2013年卒序盤戦:学生の就職活動状況
投稿日:2012年02月07日
カテゴリー:学生動向, 新卒採用市場
はじめに
はじめまして、私HRリサーチセンターのセンター長を務めております栗田と申します。
就職内定率が対前年比3.1pt増の71.9%と改善は見られるものの、依然厳しい状況が続く新卒採用。環境面では広報開始時期が2ヶ月遅れの12月から開始されるなど、今期は新卒採用を取り巻く環境は大きく変化しています。
この「変化」をいち早くお知らせするとともに、新卒採用を取り巻く様々な情報をわかりやすくお伝えするため、定期的にコラムを掲載していくことにいたしました。
その初回となる第一回目の内容は、新卒採用における広報開始時期が2ヶ月後ろ倒しになった影響を、現時点の学生動向やアンケート結果から記載します。
ご一読いただき、今後の採用活動の一助としていただければ幸いです。
◇これまでの学生動向
1)準備活動時期では企業との直接接触がないまま、自己分析や業界研究・企業研究を実施。2ヶ月後ろ倒しの受止め方はプラスとマイナスに意見が二分。
弊社の「2013年卒広報活動開始前の活動調査」において事前の活動内容を調査したところ、「自己分析」が16pt増の59.0%を筆頭に業界研究などの事前研究を行う学生が増加。一方「インターンシップに参加」(対前年27.0pt減少)や、「合同企業説明会に参加」(対前年9.3pt減少)など、企業との直接接触の機会は減少しています。これにより、本来直接社会人と触れ合うことで深まる業界研究・企業研究等が進まず、結果十分な志望動機形成がなされないまま選考を迎える可能性が懸念されます。
この2ヶ月後ろ倒しとなる12月スタートをどの様に捉えているか学生に聞いてみたところ、プラスに捉える学生とマイナス捉える学生に二分されました。
(プラスに捉えている+どちらかというとプラスに捉えている)の合計:44.9%
(マイナスに捉えている+どちらかというとマイナスに捉えている)の合計55.1%
プラスの学生の理由としては理系中心に「学業に費やす時間が増えて良い」とする回答が51.4%。一方、マイナスに捉えるのは「スケジュールが過密になり就職活動が大変になる」83.8%や「業界研究、企業研究が浅くなる」49.3%など、就職活動への影響を不安視する回答が上位に挙げられています。

2)学生は前年より2ヶ月程度遅れて活動を開始。就職活動に不安を感じ、12月に一斉スタート。
マイナビにおいて、前年10月の会員数に達したのが今期11月23日と、学生の会員登録は約2ヶ月後ろ倒しとなっています。また弊社の「2013年卒広報活動開始前の活動調査」において広報活動開始前に就職活動を始めた理由を聞いてみると、「就職活動への不安や焦りから」が66.7%と最も高い数値を示しました。この時期は、後期の学内ガイダンスや各種新聞報道等で2ヶ月遅れの影響を認識し、急速に不安が高まったと考えられます。

結果、12月1日を迎えた学生達は一斉にエントリーを開始。そのエントリー件数は開始わずか10日間で、昨年2ヶ月(10-11月)の総エントリーの6割を越える数字となりました。しかしその後、大幅な増加は見られず、一定割合で推移しており、学生も少しずつ絞り込んだエントリーを行うようになっています。
この12月上旬のエントリー集中により、1月末までの開始2ヶ月間の総エントリー数は前年同月(10月-1月の4ヶ月合計)比較で8割程度まで回復するに至っています。

また例年であれば12月は個別企業説明会への参加を行う学生が多いのですが、今期は合同企業説明会への平均参加回数が非常に多かったのが特徴的でした。昨年10~12月の平均参加回数の合計が3.6回だったのに対し、今期は7.7回と倍増しています。年明けにはエントリーシートの提出を求められる企業もあり、早めに業界研究を行いたい学生が、合同企業説明会を上手く活用していたと思われます。
一方、個別企業のセミナー参加は1月に前年を多少上回ったものの、12月の減少を補うまでには至らず、例年より遅れる傾向にあります。(12年卒<4ヶ月>10.4社→13年卒<2ヶ月>7.1社)※マイナビ学生就職モニター調査より
3)学生の大手志向和らぐ。希望業種は裾野が広がる。
学生の企業選択基準のひとつとして挙げられる企業規模の志向において、今期は早くから中堅中小企業を意識する傾向が見られます。弊社のマイナビ学生就職モニター調査 12月の活動状況において、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でも良い」と「中堅・中小企業が良い」の合計が55.0%と半数を超えており、特に女子学生を中心にその傾向が高まっています。
また、希望業種登録においても変化が表れています。志望する割合が上昇した業界は「鉄鋼・金属・鉱業」や「印刷・事務機器関連」「建設・住宅・インテリア」など、派手さは無いものの堅実なイメージのある業界が増加。一方で震災の影響により「電力・ガス・エネルギー」が人気を下げる結果となっています。また例年登録人数の多かった「マスコミ(放送・新聞・出版・広告)」や「銀行・証券」「生保・損保」といった業界が、その割合を落としています。学生は期間が短くなったことで、人気の高い大手企業ばかりを狙わず、現実的に内定を得られそうな業界に視野を広げて活動していると推察されます。

このように、序盤戦の学生の活動はスタートの遅れがそのまま影響し、直前になって不安が増大。12月1日に一気にエントリーを始め、合同企業説明会を使って業界研究や企業研究などの各種準備を同時並行で行う姿が印象的でした。しかし、1月に入ると後期試験もあり、エントリーを除いて前年並みの活動量に落ち着いており、今後大幅な活動量の増加は見込みずらい状況となりました。企業選択においても中堅中小企業を見ようという意識が見られ、2ヶ月遅れたことの影響は様々な形となって表れはじめています。
気になる2月以降の動向についてはまた改めてご報告いたします。
========================================
※参照データ一覧
グラフ1・2→「広報活動開始前の活動内容」「就職活動期間が例年より短くなったことに対する意見」
2013年卒マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査より
グラフ3・4→「広報活動の準備開始時期」「早い段階で就職活動の準備を始めた理由」
2013年卒マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査より
グラフ5→「10日間ごとのエントリー数推移」
2013年卒マイナビエントリーデータより
グラフ6→「大手企業志向か中小企業志向か」
2013年卒マイナビ学生就職モニター調査12月の活動より



