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女子学生の働き方についての考え方と就職活動

投稿日:2014年08月26日
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 今年6月24日に「日本再興戦略」の改訂が閣議決定されてから2ヶ月が経ちました。この改訂では、「女性の活躍推進のための環境整備(放課後児童クラブ等の拡充等)」を具体的な《鍵となる施策》として挙げています。また最近のニュースでも、「日本における女性の働き方には改善の余地がある」という話題を目にします。女性を取り巻く労働環境については、変化の必要性が認知されてきているようです。
 では「これから働く」女子学生は、働き方についてどのような考えを持っているのでしょうか。また、働き方についての考え方や価値観は、就職活動の結果においても何らかの関係性を持っているものなのでしょうか。今回はこのテーマを掘り下げてみたいと思います。
 
◆女性の働き方についての先行研究とマイナビ調査の比較◆
 
 女性の働き方についての先行研究として、平成20年 東京都産業労働局 《「従業員調査結果」Ⅲ女性の働き方について 1 望ましいと思う女性の働き方》を見たところ、20代の勤労女性が「望ましいと思う女性の働き方」は、

 

結婚・出産後も男性と同じように仕事する※ 12.7%
結婚・出産後も家庭に支障ない範囲で仕事する※ 60.6%
結婚を期に専業主婦になるのがよい 1.4%
出産を期に専業主婦になるのがよい 3.5%
子育て後再び仕事に就くのがよい 16.2%
できるだけ仕事を持たないほうがよい 1.4%
その他 2.8%
無回答 1.4%

 

となり、「結婚・出産後も働く」ことを含む選択肢(※)を選んだ20代女性は73.3%という結果になっています。
 
 マイナビでは、 2014年6月末実施のマイナビモニターアンケート(第7回)で、以下5分類に分けて「現時点で希望する働き方」を聞きました。結果、結婚・出産後も働きたいという希望を示す項目2つ(「定年まで働きたい」+「できれば結婚後・子供ができた後も働き続けたい」)の和は、76.8%でした。
 先行研究と分類が少し違うので、比較は難しいですが、20代の女性が「ライフイベントを経ても働き続けたい」と考える割合が高いことは共通していると考えられます。
 では、働き続ける場合の雇用形態についてはどのように考えているのでしょうか。
 
 マイナビの調査ではさらに、結婚後と出産後、それぞれにおける「雇用形態についての希望」を調査しました。
 
雇用形態についての希望
 
結婚後の雇用形態について
2kekkongo-bunri
出産後の雇用形態について

2shussanngo-bunri
「結婚後も同じ会社で継続して働き続けたい」と回答した割合

文系 86.4% 内、雇用形態の変更を希望する割合 14.0%
理系 86.4% 内、雇用形態の変更を希望する割合 8.6%

 

「出産後も同じ会社で働き続けたい」と回答した割合

文系 71.5% 内、雇用形態の変更を希望する割合 19.6%
理系 78.5% 内、雇用形態の変更を希望する割合 22.2%

 
 結果、結婚・出産において、「同じ会社で雇用形態の変更を考える」層が、文理で多少差はあるものの、結婚では10%前後、出産においては20%前後存在することがわかりました。
 もちろん、実際の結婚及び出産に当たっては、彼女たちの意思や希望だけでは決められないこともあるでしょうが、大学4年次において、
 
「9割近い女子学生は、結婚後も同じ会社で働くことを望んでいるが、そのうち7人に1人程度は結婚を期に雇用形態を変更して働きたいと考えている。また出産後においては、文理ともに7割以上が同じ会社で働くことを希望しているが、そのうち4分の1以上は雇用形態の変更を希望している」
 
ということは言えそうです。
 
◆内々定の有無と働き方についての考え方◆
 
 次に、働き方についての考え方と実際の就職活動の結果には、何か相関があるのか考えてみたいと思います。
 
 前述のアンケート結果を7月末時点での内定の有無別に見てみましょう。
 
結婚後に希望する雇用形態(内々定の有無別)
2kekkonngo-naiteiumu
 同じ会社で働きたいと回答した割合は、内々定有で89.0%、未内定で72.6%となり、内々定有のグループのほうが高いことが見てとれます。また、雇用形態については「そのまま正社員として働き続けたい」と回答した学生は、内々定有(56.6%)が未内定(34.4%)を大きく上回る結果となりました。
 しかし「同じ会社で雇用形態を変更して働きたい」という回答は、未内定が内々定ありを6.2pt上回り、「違う会社で違う雇用形態で働きたい」という回答でも、未内定が内々定有を4.4pt上回りました。「結婚したら働きたくない」は未内定が内々定を4.5pt上回っています。
 内々定有のグループのほうが、結婚後も「同じ会社で」「雇用形態を変えずに」「働きたい」割合が高いようです。
 
出産後に希望する雇用形態(内々定の有無別)
2shussanngo-naiteiumu
 出産後についても、結婚後と同じような傾向が見られ、同じ会社で働きたいと回答した割合は、内々定有で76.1%、未内定で58.5%と、内々定有が未内定を大きく上回っています。また「同じ会社で雇用形態を変更して働きたい」割合についても、未内定が内々定有をやや上回っています。「出産後育児に専念し働きたくない」割合については、未内定が内々定有を6.2pt上回っています。
 
 さらに、これまでにエントリーした中で、中心としていた職種について聞いてみました。
 
どの職種中心にエントリーしたか(内々定の有無別)
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 総合職(全国転勤あり+地域)を中心にエントリーした学生の割合は、内々定有(66.4%)と、未内定(41.9%)で、大きく差がつきました。一方、一般職を中心にエントリーした学生の割合は、内々定有(14.9%)、未内定(33.3%)となり、未内定が内々定有を大きく上回りました。
 
 さらに、2015年卒大学生のライフスタイル調査と、7月内定率調査の両方に回答した学生についても、就職活動の結果と働き方についての考えについて、「共働きに賛成する理由」というポイントで見てみたいと思います。 
 共働きについての考えは、女子全体の70%以上が「夫婦共働きが望ましい」としています。共働きすることに賛成する理由について、詳しく聞いたのが下の図です。
 
共働きすることに賛成する理由(内々定の有無別)
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4.0pt以上の差で内々定有>未内定となる項目は
●仕事でキャリアを積みたい(出世したい)から
●仕事を続けることが生きがいになると思うから
 
4.0pt以上の差で内々定有<未内定となる項目は
○それぞれ自分の仕事を持っていることが自然だと思うから
○家庭に入ったあと社会との接点がなくなるのが不安だから
 
となっており、内々定有の学生は、「“自分が”働くことそのもの」にフォーカスが当たった項目に回答した割合が高くなっています。
 
 ここまでのデータで、内々定保有者の特徴について考えてみます。
 
【内々定保有者に特徴的なこと】
●「総合職」を中心にエントリーしている人が多い。
●結婚・出産後も「同じ会社で」「雇用形態を変えず」「長く働く」イメージを持っている人が多い。
●共働きをする理由において、「自分が働くこと」を中心にした意見を持っている人が多い。
 
 また、結婚・出産後に「仕事を辞めたい」人の割合や、「(結婚・出産をする気がないので)考えたことがない」という人の割合は、未内定層より低くなっています。
 
 以上のことから、就職活動を行うに当たっての「個人における労働への動機(なぜ働くのか、具体的にしてみたい仕事は何か)」や「ライフイベントを含めたキャリアプラン」がより明確に認識されていることが、内々定保有者の特徴だと考えられます。またこの特徴は「エントリーの際に中心とした職種」にも影響があり、(全国転勤あり+地域)総合職を中心にエントリーする学生の割合は、未内定層よりも明らかに高くなっています。
 選考の現場では、募集の多い総合職への応募割合が高いことに加え、「就いてみたい職種やポスト、キャリアビジョン」が明確である、つまり【志望動機】がはっきりしていると捉えられ、内々定獲得につながっているのではと推察されます。
 
◆まとめ◆
 
 女子学生の8割以上は結婚後も、7割以上は出産後も同じ会社で「働き続けたい」と考えており、ライフイベントを区切りに仕事を辞めたいと考える層は、少数派であるといえます。
 ただし、ライフイベントにおける雇用形態変更のルールの設定については、一部企業で取り組みが始まっているものの、検討中の企業も多数見受けられます。ライフイベント後の働き方において「雇用形態の変更」を考えている学生が一定数存在しているにもかかわらず、就職した会社でこの希望が叶わない場合、仕事への満足度は高くとも、仕方なく退職するということになり、結果として人材の流出が起こる可能性が考えられます。採用の観点からしても、また仕事のクオリティの維持という観点からしても、雇用形態変更についてのルール作りは、雇用者・被雇用者の双方にとってメリットのある取り組みになるのではないでしょうか。
 
 今後、現段階で学生が望んでいるように、働き方の多様性や柔軟性が高まれば、日本社会における女性の更なる活躍推進が実現されていくでしょう。女性人材の活用により、一層の事業発展を見据える企業は、彼女たちが結婚・出産・育児などのライフイベントを迎えるまでに、対応策を実施する必要があります。その取り組みに資するため、女子学生の意識や考えについて、今後もリサーチを行ってまいります。