
内定者に対し「質・量とも満足」している割合は、厳選採用を迎えた10年卒採用で大幅に増加し5割を超えたが、それ以降は2年連続で減少している。今回の調査では、「質・量とも満足」は前年比6.1pt減の40.1%となり、上場・非上場・製造・非製造全てのカテゴリで減少した。とくに上場企業では前年比10.5pt減少し、なかでも理系の満足度は13.8pt減と昨年を大きく下回った。
一方、「質は満足・量は不満」は前年比7.5pt増の29.7%、「質・量とも不満」が前年比4.4pt増の11.9%と、「量」に対する満足度の低下が目立つ。求人数の回復がみられた12年卒採用だが、採用基準に達する学生に出会えず採用予定数の確保が難航しているとみられる。
内定を出す基準を昨年と比較してどのようにしたか聞いたところ、「昨年並み」が74.6%と最も高く、前年までの厳しい採用基準を今年度も踏襲する企業が多かったようだ。急激に厳選採用が進んだ10年卒採用では「昨年より基準を厳しくした」が半数を超えたが、その後2年経った今も依然として基準の高さは維持されているようである。
また、「昨年より基準を緩くした」割合は、少しずつ増加してはいるものの3.6%と低水準で推移している。
採用活動の印象は、「昨年より厳しかった」+「昨年並みに厳しかった」が前年比12.4pt増の80.9%となった。なお、上場企業では前年比14.2pt増の90.2%と、この傾向が顕著にみられた。
採用活動が厳しいと感じた理由は「学生の質の低下」が51.6%と最も高かったが、前年比では8.0pt減少した。一方で、「母集団の確保」が前年比18.0pt増の37.3%、「辞退の増加」が前年比1.7pt増の37.1%、「セミナー動員」が前年比6.8pt増の24.6%といずれも数値を伸ばしている。
学生の行動量の減少が目立った12年卒採用では、多くの企業が母集団形成に苦慮した。さらに、東日本大震災の影響で採用スケジュールの変更に乗り出す企業が増加し、選考時期の足並みが揃わなかったことが辞退の増加に繋がったとみられる。
エントリー数(応募学生数)は、「昨年と比べて大幅に増えた」+「やや増えた」の合計が前年比42.5pt減の39.2%となり、「大幅に減った」+「やや減った」の32.6%より高い割合であるものの、前年比では減少している。過去2年間は「大幅に増えた」が5割を超えていたが、12年卒採用ではエントリー数の増加に高止まりの傾向が見られた。
また、エントリーシートの提出学生数も「大幅に増えた」+「やや増えた」が前年比22.2pt減の28.4%となり、「大幅に減った」+「やや減った」の21.1%より高いが、前年比では大幅に減少している。
説明会予約者の説明会参加率においても「大幅に上がった」+「やや上がった」が32.6%と3割を超え、「大幅に下がった」+「やや下がった」の24.0%を凌いでいるが、前年比で見ると19.1pt減少している。
総体的に見ると、エントリー数から説明会の参加率まで増えた(上がった)割合は減った(下がった)割合より高いものの、前年のように大幅な伸びは見られなかった。
平均選考回数は、前年比0.1回減の3.3回となった。また、一次選考から内定までの選考日数を見ると、前年比で平均2.1日増の42.8日であった。上場企業では0.2日減の40.9日となったのに対し、非上場企業では前年比2.7日増の43.3日となった。
1次選考の手法は「筆記試験(適性・一般常識等)」が全てのカテゴリで最も利用されており、全体で51.7%となった。また、上場企業では「エントリーシート」を利用することが他のカテゴリと比較してやや高いようである。
なお、「個人面接」の割合は1次選考の時点では19.3%であるが、選考が進むにつれ高くなり、3次選考または最終選考では89.6%が個人面接を行っている。
主要な面接の開始時期は、ボリュームゾーンが3月~4月となり、4月は26.3%と最も高かった。これを本社所在地別で見ると、関東は全体平均より3.3pt低い23.0%、北海道・東北エリアは2.5pt低い23.8%となり、他のエリアと比べ落ち込みが目立つ。この2エリアは震災の影響を大きく受けており、全体平均より面接を後倒した企業が多いことが窺える。
現時点での内々定辞退率は、全体的に前年よりやや高い傾向にあるようだ。辞退者3割以上を合計すると全体で1.9pt増の40.4%となり、全てのカテゴリで増加している。
その影響か、充足率も「10割(全て充足している)」が前年比8.0pt減の40.6%となった。とくに上場企業は前年比14.3pt減の39.7%と前年を大きく下回り、採用予定数に未だ達していないようである。
採用活動の終了予定時期を、4月発表(調査期間は2011年2月4日~3月7日)の「12年卒採用予定調査」と比較した。
当初は、採用活動の終了予定を「2011年6月」とした割合が24.0%と最も高く、次いで5月が20.3%であった。だが今回の調査では7月が16.9%と最も高くなり、次に6月の15.3%、8月の14.8%が続き、当初の計画より全体的に後倒しになっていたことがわかる。なお、上場企業では9月を終了予定としている回答が最も多かった。
また、採用活動の期間についても「長期化する(した)」が42.4%となり、12年卒採用予定調査と比較すると30.6pt増加している。とくに上場企業では55.9%が「長期化する(した)」と回答しており、東日本大震災の影響が顕著にみられる結果となった。
今年度実施している内定者フォローは、「懇親会(飲み会)」が71.5%で最も高く、次いで「内定式」が59.9%となった。「懇親会(飲み会)」はいずれのカテゴリにおいても実施されることが多いが、「内定式」については上場企業の方が非上場企業より実施する傾向にあり、また従業員規模別でみると、規模が大きい企業ほど内定式を行っているようだ。
一方、「アルバイト・インターン」をフォローの一環として行っている企業は13.7%であったが、これを従業員規模別で見ると、100人未満の企業では2割を超えた。
内定式の実施日は、10月3日(月)の開催が最も多く55.0%、とくに上場企業では72.3%が10月3日(月)を選択している。総体的に10月中に実施する企業が多いようである。
次年度の採用活動の見解を聞くと、「非常に厳しくなる」+「厳しくなる」が前年比18.4pt増の60.0%となった。上場企業では70.4%にのぼり、この傾向が更に高いようである。学生の質の確保に加え、広報活動の後倒しによる採用期間短縮などの影響を鑑みた結果といえるだろう。
次年度の採用数は「今年度並み」が前年比5.6pt増の81.0%となり、また「大幅に減らす」+「多少減らす」が前年比5.4pt減の9.9%と、前回に続き回復傾向にある。震災による採用意欲の低下が懸念されていたがその影響も少なく、今後も採用人数は維持されるとみられる。
次年度採用スケジュールは、倫理憲章の変更で広報活動開始時期が12月1日以降と明示され、また就職情報サイトのオープンも後倒しになったため、それに合わせる企業が多く、採用情報の公開及びエントリー受付を「今年度より遅らせる」割合が大幅に増加している。
一方、会社説明会や選考開始、内定出しを「今年度と同時期」とする企業は7割近くにのぼった。
次年度の広報スケジュール変更にともない、最も重点を置く「採用フェーズ」について聞いたところ、「母集団形成(エントリー)」が36.0%と最も高かった。広報期間短縮により学生がエントリーに費やす時間も減少すると考えられ、ゆえに初期段階での採用広報の強化は各企業にとって不可欠となる。また、「個別企業セミナー(直接接触)」も32.5%が重点を置くと回答。とくに次年度は、活動期間の集中で学生が企業理解を深めるための十分な時間が取れるとは限らない。個別企業セミナーで伝えるべき内容を精査し、入社意欲を高めたいところである。
また、重点を置く「採用手法」について聞いたところ、「特定の学校への訪問(学内セミナー含む)」が53.7%と半数を超えた。この傾向は、上場企業の中でも製造業において高い。なお、上場企業では「リクルーターやOB・OGの活用」も積極的に行うようである。また非上場企業の製造業では「会社・工場見学」や「職種別採用」を重視、技術系の獲得に努めるとみられる。一方、非製造業では「Facebook、ソーシャルメディア等の活用」にも着目する企業も出始めている。
ここでは、海外留学している日本人留学生、日本留学している外国人留学生、及び海外に在学する現地大学生について、2012年卒採用の有無、また2013年卒採用の予定について聞いた。
まず2012年卒採用で「採用した(する予定)」としたのは、日本人留学生が8.4%、外国人留学生が10.7%、現地大学生が2.9%となった。とくに上場企業では外国人留学生の採用は27.1%にのぼっており、日本人留学生の18.1%を9.0pt上回っている。
次年度の2013年卒採用では、留学生を「採用する予定」と決めているのは日本人留学生、外国人留学生とも8.8%だが、現在「検討中」とする企業も少なくない。日本人留学生は30.6%、外国人留学生では24.0%が次年度採用を検討している。なかでも上場企業は留学生の採用意欲が高く、日本人、外国人留学生ともに6割前後の企業が採用を予定、もしくは検討しているようだ。
急激な円高や国際競争の激化による海外への事業展開が進み、留学生採用へのニーズは年々高まっている。今後この傾向はさらに加熱するとみられる。
| 調査名 | 「2012年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」 |
| 調査方法 | 回答用紙郵送後、FaxまたはWebから回答受付 |
| 調査期間 | 2011年8月19日(金)発送、9月8日(木)受付締切り |
| アンケート送付対象 | 国内優良企業7,946社 |
| 回答 | 1,757件 回答の内訳(1)『上場企業』330社、『非上場企業』1,427社 回答の内訳(2)『製造業』646社、『非製造業』1,111社 |
| 備考 | ~1999年:9~10月 2000年~2010年:7~8月 2011年:8~9月にそれぞれ実施 |
※MA:Multi Answer(複数回答)

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