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Campus Report 大学トップに聞く_vol.3 奈良先端科学技術大学院大学

 

将来、社会が求めるであろう
人材を育成する
大学であるために

奈良先端科学技術大学院大学
横矢 直和
1951年生まれ、工学博士(大阪大学)
専門分野はパターン認識、画像処理、コンピュータビジョン、複合現実感。
1974年 大阪大学基礎工学部情報工学科卒業
1979年 大阪大学大学院基礎工学研究所物理系博士後期課程修了、通商産業省工業技術院電子技術総合研究所研究官
                  1983年 同研究所主任研究官
                  1986年 カナダ・マッギル大学知能機械研究センター客員教授
                  1992年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター教授
                  1994年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科教授、
                  情報科学センター長、情報科学研究科長、理事・副学長などを歴任し、
                  2017年4月より奈良先端科学技術大学院大学長
学部を持たない
新構想の国立大学院大学として1991年に創設

本学は1991年に、21世紀社会の基盤となる情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学を担う3つの研究科で構成される、学部を持たない新構想の国立大学院大学として誕生しました。当時の大学院は研究室に入り、特定のテーマで研究をするというのが一般的でしたが、「これからの大学院はどうあるべきか」という議論のもと、組織的にかつ体系的なカリキュラムで、院生を教育できる大学として創立されました。創立当初は産学連携にまだまだ否定的だった時代ですが、その頃から積極的に産学連携を行ってきたことも特徴です。
もちろん大学院ですから、研究レベルは高くなくてはいけません。先端科学技術分野での研究を積極的に推進し、その成果に基づいて教育を行うことは、本学の創設から変わらない理念でもあります。
さらに近年では、社会のさまざまなシーンでグローバル化が求められています。本学ではグローバルリーダー育成のため、教育環境のグローバル化とグローバル教育に積極的に取り組んでいます。現在、学生の20%以上が世界各国から集った留学生です。多様な出身国や文化的背景を持つ学生や教職員が共に学び、研究することで互いに刺激し合っています。また、本学と海外の連携大学の両方で学位を取得できる、ダブルディグリープログラムも実施しています。しかし、日本と海外で学位審査の基準が違うなど、まだまだ乗り越えなければならない壁もあります。世界で活躍できる優秀な人材を育成するためにも、柔軟な採用というのが今後求められるのではないかと、教育に携わる者としては感じることもあります。

時代の変化に対応した教育プログラムを実施し、
優秀な人材を輩出

大学院大学として組織的にかつ体系的なカリキュラムの先駆けとして、教育を行ってきた26年間ですが、時代と共にそのプログラムも変化してきました。従来、専門的な科目は座学が中心でしたが、近年ではPBL(Project Based Learning)を積極的に取り入れています。その背景には、学生の気質の変化があげられます。講義はまじめに受けるのですが、教員からの質問に答えられない、学生からの質問がない。自らが課題を見つけ、解決する力が弱いように感じます。会社の立場からすれば、人の話しを聞いて知識を増やすだけの社員は困ります。社会へ出てからを見据えたプログラムに力を入れているのも特徴です。
基本となる正規の教育プログラムのほかに、様々な人材育成プログラムを設置しています。そのひとつが、特定の職種を想定した実務能力のある人材の育成です。社会での需要も高いネットワークセキュリティやソフトウェア工学、近年ではデータサイエンスの分野などで、社会や企業が求める実務能力を養えるプログラムを目指しています。2014年からは、IoTグローバルアントレプレナー育成プログラムを実施しています。これは、学生だけなく一般の方も参加できるプログラムで、年代や立場の違った者同士がチームを組んで課題に取り組みます。
これらの教育プログラム以外に、企業等とチームを組み、国際的なロボットコンテスト等にも出場しています。2018年には本学と他大学、企業が組んだチームが、「ワールド・ロボット・サミット(WRS)」の「フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ競技 接客タスク部門」において1位を獲得しました。他大学の学生や企業とチームを組むこの挑戦は、教育的な面でも効果があると期待しています。
このような本学での学習や研究、経験を経て、それぞれが社会のさまざまな分野で研究者・技術者として活躍しています。

将来、社会が求めるであろう人材を育成する、
3つの領域を融合した教育プログラムを実施

私は人材育成というのは、すぐにいくらでも輩出できるわけではないと考えています。大学というのは、“今、社会が求める人材”ではなく、“将来、社会が求めるだろう人材”の育成しかできないのです。
本学では、“将来、社会が求めるであろう人材”を育成するために、これまでの情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の3つの研究科を統合し、2018年度から、融合領域教育の強化に重点をおいた、先端科学技術研究科からなる1研究科体制へ移行しました。従来の3研究科の教育に対応した「情報理工学プログラム」「バイオサイエンスプログラム」「物質理工学プログラム」に加えて、融合領域の教育プログラムとして「情報生命科学プログラム」「バイオナノ理工学プログラム」「知能社会創成科学プログラム」「データサイエンスプログラム」を設定しています。
昨今、「20年余り後には、今ある職業の半分以上がなくなってしまう」などということが、よく言われるようになりました。これが事実になるかどうかはわかりませんが、職業の構造が大きく変わることは間違いないでしょう。その時に、ある特定の狭い分野の知識だけでは通用しません。変化の激しい世の中ですから、今と違うことを求められることは確かです。3つの領域を融合させた教育プログラムを実施することによって、自分の専門以外の情報や知識を持って、社会の変化にも柔軟に対応できる人材育成に取り組んでまいります。

 
奈良先端科学技術大学院大学 https://www.naist.jp/

学部を置かない国立の大学院大学として、平成3年に創立。

平成30年4月に、情報科学・バイオサイエンス・物質創成科学の3つの研究科を統合し、先端科学技術研究科を設置した。新研究科は、柔軟な教育体制、7つの教育プログラム(情報理工、情報生命、バイオサイエンス、バイオナノ理工、物質理工、知能社会創成、データサイエンス)、PBL(Project Base learning)形式の演習などの特色を持つ。これらの教育・研究活動を通して、変化していく先端科学技術に柔軟に対応し、社会からの要請に応える融合分野の開拓やイノベーションを担う人材を育成し、社会に送り出している。

国際的に活躍する教員スタッフを擁し卓越した業績をあげ、科学研究費補助金をはじめ競争的外部資金の獲得は国内でトップクラスである。学生に対する教員数の比率が高いため、きめ細かなマンツーマン教育を実現するとともに、最新の研究設備を完備し、建物も新しく広々としたスペースで、心行くまで研究や勉強に打ち込める環境を整備している。また、先端企業や研究機関と連携した研究指導の実施や、海外大学への研究留学や留学生受入れを推進し、グローバル化を強化している。

 
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