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Campus Report 大学トップに聞く_vol.7 埼玉大学

 

埼玉から世界への挑戦
多様性がシナジーを創出する

埼玉大学学長
山口 宏樹
■1952年、埼玉県川口市生まれ。埼玉大学理工学部建設基礎工学科卒業。1980年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。東京大学工学部専任講師、埼玉大学工学部助教授等を務め、1990年から1992年までJICAの派遣専門家(准教授)として、タイ・バンコクにあるアジア工科大学院(AIT)で教鞭を執る。1994年に埼玉大学工学部教授就任。構造動力学、特にケーブル構造物や橋の振動現象を専門とし、明石海峡大橋の耐風設計や老朽化した橋の健全度評価等の研究に携わる。2012年、埼玉大学理事(研究・国際担当)・副学長を経て2014年に学長就任。現在、文部科学省・就職問題懇談会座長、経団連「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」共同座長を務める。
全学部が同一キャンパスに集まる利点をいかし、
学部横断的に、深い教養と複眼的な思考を育む

1949年に旧制浦和高校などを母体に新制国立大学として発足し、今年で創立70周年を迎えた埼玉大学。首都圏の一角を構成する埼玉県下唯一の国立大学として、郷土の文化を底力あるものに押し上げるとともに、国際社会に貢献する大学となることを目指しています。
創立以来、私どもが長く大切にしてきたのは、広い教養と深い専門性を備え、応用的能力を有する人材を養成するという基本方針です。そこで強みとなるのが、5つの学部が1つのキャンパスに集っていること。他学部の講義を横断的に履修できることや、サークル活動などを通じて学生同士が学部の垣根を越えて交流できることは、本学の大きな特長であり、魅力だといえるでしょう。この利点を生かし、各学部において幅広い学びにつながるカリキュラムの工夫がなされています。具体的には、5学部すべてで1つの専修課程だけを学ぶのではなく、卒業までに必要な単位の何割かをその他の専修課程から取る仕組みを採用しています。たとえば、教養学部では人文科学と社会科学の分野から幅広く5つの専修課程と11の専攻を設けていますが、副専攻の履修を可能としており、所属する専攻以外の科目群についても体系的に学びます。専門分野の深い学びに加えて、専門分野以外の領域についても知見を広めることで学問的な視野を広げ、研究に必要な多くのスキルを習得することを目指したものです。これらの取り組みは、在学生や卒業生からも「専攻外の学生と接点ができた」「視野が広がった」と好評です。
グローバル化やAI(人工知能)の台頭など、変化の激しいこれからの時代においては、ますます専門性に根差した幅広い教養を持ち、大局的に物事を捉え、解決に導ける論理的思考力が求められるようになるでしょう。本学としても、建学以来の伝統であった人文科学、社会科学、自然科学の分野など幅広い学問を通じて多角的な考え方を学び、教養を培うリベラルアーツ教育をさらに強化していく考えです。

産学官連携による幅広い研究活動を世界と地域に発信
実直に学ぶ姿勢が結果へとつながる

現在、本学が中期目標として掲げるビジョンは「埼玉大学 All in One Campus at 首都圏埼玉〜多様性と融合の具現化~」。文系、理系、教員養成系の多様な学問と日本人、外国人、社会人の多様な学生と教職員9,300名が1キャンパスに集うことで、互いの多様性を尊重しながら高め合うことを意味しています。そしてこのビジョンを推進する両輪となるのは、第一に、研究力と人材育成力を高める「知の府としての基盤強化」、そして第二に、産学官連携による地域課題解決と地域ニーズに応じた人材育成を進める「首都圏埼玉に根ざした個性化」です。これら2つのミッションを軸に、より一層地域での存在感を高めてまいりたいと考えています。
そのための産業界・地域社会とのインターフェイスとして2016年に設置したのが「先端産業国際ラボラトリー」です。これは地域の企業様に構内の一室を共同研究の場、インキュベーション・スペースとして提供し、健康や医療の分野で基礎研究だけでなく、開発、製品化・事業化に向けた共同研究を進めていくというものです。おかげさまで順調に機能し、地域の企業様に順番待ちいただくほどご高評です。地域とのシナジー効果でより活発な研究活動を促進し、ゆくゆくはここ埼玉大学から世界市場で通用する新しい技術や製品を発信し、地域社会の発展に還元できればと願っています。
一方で、すでに世界を舞台に活躍している本学のOBOGも多く、2015年にニュートリノの質量発見でノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章氏(1981年理学部卒)、妖怪研究の第一人者で文化功労者に選出された小松和彦氏(1970年教養学部卒)、雪景色の油彩の名手で日本芸術院賞第1部門(美術)を受賞された根岸右司氏(1961年教育学部卒)など、そのフィールドは学術・文化・芸術のすべての分野にわたります。このような人材を輩出している本学を誇りに思うとともに、今後も引き続き社会の期待に応えていかねばなりません。
本学の学生の気質は「謙虚にコツコツと物事に取り組む」というもの。ノーベル賞を受賞した梶田隆章氏もまさにその一人です。本学は科学分野の国際的論文の多い国立大学で、教員一人あたりの研究費に対して質を伴った多量の論文を生産した効率性が評価され、「実は研究力のある国立大学BEST 50」ランキング(週刊東洋経済 2018.2.10)でトップに選出されています。今後も実直に学び、研究成果をグローバルに発信していける人材育成に注力していく所存です。

学内で異文化交流の機会を用意し
世界を舞台に活躍できる人材育成を推し進める

創立70周年記念のキャッチフレーズは「つなげよう未来へ」。このフレーズを作った学生によれば「埼玉大学は留学生と日本人学生、地域の人と埼大生をつなぐ架け橋。この70年間の人と人の心をつなぐ役割を未来へつないでいってほしい」という願いをこめたとのことでした。学長としてこの上なく嬉しいメッセージです。
日本人学生、外国人留学生、社会人など多様な学生が1キャンパスに集まる本学。学生総数8,595名に対し、外国人留学生が全体の約7.4%(2019年5月現在)を占めています。この特性をいかし、本学では学内で互いに異文化を感じてもらうさまざまな取り組みを行っています。これは私自身がJICAの専門家としてタイに2年間滞在し、多国籍の人材が活躍する場で刺激を受けた経験から、学生の皆さんにも積極的に異文化に触れ、世界で活躍したいという気概を抱いてほしいという強い想いの表れです。
まず、世界170大学と交流協定を結び、発展途上国を中心に博士学生を年間24人受け入れる体制を整備。国際協力および共同研究のネットワークを強化しています。すでに修士・博士課程では留学生が半分以上を占める研究室もあり、研究発表会などを共に行うことで、異文化を肌で感じ、理解を深める機会が増えています。また、2015年度からは協定校から短期留学生を受け入れる「サマープログラム」を実施。滞在期間中、日本文化の講義のほか、川越へのフィールドトリップや着付け体験などを通じて日本への理解を深めます。運営には多くの学生ボランティアが携わり、空港での出迎えや歓迎会の企画などを行っています。さらに、創立70周年記念事業として日本人と留学生が混住する学生寮「インターナショナル・レジデンス」(2019年9月竣工)を整備します。
大学の主な使命は、知の創造と継承にあります。深い専門性や幅広い教養を備えた人材の教育はもちろんですが、同時に広く社会で活躍できる人材――どんな状況にあっても適応でき、規範的判断力と理論的思考力を併せ持った人材を育成することもまた次世代の大学の使命であると考えます。グローバル時代において、日本人としてのアイデンティティをしっかりと持ちつつ異文化を理解し、世界を舞台に飛躍できる人材の育成に今後も力を入れていきます。学生の皆さんには本学で学問、師、仲間と出会い、幅広い専門知識と教養を培い、社会で広く活躍していただきたいと願っています。

 
埼玉大学 http://www.saitama-u.ac.jp/
埼玉大学は、人文社会系の教養学部と経済学部、理工系の理学部と工学部、教員養成系の教育学部の5学部全てが首都圏埼玉の1キャンパスにあり、そこに日本人学生、留学生、社会人学生といった多様な学生、総勢約8,600人が集っています。この利点を活かし、「埼玉大学 All in One Campus at 首都圏埼玉~多様性と融合の具現化」のビジョンのもと、知の府としての基盤強化、埼玉大学としての個性化を2つの軸として機能強化を進めています。
第1の軸は、大学の主たる使命が知の創造と継承であることをしっかり据え、これまでに進めてきた、研究と人材育成という知の府としての基盤の強化です。第2の軸は、地域の中核拠点としての役割を積極的に担うことを掲げ、産学官連携による地域課題の解決と地域ニーズに応じた人材の育成という埼玉大学としての個性化です。これらをベースに、埼玉大学は学問と人の多様性を尊重しつつシナジーをもたらす「多様性と融合の具現化」を実践します。
2019年、埼玉大学は創立70周年を迎えました。これからも時代をさきがけ、地域に根ざし、世界とつながって、70年間培ってきた「人と人をつなぐ架け橋」としての役割を未来につないでいきます。
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