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Campus Report 大学トップに聞く_vol.1 明治大学

 

社会から必要とされる人材育成の第一歩は、
学生の「個」を強くすること

明治大学学長
土屋 惠一郎
■1946年、東京都墨田区生まれ。明治大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程単位修得退学。1978年より同大学法学部専任助手、1993年からは専任教授になり法哲学のエキスパートとして活躍する。法学部長、教務担当常勤理事などを歴任後、2016年に学長に就任。能のプロデュースやバレエ・ダンスの評論なども手がける、型破りなリーダーとしても知られている。『怪物ベンサム』(講談
                  社学術文庫)、『能−現在の芸術のために』(岩波現代文庫)、『NHK「100分
                  de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝』(NHK出版)など著書多数。
教員は、学生にとって権威になってはいけない。
ファシリテーターであるべき

当校が掲げるスローガンは、「個を強くする大学」。これは、建学の精神「権利自由」「独立自治」に通じるところがあります。1881年、国立大学にできない教育を志し、岸本辰雄らの手によって創設された明治大学。氏が目指したのは、受け身で教員の指示通りに学ぶという従来の常識を覆す、学生たちの自律でした。「権利自由」「独立自治」という言葉には、個人の権利や自由を認め、学問の独立を基礎として自律の精神を養うというメッセージが込められているのです。
そのためには、「教員は学生にとって権威になってはいけない。知識の蔵まで導くのが役目で、蔵の鍵は学生自らが開けるべきである」と岸本は考えていました。近年、学生が主体となって学習を進めていく授業形態「アクティブ・ラーニング」の注目が高まっています。けれども実は、岸本は今から100年以上も前に、その重要性を説いていたのです。
教員はティーチャーではなく、ファシリテーターであるべき。そうすることで、学生が自発的に学ぶようになり、ひいては「個」が強くなると私たちは考えています。当校では、1・2年次からの少人数教育を実践していますが、教員が大教室の教壇に立って教える授業はもう時代遅れなのかもしれません。
以前、シンガポールの南洋理工大学を見学した際に、そのことを強く実感しました。教室は小規模で、教員の定位置といえる場所も特になく、教員と学生がフラットに対話できる空間が広がっていたのです。そこには、権威としての教師は存在しません。学生の「個」を強くする「アクティブ・ラーニング」にふさわしい空間づくりがなされていたのです。
当校でも、積極的にそうした空間づくりに注力。杉並区にある和泉キャンパスでは、「アクティブ・ラーニング」を意識した新しい教育棟の建設を計画しているほか、中野区にある中野キャンパスでも今後同様のプロジェクトを推進していく予定です。学生の「個」を強くするために大学に求められていることは、学生が主体的に物事を捉え、自らが主役となって行動する力を身につけられる場を提供することではないでしょうか。

「ユニバーシティ(総合大学)」から
「ミックスバーシティ(混合大学)」へ

AIやIoTなどに代表される最先端技術は、世の中をガラリと変えました。大学も、もちろん例外ではありません。たとえば、教室にいなくても講義が受けられるオンライン授業がその一例です。当校では、オンライン授業の導入にいち早く取り組んできました。今後はVRを活用し、どこにいても現実さながらの授業が受けられる環境を創り出したい。さらには明治大学という枠を超えて、世界中の大学の授業を受けられるようにするなど、オンライン授業に革命を起こしたいと考え
                   ています。
このような「ユニバーシティ(総合大学)」から「ミックスバーシティ(混合大学)」への転換は、オンラインの世界だけの話ではありません。タイのバンコクにある「明治大学アセアンセンター」では、カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム・シンガポール・タイと当校の学生が、力を合わせてアセアンの課題解決に向けたフィールドワークや研究を実施。オフラインの世界でも、「ミックスバーシティ(混合大学)」への転換を進めています。新しいことへの積極的な挑戦こそが、選ばれる大学になる鍵を握っていると言えるでしょう。
より選ばれる大学になるために、「総合的教育改革」にも注力。2017年度より導入した、1コマ100分を基本とする「2学期4ターム制」はその一例にしか過ぎません。これにより、留学など学生の主体的な学びの機会を創出しやすくなりました。また、「海外トップユニバーシティ留学奨励助成金」を新設。年間総額5,000万円の奨学金を用意し、優秀な学生を海外へ送り出すサポートにも力を注いでいます。
私たちの眼差しは学生だけでなく、社会人にも向けられています。リカレント教育が注目されているなか、子育てでキャリアが断絶しやすい女性の社会復帰やキャリアアップを支援する「女性のためのスマートキャリアプログラム」を展開。明治大学の知的財産を社会に還元するために設置された生涯学習拠点「明治大学リバティアカデミー」の講座を授業化することも視野に入れています。
大学とは元来、エンターテイメント施設。学生はもちろん、さまざまなバックヤードをもつ方々が楽しめ、喜びを得られる場所であるべきだと考えています。そういった環境づくりを指揮していくことこそが、学長である私のミッションであると言えるでしょう。

社会から必要とされ続けるためには、
ダブルメジャー、トリプルメジャーであるべき

当校は、「就職に力を入れている大学ランキング」(大学通信調べ)で9年連続1位を獲得しました。その理由は、就職活動手帳の配付や就職出陣式の開催、就活に向けた多くの講座やセミナーの実施など、手厚いサポート体制が高く評価されているからだと思います。同時にこの事実は、私たちが「個を強くする大学」というスローガンのもと、社会が必要とする人材の育成に力を注いできた証であるとも言えるでしょう。学生の「個」を強くすることこそが、社会から必要とされる人材育成の第一歩ではないでしょうか。
社会から必要とされる人材には、2つのパターンが存在します。ひとつが、高い専門性を有した「ギルド型人材」。もうひとつが、さまざまな経験を通して新たな価値を創出する「イノベーション型人材」です。大学でより社会が求める人材、特に「ギルド型人材」を育成するためには、企業との連携が必要不可欠であると考えています。たとえば、授業や研究内容に即したインターンシップのカリキュラムを、企業と一緒に構築するのもいいでしょう。そうすることによって、より市場価値の高い人材を社会に送り出すことができるはずです。今後は大学と企業を結びつける取り組みにも、力を注いでいきたいと思っています。
近い将来、多くの仕事がAIに取って代わられると言われています。そのような時代において、社会から必要とされる人材であり続けるためには、ひとつのスキルで満足していてはいけません。当校には他学部履修制度が存在しますが、専門分野をいくつももつダブルメジャー、トリプルメジャーの人材であることが重要。つまり、自分の強みや武器を複数もつことが大切であると考えています。
語学のスキルでも、料理のスキルでも何でもいい。プラスαの能力は、自分自身の存在価値を高めてくれると同時に、人間の幅をグンと広げてくれるでしょう。かくいう私も、大学の学長でありながら、能のプロデューサーとしての顔をもっています。ある時期は、バレエ・ダンスの評論家でもありましたし、生け花の本も出版したことがありました。
専門領域を超えて多彩なフィールドに足を踏み入れてきた経験は、私の人生のすべてに活きています。たとえば能のプロデュースというのは、お金の使い方を考え、たくさんの人を集め、魅力的な舞台を創り上げていく仕事。実はそれは、大学運営とまったく同じ。学長としての仕事にも、好影響を与えてくれているのです。

 
明治大学 https://www.meiji.ac.jp/
明治大学では学生の夢や目標を実現するために、各キャンパスの就職キャリア支援センターが中心となって、学生一人ひとりに合わせたキャリアデザインをサポート。年間5,000件を超える求人が寄せられますが、企業の担当者と連携を密にしながら、的確なマッチングを行うことで“就職の明治”と言われるほどの実績を残しています。進路指導教諭が選ぶ「就職に力を入れている大学ランキング2018(大学通信調べ)」では9年連続1位。エントリーシートや筆記試験対策、業界・企業研究など多くの講座やセミナーを開催し、さらには進路選択から就職活動の疑問や悩みにフェイス・トゥ・フェイスで応じ、「個」の力を発揮できるようきめ細やかに指導しています。また、2018年度より“就職の明治”のノウハウを生かし、高校生向けに、自己理解・職業観向上のためのキャリア形成出張講義を行っています。将来の夢や目的意識をもって進路選択をしてもらうことの重要性を伝えていくことで、「学習意欲の向上」「学生生活に対する主体的な行動」「入学後のミスマッチ減少」に繋げたいと考えます。
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