

瀧川さん: はい。昨年までは2日間の集中で行っていたものをオンラインに移すにあたり、十分な議論をしてもらうために1週間ずつ間を空けて実施しています。学生チームは日本全国から集まっていますので、実際に会うことはできず、オンラインで議論する必要があるというのも理由の一つです。

レベルの高い要求で学生の本気を引き出す

― ここまでの長期間になると、緊張感が途切れて中だるみすることが心配になりそうですが、その点はいかがでしたか?

瀧川さん: はい。その点については、課題のレベルを高めて非常に高い要求をすることで学生の本気を引き出す、という方法で解決できたかなと思っています。時間が足りないくらい、というところを目指しました。

image19

今年のインターンシップの様子

瀧川さん:

実際、学生同士は何度も何度も議論を重ねたそうで、その過程ですごく仲良くなったグループもあるようです。「みんなと会いたいんですが、オフラインでのイベントはありませんか?」という問い合わせも多いですね(笑)。

ただ、要求を高くして「あとは頑張ってね」というだけではやはり、私たちの伝えたいことを受け止めてもらえないと考えたので、1チームに1名以上の社員メンターをつけ、さらに課題の過程で発生した疑問や質問を解決するためのオンライン相談会も設けました。

オンライン相談会は好評で、予約枠の告知をしたところ5分で埋まってしまったほどです。

企業としてもレベルの高い挑戦だったが、予想外の効果も

― かなり手厚いフォローとプログラムだと思いますが、実施にあたっての苦労も多かったのではないですか?

瀧川さん: はい。オンラインへの移行を決めたのが5月ごろで、そこから準備したのでプログラムを作るのは苦労しましたね。社員も基本的に自宅からのリモートワークなので、協力を得るため、早め早めに依頼をしました。

また、採用フロー全体を見通したとき、秋・冬までこの体制でオンラインインターンシップを続けると、他の業務に支障があるのでは…という懸念もあります。

まずは学生ファーストで、学生の学習や成長に役立つという点は守りつつ、いかに効率的な運営をするかというのが今の課題です。

― やはり、ご苦労が実って学生からは好評のようですね。

はい。そこは本当にうれしいですね。グループワークの完成度も高く、満足してもらえたようです。

また、私たちが予想していなかった意外な反応として「もっと堅い会社だと思っていたけれど、そうじゃないことが分かった」というものがありました。弊社は、どちらかというと「お堅い社風」に見られがちなのですが、実はそうじゃない。そんな社風や社内、社員の雰囲気を伝えられたのはうれしかったですね。

これから、秋冬に向けてオフラインでの実施も考えていたのですが、今年だけでなく来年以降も含めて、全国の学生に参加していただけるオンラインインターンシップを実施してもいいのかも、と思っています。

― 今日はありがとうございました!

オンラインインターンシップに王道なし?

小規模なトライアルをもとにプログラムや人員体制を見直してオンラインインターンシップを成功させた第一生命。
そして、プログラムは基本的に同じでも、課題のレベルと長期日程への移行によって学生のモチベーションが高いオンラインインターンシップを実施できた京セラ。

それぞれ方法は違えど、学生がインターンシップに求める「業界理解」や「自己成長」といった期待に沿いながら、社会情勢に合わせたオンラインでの実施を成功させています。

今回取材したのは2社でしたが、過去のインターンシップで実施したコンテンツや、ターゲット学生の方向性、そして社内リソースの状況などによって、インターンシップをオンラインへ移行する方法はさまざまなのでしょう。オンラインインターンシップに王道なし。これが今回の取材で得た教訓でした。

この記事をお読みの皆さまも、今一度、社内の状況や過去の事例を振り返ってオンラインインターンシップを成功に導く方法を考えてみてはいかがでしょうか。